日本酒を飲むなら「新政」「十四代」「飛露喜」など、スター銘柄がひしめく激戦区である東北地方を見逃すわけにはいきません。「新政」など秋田の5蔵が共同醸造ユニット「NEXT5」を、「伯楽星」など宮城の7蔵が「DATE SEVEN」を結成するなど、蔵元同士の新たな動きも見られるこの東北で、人気銘柄をセレクトしました。
【秋田県】若きスターが世に問うsuperiorな一本
新政酒造[秋田市]
新政 No.6 S-type
2000円(740㎖)
近代醸造の礎となった協会6号酵母発祥の蔵元が醸す酒。現社長の佐藤祐輔氏は、東大文学部を卒業後、ジャーナリストを経て家業を継いだ人物で、添加物を廃し、全量を伝統的な生酛造りに切り替えるなどの改革を断行。個性的な製品を次々と発表しています。本作はフレッシュで上品な香りを持ち、米の旨みも十分。爽やかなのど越しと確かな余韻も魅力です。【使用米:秋田県産 酒造】【好適米100%】【精米歩合:50%】【酵母協会:6号】【酸度:非公開】【日本酒度:非公開】
【蔵元が語る地元との関わり】
原料米のすべてが秋田産で自蔵がルーツの酵母のみ使用
原料米のすべてが秋田県産。その8割が契約栽培で、良質な米を得るために徹底的な栽培指導を行っています。酵母は自蔵で発見された協会6号酵母のみを使用。
【地元に来たらコレと合わせて!】
比内地鶏の塩焼き、山菜のてんぷら、じゅんさい
【山形県】エレガントな風味でコスパも抜群!
高木酒造[村山市]
十四代本丸
2160円(1.8L)
蔵元は創業約400年。現在の十四代は1994年、当時20代半ばだった15代蔵元、高木顕統氏が立ち上げました。香り高く厚みのある味わいは“芳醇旨口”と呼ばれ、爆発的な人気を獲得。淡麗辛口が主流だった日本酒の流れを変えました。本商品は十四代でもっとも低価格で流通量も多いですが、銘柄の中心となる酒。洋梨を思わせる上品な風味で、キレも抜群。【使用米:美山錦】【精米歩合:55%】【酵母:山形酵母】【酸度:非公開】【日本酒度:+1.0】
【蔵元が語る地元との関わり】
蔵元独自の酒米を開発・生産している
この土地で醸すことに感謝し、地元の神事などにも積極的に参加しています。龍の落とし子、酒未来、羽州誉など、蔵独自の酒造好適米の開発や生産も行っています。
【地元に来たらコレと合わせて!】
何にでも合います!
【福島県】飛露喜を語るうえで外せない酒!
廣木酒造本店[河沼郡会津坂下町]
飛露喜 特別純米
2808円(1.8L)
飛露喜は杜氏の引退、実父の逝去を受けて蔵を継いだ廣木健司さんが、1999年に完成させた銘柄です。鮮烈な飲み口と透明感のあるボディを備え、瞬く間に日本酒ファンの支持を獲得。無濾過生原酒の潮流を確立し、会津の酒を全国区にしました。なかでも本作は、蔵元が「飛露喜を語るための1本」と位置付ける通年品。舌の上に上品な旨みが広がり、余韻が続きます。【使用米:山田錦、五百万石】【精米歩合:麹米50%、掛米55%】【酵母:協会9号・10号ブレンド】【酸度:1.6】【日本酒度:+2.5】
【蔵元が語る地元との関わり】
特別純米で使う掛米はすべて半径20㎞内で収穫
特別純米で使う掛米は、蔵の半径20㎞以内で収穫された生産者の顔が見えるものに限定。会津の気候・風土を知るきっかけにしてほしいからです。
【地元に来たらコレと合わせて!】
馬刺し、にしんの参照付け
【岩手県】フルーティさと味の膨らみが楽しめる
赤武酒造[盛岡市]
AKABU(赤武)
2600円(1.8L)
2013年、新蔵を建設し、若き杜氏、古舘龍之介氏を中心に志のある社員が魂を込めて醸したもの。目指すのは妥協せず仕込みひとつひとつを大切に、日々進化する酒造りです。フルーティな香りに加え、口に含んだときの味の膨らみ、キレの良さが存分に楽しめます。【使用米:岩手県産、吟ぎんが】【精米歩合:60%】【酵母:岩手酵母】【酸度:非公開】【日本酒度:非公開】
【地元に来たらコレと合わせて!】
旬の刺身や鍋
いかのふいり(いかとその内臓を炒め合わせたもの)
【岩手県】オリンピックに華を添える透き通るスパークリング
南部美人[二戸市]
南部美人 あわさけ スパークリング
4860円(720㎖)
JALファーストクラス機内酒に採用されるなど全国的に名高い蔵。東京オリンピック(2020年)の乾杯酒を目指す本作は、瓶内二次発酵ながらも濁りがありません。リンゴを思わせる香りと柔らかな口当たりが特徴で、米の旨みと余韻がしっかり残ります。【使用米:非公開】【精米歩合:非公開】【酵母:非公開】【酸度:1.6】【日本酒度:-20】
【地元に来たらコレと合わせて!】
佐助豚の生ハム
【宮城県】キレが抜群ですいすい飲めるこれぞ「究極の食中酒」
新澤醸造店[大崎市]
伯楽星 純米吟醸
2991円(1.8L)
5代目蔵元、新澤巖夫さんが2002年に立ち上げた銘柄。JAL国際線ファーストクラスに採用されるまでに評価を高めました。本商品は、「伯楽星」を代表する1本で、ほのかな果実香と穏やかな旨みが特徴です。キレが良くすいすい飲めます。【使用米:蔵の華】【精米歩合:55%】【酵母:自社酵母】【酸度:1.7】【日本酒度:+4】
【地元に来たらコレと合わせて!】
ポン酢で食べる生がき、セリ鍋
【福島県】地元産の酒米による穏やかな味わい
宮泉銘醸[会津若松市]
冩樂 純米酒
2808円(1.8ℓ)
近年評価がうなぎ上りの注目銘柄。夢の香りや五百万石など、地元で契約栽培した米を使用するほか、県外の名産地の米も使っています。本品は穏やかな果実香とふくよかな米の甘み、絶妙な酸味が楽しめます。肉料理との相性も良いです。【使用米:夢の香】【精米歩合:60%】【酵母:F7-01】【酸度:1.3】【日本酒度:+1】
【地元に来たらコレと合わせて!】
にしんの山椒漬け