パナソニックから発表会の招待状が届きました。発表されるのは「家事がはかどる音楽」で、歌うのは個性豊かなガールズ音楽ユニットCHAI(チャイ)とのこと。…「家事がはかどる音楽」って、ただのアップテンポな曲で乗せようってだけじゃないの? アタイの目はごまかせなくてよ! …などと思いながらも、いったいどんな音楽なのか? という好奇心を抑え切れず。いそいそと発表会に向かいました。
夫婦円満のためにも家電との「家事シェア」を進めるべき
パナソニックは、仕事や子育てに忙しい人が家電と家事を分担してゆとりをつくる「家事シェア」を提唱しています。面倒な家事を家電にまかせれば、そのぶん時間にゆとりができて、家族との時間や自分の時間を作れるというわけです。
例えば、夕食のあとに使った食器を食器洗い乾燥機に入れてスイッチオン。食器がキレイになるまでの間に子どもと遊んだり、読書をしたりといった自分の時間に充てられます。
ロボット掃除機があれば、仕事などで外出している間に部屋の掃除が終わります。あるいは、床掃除はロボット掃除機にまかせて、自分は水回りを掃除するなど、掃除場所を分担すれば、同じ時間で多くの場所が掃除できます。
そして、ドラム式洗濯乾燥機を使えば、仕事などで外出している間や寝ている間に洗濯から乾燥まで終わります。しかも干す手間がかかりません。
また、家事を家電とシェアすると、夫婦ゲンカを減らす可能性もあるとのこと。共働き世帯の場合、夫婦ともに仕事と家事の両立で疲れており、トラブルが増える傾向に。実際、パナソニックの調査によると、約7割の家庭で家事が原因でトラブルになったと答えています。ということは、家事の負担を減らせばトラブルも抑えられ、夫婦円満につながるわけですね。
やる気にならない人のために「家事がはかどる音楽」をプロデュース
さて、家電と家事をシェアをして、残りの家事をやるわけですが、ここにも課題があります。疲れがたまっている時、どうしても家事をやる気にならないことってありませんか? パナソニックの調査では、家事の悩みのトップが「家事をやろうという気分にならない」ということ。一方で、家事のやる気を高めることについて調査したところ、「音楽をかけながら家事を行う」がトップという結果になりました。
そこでパナソニックは、家事をする気分になれないときも、やる気になって家事がはかどる音楽をプロデュースしました。それが、NEO–ニュー・エキサイト・オンナバンド「CHAI」の新曲「GREAT JOB」です。
【動画】
百聞は一見にしかず。まずは以下で、「GREAT JOB」を聞いてみましょう!
メンバーのマナさんは「CHAIは、『ネガティブをポジティブにする』をテーマにしているので、今回の家事シェアは(CHAIのテーマに)ぴったりで超うれしかった!」。カナさんは「この曲はイントロの出だし、ドラが盛り上がる感じなど考えて作った『CHAI的にかなり攻めた曲』。家事がはかどる感じをイメージした」と語ります。作詞を担当したユウキさんは、「家事自体がすごい仕事。だから頑張っている人をみんなをほめたくて(作詞しました)」と思いを語りました。
「GREAT JOB」は計算し尽くされた構成だった
発表会には、環境音楽家で作曲家、ピアニスト、音楽家、工学博士で、京都精華大学人文学部の教授、小松正史(こまつ・まさふみ)氏が登場し、この「GREAT JOB」を聞くと、なぜ家事がはかどるのかについて解説しました。
小松博士は、今回のプロジェクトで、パナソニックから「家事がはかどる音楽を作りたい」と相談されて、以下の4つのアドバイスをしたといいます。
1つめは、頭に残りやすいメロディーを作ること。誰もが口ずさめるような歌詞をつくり、サビ部分でキーワードを繰り返すのも効果があります。その点、「GREAT JOB」ではサビの部分で「Get power! Fresh feeling!」を繰り返しています。
2つめは、リズムの速さ。小松氏によると140から160bpm(※)の速さは、聞いた人が身体を動かしやすい速さなのだそう。しかも、この速さの音楽は、脳の扁桃体が反応して快感や充足感を生み出すというのだから驚きです。小林氏は「躍動感があるリズムはプラスな気持ちを引き起こします。うねるような低音の音楽が、身体的な、動きたくなるような音楽をつくっています」と解説しました。
※bpm……Beats Per Minuteの略。1分当たりの拍数のこと
3つめは、イントロダクションでの耳引き。イントロダクション(曲の冒頭)で、注意喚起することは「もっと聞きたい!」という楽曲に対するモチベーションをアップ。「冒頭赤ちゃんの声が聞こえてきて、これはとても印象的です。さらに、笑い声も耳に残ります」(小松氏)。
4つめは「エンディング」。家事が無事終了したような感じを作り出し、達成感を得られるようにすることがポイント。「曲中でところどころドラが使われていますが、「ドラの音は『はじまった!』これで終わった!”という気分を盛り上げるのに効果的です」と小松氏は説明。おお、これはスゴイ! こうやって見ていくと、「GREAT JOB」は計算尽くされた楽曲だったということがわかりますね。
実証実験では「効果アリ」という結果が
では、「GREAT JOB」を聞くと本当に家事がはかどるのでしょうか? それを確かめるために、パナソニックプロダクト解析センターは、モニターに「GREAT JOB」を聴いて家事をしてもらうという実証実験をしました。すると、音楽がある方が「楽しい」「気分がのる」などポジティブな結果が得られたそうです。
この結果に、小松氏は「こうした実験でSD法(※)を採用すると、“音楽あり”と“音楽なし”で結果に差がないことが多いのですが、今回の実験はきちんと結果が出たことが素晴らしい」と絶賛しました。
※:SD法……心理学における測定法のひとつで、semantic differential(technique)の略。ある事柄に対して個人が抱く印象を、相反する形容詞の対を使って測定する方法
筆者も、実際に自宅で「GREAT JOB」を聞きながら家事をしてみたところ、特にリズムが拭き掃除をするときにぴったりで、楽しく家事ができました。やはり、限られた時間のなかで、家事を効率よくこなすにはいままでとは違う工夫が必要です。家電との「家事シェア」を導入する、「GREAT JOB」などの音楽で気分を変えてみる、というのもひとつの手。みなさんも、いろいろと工夫して、自由な時間を増やしてみてはいかがでしょうか。