エンタメ
2016/4/18 22:15

「埼玉県民は草を食え」!? 不人気県に“自虐ルネッサンス”が花開く!

2012年には、有吉弘行さんを起用した自虐PR、「おしい! 広島県」が話題となりましたが、今年もその流れが加速しそうです。埼玉県をはじめ、茨城県、島根県、青森県などでは、イメージの悪さを逆手に取った活動で知名度アップを狙っており、「自虐ルネッサンス」ともよべるほどの大きなうねりへと発展しています。

 

コンプレックスを認め力に変える姿が潔い!

話題となっているのは、「このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉」。同書はもともと「パタリロ!」などの著者である魔夜峰央(まや・みねお)さんが1986年に刊行した作品で、埼玉育ちの少年が東京都民による埼玉弾圧に立ち向かうというギャグマンガです。

 

「埼玉から東京に行くには通行手形がいる」 といった記述や、腹痛を起こした埼玉県民に「そこらへんの草でも食わせておけ!」と怒鳴りつける東京都民、埼玉特有の熱病「サイタマラリヤ」の登場など、衝撃の埼玉ディスマンガとして知られていました。

 

そんな同書は2015年12月、マンガレビューサイト「このマンガがすごい!WEB」の選者から復刊を望む声を受け、30年の時を経て復刊。Twitterやテレビ番組などで多数取り上げられ、異例の累計55万部を突破しました。売上の3割を埼玉県が占めるほか、上田知事が「悪名は無名に勝る」といったコメントを寄せるなど、県内自治体も歓迎ムードに沸いているそうです。

 

さらに2016年4月28日~5月8日の期間、新所沢パルコからのオファーを受け、異例のコラボレーションが実現。“翔んで埼玉祭”と銘打ち、2016年4月28日~5月8日の期間、コラボレーションしたポスターや看板、交通広告、新聞広告の実施、渋谷パルコpart.1 横にも巨大看板が出現するとのことです。

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また、その他の県でも、認知度の低さを逆手にとったさまざまな自虐PRが行われています。例えば、「 翔んで埼玉」の作中で、「気の弱い女性だとその名を聞いただけで卒倒してしまう」と紹介された茨城県。

 

地域ブランド調査2015で、都道府県の魅力度ランキングで最下位に甘んじた同県は、「いばらきを知ろう!大キャンペーン」として「のびしろ日本一。いばらき県」のPR動画を作成。吉本の人気芸人を多数出演させることで、ツイッターやブログでも話題となっています。

 

また、島根県は、以前から「日本で47番目に有名な県。」「島根って、鳥取のどの辺?ってきかれた。」といった自虐コメントを添えた「島根自虐カレンダー」を発売していました。昨年は、さらに過去のカレンダーを一冊にまとめた書籍「島根自虐伝」が刊行されています。

 

2016年の2月には、「全国一短命」である青森県の津軽地方で、「短命県体験ツアー~青森県がお前をKILL(キル)~」が開催。平均寿命が最下位の県の暮らしを1泊2日で体感するという催しが企画されています。

 

コンプレックスを潔く認め、力に変えるしたたかさは、誰もが見習うべき点ですね。今後は、どんな不人気県が自虐で名を上げるか、注目していきましょう。

 

宝島社 http://tkj.jp/

このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 http://konomanga.jp/manga/tondesaitama

のびしろ日本一。いばらき県 https://ibaraki-campaign.jp/

島根自虐伝 http://xn--u9j429qiq1a.jp/jigyakuden/