週末の映画鑑賞でちょっとした癒しに、友だちや家族との上映会に……1台持っておくといろいろ楽しいプロジェクター。しかし、店頭にたくさん展示されているテレビなどと違い、事前に試して比較するのが難しいという導入のハードルがあります。
10万円以上の中級~高級モデルを選んでおけばハズレは少ないとはいえ、最近は通販サイトなどで1万円を切る格安プロジェクターもちらほら。そこまで価格が開いていると、安い方を検討したくなるのも当然ですよね。ということで今回は「高いヤツと安いヤツは何が違うのか?」を、松・竹・梅の3モデルで実際に確かめてみることにしました。
この3製品をチェックしてみた
プロジェクターの性能はかなりピンキリで、家庭用でも高級機だと100万円を超えてしまいます。ここでは「初めてのプロジェクター」として現実的な選択肢に入りそうな、最大10万円ぐらいのものを基準に3機種を集めました。
1台目はエプソン「EH-TW5650」(実売価格:約11万円)。今回選んだ3台のうち最も高価ですが、国内メーカーのフルHDモデルとしてはコスパのいい製品です。筆者も過去にテストしたことがあり、「プロジェクター入門にはこれを選んでおけば文句なし」と感じられた一台でもあります。
2台目はエプソン「EB-W05」(実売価格:約6万円)。基本的にはビジネス用途向けのモデルで、解像度はやや低めのWXGA(720p)となりますが、基本性能は悪くない1台。いくつかの通販サイトで人気ランキング1位になっている機種でもあり、「EH-TW5650」とどれぐらい違うのかをテストしたいと思います。
3台目は海外の格安プロジェクター、DBPOWER「PJ06」(実売価格:約7000円)です。Amazonなどで注目を集めている機種で、「この値段で買えるなら…」と気になっている人もいるのではないでしょうか。1万円を切るプロジェクターは筆者もまったく未知の世界だったので、今回はおそるおそる試してみることにしました。
DBPOWER「PJ06」は真っ暗な部屋で使わないと厳しい?
今回のテストは、上位モデルの映像で目が慣れてしまうと格安モデルが圧倒的に不利だろう……という考えから、低価格なものから順番に見ていくことにします。
まずは7000円の格安機「PJ06」。こちらは、本体サイズがとても小さかったのが好印象。これぐらいの大きさなら、ポータブルとして外出先へ持ち出すような使い方もしやすそうです。映像は、40インチ程度の画面サイズだと「お、意外と見れるか?」と感じられたものの、スクリーンから距離をとり、80インチ程度まで画面を大きくしたときの明るさ不足がかなり気になりました(テストは日中におこない、完全には遮光できなかったので特につらかった……)。また、もともと解像度が低い機種なので当然といえば当然ですが、映画の字幕などもつぶれやすいので注意が必要です。
【スペック】解像度:800×480(WVGA) 明るさ:1500ルーメン コントラスト比:1000:1 本体サイズ:187×149×77mm
エプソン「EB-W05」は画質よし、コスパよし!
2番目に試した「EB-W05」、この機種で画面を映して第一声が……「うわっ、きれい」! 格安機の「PJ06」とはスペックがまったく違うので、何から何まで良くなりますが、ひと目見て違うのが明るさです。カーテンを閉めず、部屋の明かりも少しついている日中の部屋で投写をしても、画面と文字がくっきりと見えました。ホームシアター用としてはちょっと解像度が低めなのが懸念材料だったものの、80インチぐらいの画面サイズではあまり気になりません(むしろ、現時点では大満足)。画面位置の補正が簡単にできるようになっているのも特徴で、特にシビアな高さ位置調整がしやすかったのは◎です。
【スペック】解像度:1280×800(WXGA) 明るさ:3300ルーメン コントラスト比:15000:1 本体サイズ:302×234×77mm
エプソン「EH-TW5650」は至れり尽くせりを感じられる1台
そして最後が「EW-TW5650」。その性能の高さは知っていたものの……あらためて他2台と比べてみると、より本格的なホームシアターらしい高画質です。やはり解像度が高いのが重要で、80インチ以上の大画面にしても“ドット感”がなく、なめらか。映画の字幕や、Blu-rayのメニュー画面などで字が細かく表示されるとき特に違いが実感できます。セッティング時に便利な画面位置の補正機能が充実しているほか、映像モードの変更で使用中の排気音が簡単に小さくできるのも良い。性能的に至れり尽くせりな分、本体がかなり大きくかさばるのは、致し方ないところですね。
【スペック】解像度:1920×1080(フルHD) 明るさ:2500ルーメン コントラスト比:60000:1 本体サイズ:309×278×107mm