マンガ
2016/4/29 17:00

19世紀の“マリハラ”から学ぶ人類の進歩とは?

イクメン(育児にはげむメンズ)マンガ家として知られるカラスヤサトシ先生が、映画のなかから新“家訓”を生みだす「わが子よ! これが映画だよ」。今回は、フランスの女流画家ベルト・モリゾの半生を描いた「画家モリゾ、マネの描いた美女~名画に隠された秘密」から、カラスヤ先生が感じ取った家訓を紹介します。

 

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「画家モリゾ、マネの描いた美女~名画に隠された秘密」
発売・販売:株式会社KADOKAWA
4700円(税抜)
(C)K’ien Productions – 2012Reserved.

 

19世紀半ばのフランスでの「印象派」の誕生に関わったベルト・モリゾの半生を描く。監督はカロリーヌ・シャンプティエ、主演に「ココ・シャネル」に出演したマリーヌ・デルテリム。

 

舞台は1860〜70年代のフランス。姉のエドマとともに創作活動に励んでいた女性画家ベルト・モリゾは、先鋭的な作品で話題を集めていたエドゥアール・マネと出会う。マネからモデルの依頼を受けた彼女は彼のアトリエに通いながら、次第に彼に惹かれていくが……。

 

当時の「女性は家庭に入るもの」という価値観を持つ周囲からの“結婚”への圧力や、思ったように進まない自身の創作活動、マネとの奇妙で複雑な関係、そして普仏戦争の勃発……。

 

様々な苦悩を経て彼女が選んだ生き方は果たして?

 

以上が本作のあらすじであるが、主演のマリーヌ・デルテリムの演技が素晴らしい。画家として、そして女として苦悩するベルト・モリゾの姿が丹念に、かつ克明にスクリーン上に再現される。当時の社会における女性の立場の厳しさと、彼女の強さが感じられる作品だ。

 

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