冷蔵庫は常に稼動しているだけに、省エネ性能の高いモデルに買い替えたいもの。今回は、「微凍結パーシャル」「ワンダフルオープン」などの人気機能を搭載したパナソニックの冷蔵庫を特集します。家電のプロ・戸井田園子さんにお願いし、4~5人の家庭で一般的な450~500Lクラスの3つの価格帯別でオススメを選んでもらいました。各モデルは電気代から機能の有無まで、表組みでわかりやすく比較しているので、ぜひ参考にしてみてください!
教えてくれるのはこの人!
家電コーディネーター
戸井田園子さん
雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。
【パナソニックの冷蔵庫の特徴とは?】
「トップユニット方式」と「ワンダフルオープン」が人気!
「コンプレッサーを小型化し、冷蔵庫上部に配した『トップユニット方式』で、冷蔵庫下部のスペースを有効に使えるようにした設計は、パナソニックのオンリーワンです。また引き出し式収納部分は、レールによって奥までしっかり引き出せる『ワンダフルオープン』が大好評。ケース全体が見渡せ食材の出し入れがしやすくなっています。
ドアの開閉状況や周囲の明るさを感知し、使わない時間帯は無駄な冷却をコントロールする『エコナビ』を搭載し、省エネにも配慮。空気の浄化や脱臭、除菌に効果を発揮する独自の微粒子イオン『ナノイー』を搭載したモデルも多数あります。400L以上の大容量タイプのラインナップが豊富で選びやすいのも特徴ですね」(戸井田さん)
【パナソニックのオススメその1 ハイエンドモデル】
「ナノイーX」搭載の大容量プレミアムモデル
HPXタイプ
実売価格34万3440円
除菌に効果のあるOHラジカルを、「ナノイー」の10倍含有した「ナノイーX」を搭載する2018年プレミアムモデル。「Wシャキシャキ野菜室」は、密閉性を高めた「新・モイスチャーコントロールフィルター」と野菜から放出される湿気を感知する「野菜室専用湿度センサー」により、野菜にちょうどいい湿度を保ちます。また、冷蔵室下段のパーシャル室では、約-3℃の低温で食品を微凍結保存し、肉や魚の鮮度を約1週間維持(「微凍結パーシャル」)。省エネに関しては冷気循環用ファンの大型化、ダンパー(冷気の風路にある装置)開閉のきめ細かい制御などを含む「フラット冷却システム」が新採用されています。
戸井田さんのレコメンド
食材の鮮度維持と省エネ機能に注目!
「省スペース&大容量のプレミアムモデルです。昨年、いよいよ『幅685mm・600L』を達成し、この2018年モデルが第二世代となります。ウリの機能は『微凍結パーシャル』。チルド以下、冷凍未満の-3℃は、低温かつ完全には凍らないギリギリの温度帯で、肉や魚など冷蔵では約3日、チルドでは約4日のところ、微凍結パーシャルでは約7日と食材の鮮度を長持ちさせることができます。完全冷凍ではないので、解凍いらずで使えるのも便利。忙しいときに短時間で調理が可能になります。冷凍室には『新鮮凍結ルーム』があり、ラップした熱いごはんをそのまま入れてもOK。こちらも時短になりますね。
『Wシャキシャキ野菜室』は『保鮮プレート』と『うるおいシャッター』で保湿効果が高いのが特徴。葉野菜も1週間鮮度を維持できるので、まとめ買いをしても大丈夫! 奥までしっかり引き出せる『ワンダフルオープン』、扉の位置が低めの『ローウエストライン設計』、3方向から照らす庫内灯など使い勝手も良好です。
また新冷却システム『フラット冷却システム』や新開発高断熱キャビネットなどハード面でも高い省エネ技術を搭載。収納量を光で判断する世界初の技術や、ドア開閉数、部屋の明るさなどの情報から無駄な運転を減らし節電する『エコナビ』も優秀です。おまかせで省エネできるのはうれしいですね!」(戸井田さん)
【パナソニックのオススメその2 中位モデル】
最上位にひけを取らないコスパ良の2017年モデル
XPVタイプ
実売価格14万8720円
2017年発売モデル。先述のNR-F504HPXと同様に「微凍結パーシャル」「Wシャキシャキ野菜室」といった機能はひと通り揃っています。コンプレッサーをデッドスペースになりがちな最上段奥へ移動させた、パナソニック独自のトップユニット方式で収納力を確保。設定要らずで節電してくれる「エコナビ」も搭載し、省エネ性を高めています。清潔機能の面では、イオンの量が多い「ナノイーX」ではなく、一世代前の「ナノイー」を搭載。また新冷却システム「フラット冷却システム」は非搭載という部分で、最上位モデルとの差があります。
戸井田さんのレコメンド
予算を抑えつつ、人気機能を享受できるのが大きなメリット
「上位モデルとの差は、冷凍室が2段ケースになること(550L以上の上位モデルは3段ケース)、冷凍室・新鮮凍結のアルミプレートが1枚になることなどで、大きく性能が劣ることはありません。『微凍結パーシャル』『トップユニット方式』『ワンダフルオープン』といった人気機能は網羅。使い勝手の面では最上位と変わりなく、満足できる充実ぶりです。
ハード面では『フラット冷却システム』が非搭載で、消費電力量はやや高めになりますが、『エコナビ』が搭載されているのでそれほど気にしなくてもOK。スリムタイプではないですが、予算を抑えつつ同社の人気機能を享受できるのが大きなメリットです」(戸井田さん)
【パナソニックのオススメその3 スタンダードモデル】
「微凍結パーシャル」を搭載した鋼板モデル
Vタイプ
実売価格13万7990円
基本機能を備えた鋼板ドアモデルに「微凍結パーシャル」を搭載した2017年発売のスタンダードモデル。「微凍結パーシャル」「ワンダフルオープン」は搭載されていますが、「ナノイー」による清潔機能が省かれ、野菜室は下段のみ「シャキシャキ野菜室」となっている点が上位モデルと違うポイント。省エネ基準達成率は88%とやや低めですが、「エコナビ」が搭載されており、きめ細かく節電してくれます。
戸井田さんのレコメンド
人気の機能がひと通り網羅されている!
「鋼板ドアのスタンダードモデルです。『エコナビ』『トップユニット方式』『ワンダフルオープン』『微凍結パーシャル』など、人気の機能は網羅されています。中位モデルとの差は、野菜室が『シャキシャキ野菜室』となり、下段のみ湿度コントロールタイプになること。長持ちさせたい野菜は下段に収納するなど、ちょっとした工夫をすればOKです。また、ナノイーが非搭載になりますが、『光Ag除菌+Agバイオ抗菌脱臭』の清潔機能は備わっています。
鋼板ドアなので、従来のようにマグネットが使え、給食の献立やスケジュールがドアに貼れて便利。鋼板ドアはガラス扉より生活感が出るデザインですが、冷蔵庫が見えにくいキッチン独立の間取りなら気にならないでしょう」(戸井田さん)
<総括>
サイズにこだわらないならXPVタイプがオススメ
「HPXタイプは全体としてはセカンドグレードに当たり、最上位のWPXタイプとの差は野菜室にステンレスプレートがないことと、ガラス扉の加工が異なることで、ほぼ性能は一緒です。価格を若干抑えつつ、デザインも機能も充実した高性能モデルが欲しい人にオススメ。『幅685mm・600L』『幅685mm・550L』『幅650mm・500L』『幅650mm・450L』の4種とラインナップも豊富です。容量により展開している色が変わるため、欲しい容量と色が合致しないことがあります。色と容量、どちらを優先するかは検討を!
ちなみに同じタイプ内でも、冷凍室が3段ケースなのは600Lと550Lのみ。500Lと450Lは2段になります。2018年8月に発売されたばかりのモデルのため、価格は今が最高値となっています。お得な2017年モデルとも比較検討してみて下さい。
XPVタイプは、ガラスドアの4グレード目に当たります。寸法は『幅685mm・500L』と標準的。同じスペースにできるだけ大容量を置きたいなら上位モデルがいいですが、サイズに問題がないなら、基本性能を網羅しつつ価格面でもお手ごろなので、コスパがいいモデルです。シャンパンゴールド、スノーホワイトと色展開は2色。淡い色味なので、どんなインテリアに馴染みやすくいのもポイント。2017年9月発売で、価格面ではもっとも安い時期ですが、在庫が少なくなっている可能性があるので注意しましょう。
Vタイプは500L台の冷蔵庫のなかではベーシックな機能に絞り込んだスタンダードタイプ。『幅685mm・501L』『幅685mm・470L』『幅600mm・406L』の3展開。406Lのものは片開きになります。カラーは1色で、どんな空間にも馴染みやすい『シャンパン』のみ。2017年10月発売で、価格はいまがもっとも安い時期。こちらも在庫には注意すべきですが、機能と予算を両立させたい人にオススメです」(戸井田さん)