ヘルスケア
2018/11/16 18:00

カンロの「健康のど飴」終売ーー「のど飴」革命を起こすべく投入される新商品とは?

大型台風の上陸や、季節外れの猛暑を記録する日があるなど、不安定な天候で寒暖差も激しい今年の秋。体調を崩してのどを痛めた人もいるでしょう。そんなときに役立つのがのど飴ですが、大手メーカーのカンロが革命的な新商品を発売しました。なんと、メインの成分にホップを使っているとのこと。ビールではおなじみのホップですが、なぜ飴に? 一体どんな味なのか? 先日行われた発表会の内容をレポートしたいと思います!

 

大発明といえる発見! ホップのパワーは超強力だった

「健康のど飴ドクタープラス」は実験的な商品ではなく、今後のスタンダードに掲げているとのこと。その証拠に、これまで大定番だった「健康のど飴」は終売となります。来年には元号が新しくなりますが、時代が変われば消費トレンドや嗜好も変わるということでしょう。

 

↑右が終売となる「健康のど飴」。筆者が大好きな「健康梅のど飴」(左)は、スティックタイプともに継続とのことで安心

 

では、なぜホップを使うことになったのでしょうか。そもそもホップはハーブの一種なのですが、ハーブは世界中で古くから愛用されてきた長い歴史があり「健康のど飴」にも29種類のハーブが使用されていました。そして今回、新商品を作るにあたり、どのハーブがのど飴に最適なのか、改めて研究が重ねられたのだとか。

↑筆者が以前、ビール関連の取材時に撮影した生のホップ。日本でも岩手県・遠野をはじめ、東北や北海道を中心に栽培されています

 

ユーカリ、ローズマリー、カンゾウ、クローブ、タイムなどなど国内外のハーブエキスを123種類も取り寄せ、カンロ独自の研究で厳密に分析。そこで採用されたのが、ホップだったのです。ホップはビールの特徴である苦みを左右するハーブですが、雑菌の繁殖を防ぐために用いられた経緯も。わかりやすい例が、鮮烈な苦みが特徴の「IPA」(インディアペールエール)というビアスタイル。

 

↑「健康のど飴ドクタープラス」開発の中心人物、カンロの佐藤槙士さん。発表会時には、水飴の状態から作り方を見せてくれました

 

これはイギリスからインドにビールを運ぶ際に、長い航路でビールの品質が劣化しないように大量にホップを投入したことで生まれたビアスタイル。ホップの殺菌効果がビールの保存性を高めることが知られています。研究のなかでのどに最適なハーブとしてホップに光明が当てられたというのも納得がいきます。

 

味にホップの違和感はなく正統派なのど飴のおいしさ

では、そんなホップを使った新商品「健康のど飴ドクタープラス」の味はどうなのでしょうか? ホップの苦みがあるのかどうか、気になるところです。飴作りの工程を見ながら、実食もしてみました。

 

↑実際に使われているホップエキス。液状になったものを仕入れて、飴のなかに練り込んでいるそう

 

佐藤さん曰く、ホップの苦みは非常に強烈とのこと。そのまま生かすと味わい的においしくなく、試作を重ねること219回。甘みや香りを上手に調合することで違和感なく食べられるように仕上げられたそうです。

 

↑ドライトマトエキスやその他のハーブエキスも。ただし量的には少なく、ハーブといえる成分に関してはほぼホップのみとのこと

 

表側のパッケージには「ノンシュガー」「和かんきつ味」「フルーツ香料使用」といった表記があり。なぜ和柑橘を使用したのか聞くと、これは狙ったというよりもホップとの相性を様々なフルーツで試したところ、ベストが和の柑橘だったからだそうです。

 

↑味は正統派ののど飴といえる方向性。甘みと酸味のバランスがよく、普通においしく食べられます

 

食べてみたところ、苦味などの違和感はまったくありません。ゆずなどを思わせる柑橘系の酸味と、自然な甘みが調和していて食べやすい味です。そしてのど飴特有のスースーするクールな爽快感も豊かで、スッキリした味わい。同社はそんなのど飴の“体感性”を重視したのだそう。確かに、この清涼感はのどの痛みに効きそう!

 

↑商品化にあたっては、⼝腔衛生分野で先進的な鶴⾒大学と共同開発を⾏っています

 

なお「健康のど飴ドクタープラス」は9月からスーパーマーケットやドラッグストアで先行発売しており、10月からはコンビニでも展開をスタート。のどの痛みを感じたときはもちろん、これからの季節にお店で見かけたら、ぜひチェックしてみることをオススメします!

 

※ホップ自体の殺菌効果は認められていますが、「健康のど飴ドクタープラス」におけるホップの効能は現段階で医学的な実証がなされていません。