僕は、飲み会などでみんなでワイワイするときに、動物雑学を話すことが多い。元々動物に関する雑学が好きということもあるが、話題としておもしろく誰も嫌な思いをしないので、かなり重宝する。
そんな動物小ネタだが、間違ったものが流布していることが多い。『ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~』(今泉忠明・著/学研プラス・刊)には、「勘違い」されている動物について解説された書籍だ。
「マンボウはひ弱」はデマ?
たとえば、すぐ死ぬことで一時期話題になった、変な魚「マンボウ」。まっすぐにしか泳げないため水族館では壁にぶつかって死ぬ、寄生虫を除去するために水面をジャンプしたら死ぬ、目に水の泡が入って死ぬなどなど。かなりひ弱なイメージだ。しかし実際は違うようだ。ほとんどがインターネット上のデマらしい。
実際に強い魚ではなく、水族館での飼育下ではストレスにより死んでしまうこともあるようだが、自然の環境ではそれほど死なないそう。ただし、一度に3億個の卵を産み、大人になるのはそのうちの数%なので、生き残るための力は弱いのだろう。
ハリネズミとハリモグラの微妙な関係
本書を読んでおもしろかったのが、「ハリネズミ」だ。硬い針のような毛を持つ、かわいらしい動物。ペットとしても人気が高い。だが、このハリネズミ、ネズミの仲間ではなくモグラの仲間なんだそう。
まあ、それはよくあることだ。ただ、ひとつ問題が。実は「ハリモグラ」という動物もいるのだ。こちらも硬い針のような毛を持っている。ハリネズミはモグラの仲間だったら、ハリモグラはなんなのか。
実はハリモグラはカモノハシの仲間。ハリモグラはカモノハシ同様、哺乳類だが卵を産むという、ちょっと変わった生き物なのだ。
ハリネズミがモグラで、ハリモグラはカモノハシ。なんともややこしい。
オシドリ夫婦は褒め言葉?
オシドリも勘違いされている鳥だ。よく仲のよい夫婦を「オシドリ夫婦」なんて言ったりするが、実はオシドリ自体はそんなに仲がいいわけではない。オスがメスと仲がいいのは卵を産むまで。
いっしょにいるのは、メスが卵を産むまでの話さ。卵を温めたり、子育てしたりはしないからね。しかも、すぐにほかのメスにプロポーズしちゃうのさ
(『ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~』)より引用)
オシドリの実態を知ってしまうと、オシドリ夫婦と呼ばれているご夫婦がいたら、ちょっと疑ってしまうかもしれない。
もしかしたら、今頭の中にある動物の知識は、勘違いから生まれているものかも。本書を読んで一度確認したほうがいいだろう。
【書籍紹介】
ウソナンデス ~ぼくたち、かんちがいされています!~
著者:今泉忠明
発行:学研プラス
「ピラニアは凶暴」「ハイエナは横取りばかり」など、世間で生き物がされている「勘違い」を通して、彼らの生態などを紹介。勘違いを正したい動物たちとインタビュアーの対談形式。手軽に読めて、生き物の知識が身につく。
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