『人生を変える、お金の使い方。』(千田琢哉・著/学研プラス・刊)は、3千人以上の成功者たちによる「お金の使い方」を分析して、51項目にまとめたものです。そのうち4項目を厳選して、金銭トラブルから学べること、時間をムダにしない方法、最高の投資とは何か、ブーメラン理論を紹介します。
金銭トラブルから学べること
金銭トラブルを起こしたから絶縁するのではない。もともと絶縁すべき相手だから、必然的にその相手と金銭トラブルになったのだ。
(中略)
金銭トラブルを起こした相手とダラダラ付き合っている人たちは、例外なく悲惨な人生を歩んでいる。
(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)
金銭トラブルが発生したら、回収するよりも「トラブル相手と縁を切る」ことを優先しましょう。貸し倒れコストよりも回収コストのほうが高くつくからです。たとえば、失踪したトラブル相手に貸した10万円を取り戻すためには、興信所に依頼したり回収できるか不安になったりして物心両面で10万円以上のコストを負担することになる、という感覚です。
金銭トラブルにおいては因果が逆転します。不誠実な借り手は、利子の支払いを重ねていくうちに、お金を貸してくれた人のことを憎むようになります。やがて返済不能に陥ると、貸してくれた恩人のことを守銭奴呼ばわりします。絶縁するのにふさわしい相手です。
時間をムダにしない方法
「このラインを超えたら断る」と決めておくと、無駄な時間が削減できる。
(中略)「時間は命の断片であり、その時間を一緒に共有したくない相手とは関わりたくない」
(『人生を変える、お金の使い方。』から引用)
「不快」や「気に入らない」という感情を見逃してはいけません。好き嫌いこそが、あなたの人生を左右します。嫌いな相手には、こちらの情報をなるべく与えたくありません。悪用されたくないからです。情報を隠しながらやりとりするのでコミュニケーションに膨大な時間を要します。つまり、嫌いな相手との関係を続けることは、多くの「機会損失」を生み出します。
損害をもたらす相手を見分けるために、独自の基準を定めておきましょう。遅刻するときに連絡をしてこない人。ノー・サンキュー。初対面なのにタメぐちの人。グッドバイ。「キライだな」と感じるのは、あなたと価値観が離れているからです。ビジネスでも結婚でも「価値観のすり合わせ」は手間がかかります。価値観が近い人(スキな人)と付き合ったほうが時間はムダになりません。
生きていればトラブルや損失はつきもの。ふて腐らずに「勉強代を支払った」と納得するためには、ちょっとした考え方のコツがあります。