ここ最近、各カメラメーカーからハイアマチュア~プロ向けの機種の新製品ラッシュが続いている。そのなかで注目なのが、ニコン初のフルサイズミラーレス一眼「ニコン Z 7」だ。
画素数は4575万画素!
『CAPA 2018年10月号』(CAPA編集部・編/学研プラス・刊)の巻頭特集で、同時期に発表されたキヤノンのフルサイズミラーレス一眼「EOS R」とともに紹介されている。どちらも気になるのだが、長年ニコンを使っている身としては、やはりニコン Z 7のほうが気になる。
掲載されている作例を見る限り、画質はかなりよさそう。この機種は、画素数が4575万画素となっており、その解像感がしっかり感じられる画質となっている。
実はこのニコン Z 7には、同時発表の姉妹機がある。その名も「ニコン Z 6」だ。発売は10月の予定。こちらは画素数が2450万画素とやや控えめになっている分、連写性能がアップ。また価格も抑えられている。
この2機種の大きな違いはやはり画素数となる。いったい画素数が違うと何が変わるのだろうか。
4000万画素クラスはメリットよりもデメリットのほうが多い
一般的に、画素数が高いほど細部までしっかりと写るようになると考えてよい。また、画面の一部を切り出す「トリミング」を行う場合も、画素数が多いほうが有利だ。
では、デジカメは画素数が高ければ高いほどいいのかというと、一概にそうとも言えない。画素数が高いほど高精細な写真になるのは間違いない。その一方で、ファイルサイズがかなり大きくなる。
たとえば、4000万画素を超えるデジタル一眼で撮影したファイルは、RAWファイルなら1枚80MBほど、JPEGでも1枚15MBほどになる。ここまでファイルサイズが大きいと、撮影時に使用するメモリカードも大容量のものが必要になるし、パソコンに取り込むのにも時間がかかる。また、パソコンで編集作業をする場合もマシンパワーが必要になってくる。
正直なところ、4000万画素以上の画素数が必要なシーンというのは、よほど精細な風景写真を撮影するか、広告写真などのクオリティ第一の撮影の場合だろう。普通に撮影を楽しむレベルならば、2000万画素クラスでも十分だ。
2000万画素クラスならば、ファイルサイズも約半分で済むし、パソコンへの負担も軽くなる。気になる画質だが、正直なところパソコン上で鑑賞したり、L版サイズの印刷程度ならば、どちらもそれほど違いが感じられないのではないだろうか。
差が出るのは、A4サイズ以上で印刷する場合だ。大きく印刷するほど、高画素のほうが精細に出力できる。
手軽に写真を楽しむのなら2000万画素クラスで十分
「大は小を兼ねる」という考え方の場合、迷ったら高画素の機種を選んだほうがいいとなる。確かにそうなのだが、高画素ならではの弊害もあるということを認識しておいたほうがいい。
個人的な結論としては、「一般の人が使うには4000万画素はオーバースペック」。普通に写真を楽しむのなら、2000万画素でも多いくらいだと思う。
ということで、絶賛発売中の「ニコン Z 7」にも興味はあるが、10月発売予定の姉妹機「ニコン Z 6」のほうがより現実的だし、欲しいという気持ちが強い。お財布にも多少優しいので。出そろったらいろいろ比較検討をしてみたいと思う(買うとは言ってない)。
【書籍紹介】
CAPA 2018年10月号
著者:CAPA編集部
発行:学研プラス
デジタル一眼カメラや交換レンズ、周辺機材の最新情報が満載。豊富な作例とわかりやすいハード記事で、多くの一眼カメラファンの支持を集める。撮影テクニック記事やプロ写真家の作品紹介、充実したフォトコンテスト記事も人気。