2018年12月1日に始まった「新4K衛星放送」。それに合わせて同放送に対応するチューナーを内蔵するテレビや、単体チューナーが続々登場しています。今回は前・後編に分けて、チューナー内蔵タイプと外付けタイプのそれぞれでベストバイを判定。前編では内蔵タイプについて判定します。
内蔵タイプとは、新4K衛星放送を受信できる専用チューナーをテレビ本体に内蔵したモデルのことで、配線の煩わしさがなく、設置性に優れる点もメリット。東芝に続いて、三菱電機からも登場しています。
※テレビのサイズ/質量はスタンドを含む数値
【ジャッジする人】
AV評論家
藤原陽祐さん
新聞記者、専門誌編集を経て独立。本誌でのテスト企画をはじめ、専門誌など幅広い媒体で精力的に活躍しています。
チューナー内蔵4Kテレビのメリット
12月1日、「新4K衛星放送(新4K8K衛星放送)」がいよいよ始まります。テレビ放送業界においては、2011年の地上デジタル放送完全移行以来の大きなトピック。しかしながら、すでに4Kテレビを愛用しているユーザーでも、正しい視聴方法を理解している人は多くないかもしれません。AV評論家の藤原陽祐さんは、次のように語ります。
「一部の最新モデルを除き、現行の4Kテレビは新4K衛星放送を受信するチューナーを内蔵していないため、視聴には別体の専用チューナーを接続する必要があります。別体チューナーは、テレビメーカーやアンテナメーカー、周辺機器メーカーなどから発売予定。現在パラボラアンテナでBS/110度CS放送を受信しているなら、そのアンテナにチューナーをつなぐだけで新4K衛星放送を視聴できるようになります(※)。また、今秋には三菱電機と東芝から新4K衛星放送チューナー内蔵モデルが登場。別体モデルに比べるとやや高価ですが、より手軽に新4K放送を楽しめるのはメリットです」
※:現行のBS放送をアンテナで受信して視聴できる場合は、4Kテレビに新4K衛星放送チューナーを接続するだけでNHKと民放キー局系のBS4K放送(右旋放送)視聴が可能
三菱電機と東芝のチューナー内蔵4Kテレビをジャッジ!
【その1】
新4K衛星放送やUHD BDの視聴をスタンドアローンで実現
三菱電機
REAL 4K LCD-A58RA1000
予想実売価格36万7070円
2基の新4K衛星放送対応チューナーに加え、2TB HDD、UHD BDの再生に対応するディスクドライブを内蔵。本機1台で新4K衛星放送の視聴・録画(※1)が行えます。内蔵HDDに録画した新4K衛星放送の番組はBDにダビングすることも可能(※2)。
SPEC●画面サイズ:58V型(50V、40V型もあり)●バックライト方式:エッジ型●4Kチューナー:BS/CS 4K×2●接続端子:USB×2、LAN×1ほか●消費電力:174W●サイズ/質量:W1302×H897×D382㎜/33.2㎏
※1:2番組同時録画は不可
※2:新4K衛星放送を4K画質のままBDへダビングできません。ダビング前にハイビジョン画質への変換(録画モードの変換)を行います
<JUDGEMENT>
4Kコンテンツ視聴:☆×4.5
新4K衛星放送だけでなくUHD BDも見られる
新4K衛星放送に加え、UHD BDを単体で視聴できる唯一のテレビ。4KのネットコンテンツはYouTubeのみと、やや物足りなさを感じます。
録画性能:☆×4
内蔵HDDに4K番組を最大約126時間録画
2TBの内蔵HDDには新4K衛星放送を最大約126時間録画でき、HD放送ならBDへ直接録画も行えます。HD番組は自動録画することも可能。
使い勝手:☆×3.5
リモコン操作で画面向きを手軽に調整できる
リモコン操作で画面を見やすい角度に調節できます。可動域は左右約40°で、部屋のどこにいてもベストポジションで視聴可能です。
音質:☆×4
クリアで臨場感のある高音を再生する独自スピーカーを搭載
同社独自のDIATONE NCVスピーカーを正面に配置。2WAY4スピーカーのすべてにNCV振動板を使用し、臨場感のある高音再生が行えます。
<総評>
1台で4Kを満喫できるオールインワンモデル
新4K衛星放送チューナー2基に加え、録画用HDD、UHD BDドライブを搭載する“全部入り”。画質と音質はバランス重視で無難な仕上がりながら、4Kコンテンツを楽しむための機能・装備の充実度は随一です。