家電
暖房器具
2018/12/22 20:00

リビング・寝室の暖房器具はどれがいい? 「選び方とおすすめモデル」を家電のプロが伝授!

ヒーター・暖房器具は、種類が多すぎてどれを選ぶべきかわからない……。そんな人は、置きたいと思っている部屋の性質に応じて、ぴったりなモデルを選んでみては? というわけで今回は家電のプロにお願いし、部屋別にどんなタイプが向いているのか、選び方のポイントを伝授してもらいます。さらに、そのポイントを満たしたプロオススメのモデルもご紹介。まずはリビング・寝室編から見ていきましょう!

後編はコチラ→個室、脱衣所のヒーターはどれがいい?「選び方」と「おすすめモデル」を家電のプロが伝授!

 

【教えてくれるのはこの方!】

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家電コーディネーター

戸井田園子さん

雑誌やテレビなど、数多くのメディアにひっぱりだこの家電専門家。ユーザー目線に立ったわかりやすい解説で、読者の厚い信頼を受けています。

 

リビングに置きたい暖房器具選びのポイント

メインはハイパワーなモデルを選び、スポット暖房を組み合わせるのがコツ

「最近は、リビング・ダイニング・キッチンがひとつの空間になっていて、20畳を超えるLDKも増えてきています。暖房器具一台で部屋全体をカバーするなら、エアコン・石油ファンヒーターなどの広範囲を暖められるハイパワーのものを選びましょう。12畳を超える広さだと、小型電気暖房ではカバーするのが難しくなります。光熱費の面でも、長時間使うならエアコンや石油ファンヒーターが適任。エアコンをメイン暖房にする場合は、足元などをスポット的に暖められる暖房器具を追加すると、快適性がアップ。共働きやひとり暮らしでリビングにいる時間が少ない場合も、スポット暖房があると便利です。

 

なお、エアコンやファンヒーターのデメリットは乾燥を促し、ホコリを舞い上げる風が出ること。この風が苦手なら、床暖房がイチオシです。とはいっても、リフォームするのは大変なので、オイルヒーターやパネルヒーターも検討してみて下さい!」(戸井田さん)

 

リビングに置きたい暖房器具おすすめ3選

その1 石油ファンヒーター

業務用ストーブに匹敵するハイパワーを誇る

ダイニチ

石油ファンヒーター FZ-101

実売価格7万2930円

石油ファンヒーターのトップシェアメーカー・ダイニチ工業が発売する大出力モデル。最大10kWと業務用大型ストーブに肩を並べる出力で、家庭用ファンヒーターNo.1の暖房力を誇ります。スイッチを押してから着火まではわずか80秒。室温に応じて燃焼を自動でコントロールする「ecoおまかせモードプラス」機能も搭載されています。

【SPEC】●サイズ/質量:W740×H480×D360mm/18.6kg●暖房のめやす:木造(戸建)26畳、コンクリート(集合)35畳まで●タンク容量:9.0L●消費電力:大火力時310W、小火力時153W、最大(点火時)935W

 

戸井田さんのオススメコメント

広いリビングで長時間使うと経済的

「大きなリビンクを1台でカバーしたいという場合は、やはりパワフルな石油ファンヒーターがオススメ。業務用10kWモデルの石油ストーブと同等の出力で、木造26畳/コンクリート35畳をカバーできるハイパワーが魅力です。寒い地域でも、これがあれば大丈夫。足元からパワフルに暖めてくれるので、真冬でもぬくぬく! 光熱費も安いので、長時間使うならかなり経済的ですね。一方、パワーは業務用レベルながら、カートリッジタンク式になっていて、通常の家庭用ファンヒーターと同じように使えるのも便利です」(戸井田さん)

 

その2 赤外線ヒーター

0.2秒で瞬時に暖まるレトロなデザインの速暖ヒーター

アラジン

グラファイトヒーター1灯管 CAH-2G92A/CAH-2G92N

実売価格1万7800円

0.2秒で立ち上がる特許技術「遠赤グラファイト」を搭載した電気ヒーター。グラデーション状に発熱温度をコントロールすることで、従来よりもムラのない暖かさを実現しました。転倒オフスイッチ、チャイルドロック、カーテンのような障害物が近づくと自動でオフになる「セーフティサポートセンサー」など安全面も配慮されています。

【SPEC】●サイズ/質量:W300×H884×D300mm/約3.5kg●消費電力:900W●コード長:1.8m

 

戸井田さんのオススメコメント

エアコンに追加して快適性UP!

「エアコンは温風なので、サブとなるスポット暖房は本機のような風が出ないタイプがオススメ。スイッチを入れるとわずか0.2秒で立ち上がり、ヒーターから放射される遠赤外線の効果で、すぐに暖かいと感じられます。寒い朝や帰宅直後など、急いで寒さを和らげたいときにも最適です。スリムタイプだから省スペースなのも◎。持ち運びもしやすく、必要な場所にサッと移動できます。部屋の隅にあるだけで、気持ちがホッコリするレトロデザインも人気の理由ですね」(戸井田さん)

 

その3 パネルヒーター

オイルヒーターの弱点を補う新ヒーター

デロンギ

マルチダイナミックヒーター

MDH15WIFI(Wi-Fi対応)

実売価格8万7760円(MDH15WIFI-SET)

「マルチダイナミックヒーター」は、オイルヒーターに似た形状の新暖房器具。オイルではなく内部の金属モジュールを電気で暖めるので、オイルヒーターよりも電気代が約63%節約でき、本体も軽くなっています。約60℃というやけどしにくい表面温度と、すきまに指が入らない構造で、子どもがいるご家庭でも安心です。

【SPEC】●サイズ/質量:W495×H665×D275mm/12.5kg●広さの目安:10~13畳●消費電力:1500W●電力切替(W):300/600/900/1200/1500

 

戸井田さんのオススメコメント

オイルヒーターのような穏やかな暖かさと高い静音性がメリット

「オイルヒーターのような穏やかな暖かさと高い静音性が長所。そのうえで、立ち上がりも速く、重さも軽いなどオイルヒーターの弱点をカバーしています。設定した温度±0.1℃の範囲をキープできるので、無駄な加熱を抑えられるので省エネ。なお、メーカースペックでは広さの目安が最大13畳まで。これより大きい部屋の場合、電気代の面を考えると、エアコンである程度室温を上げてから本機に切り替えるのがベストです」(戸井田さん)

 

寝室に置きたい暖房器具選びのポイント

運転音が静かで肌や喉の乾燥を抑えることがポイント

「寝室はリビングより部屋面積が狭いので、1台でカバーできる製品も多くなり、選択肢はぐっと広がります。就寝中の使用を前提にするなら、眠りを妨げないよう静かなこと、光らないこと。また、肌や喉の乾燥を抑えることなどがポイントです。布団やカーデンが触れても火事にならない、就寝時間に合わせてON/OFFがしやすい、といった点も考慮したいですね。また、ベッドがあると意外と空きスペースは少なくなるので、省スペースタイプがオススメです」(戸井田さん)

 

寝室に置きたい暖房器具おすすめの3選

その1

天然鉱石の力で速暖&風出さずに暖かさが広がる

シロカ

速暖マイカヒーター SH-M111

実売価格2万1384円

熱伝導性が高い天然鉱石「マイカ(雲母石)」を使用した、温風を出さない暖房器具。360度の熱放射で、部屋全体に暖かさが広がります。3段階のパワー切り替えに加え、上下ボタンで14~28℃の細かい温度設定が可能。任意の時間にON/OFF設定ができる24時間タイマー機能も付いています。

【SPEC】●サイズ/質量:W288×H638×D485mm/4.2kg●対応畳数:10畳●消費電力:1200W(強1200W/中800W/弱400W)

 

戸井田さんのオススメコメント

好みの場所にさっと移動できる

「初期投資を抑えたい人向きの製品です。熱源にマイカ(雲母)を採用し、速暖性が高いのが特徴。また、本体質量が軽く、キャスター付きなので『着替えるときはクローゼットのそば』『寝るときはベッドの隣』というように、都合の良い場所に持ち運べるのが便利。寝るときにエアコンである程度室温を上げておけば、電気代を節約しつつ穏やかな暖かさが得られます。表面がフロッキー加工(起毛加工)で万が一触れても火傷しにくいのが安心。チャイルドロック機能、転倒時自動電源オフなど、安全機能も万全です」(戸井田さん)

 

その2 パネルヒーター

窓際の冷気を上昇気流で防ぐパネルヒーター

デロンギ

コンベクターヒーター HXJ60L12

実売価格2万9510円

窓際に置くことで窓からの冷気を防いで部屋全体を暖めるワイドなパネルヒーター。暖められた空気が上方へと自然対流するので、窓からの冷気をシャットアウト。部屋全体をスピーディにムラなく暖めます。窓の結露やカビを抑制する効果があり、窓の毎日のお手入れも省けます。

【SPEC】●サイズ/質量:W825×H565×D310mm/7.5kg●広さの目安:8~10畳●消費電力:1200W●電力切替(W):強1200/中800/弱500●コード長:1.9m

 

戸井田さんのオススメコメント

窓の近くにベッドがある寝室には最適

「パネルヒーターのロングセラーモデル。価格を抑えつつ、快適に効率のよい暖房をしたい人向けです。冷気の侵入は大半が窓からなので、窓の前にヒーターを置くのが効率的。その点、本機は窓際に置きやすい薄型タイプで、狭くなりがちな寝室で使っても問題なし。ベッドや布団の側に窓がある部屋には効果大です。表面は約70℃なので、一瞬触れただけではやけどしにくく、火事の心配もありません」(戸井田さん)

 

その3 電気毛布・敷布

触り心地抜群のマイクロファイバー電気毛布

 

日立

電子コントロール毛布 HLM-202MK(掛・敷両用タイプ ※写真左)/HLM-102MS(敷毛布タイプ ※写真右)

実売価格1万860円(HLM-202MK)

実売価格9980円(HLM-102MS)

極細繊維のマイクロファイバーを使用した、なめらかな肌ざわりの電気毛布。掛・敷両用タイプと敷パッドタイプの2種類が用意されています。掛・敷両用タイプは足元のヒーター線が高密度の「足ほっと配線」となっていて、頭寒足熱で快適に感じる仕様になっています。どちらも室温に応じて温度を自動コントロールする「室温センサー」を搭載するほか、洗濯機での丸洗いが可能なのが便利です。

【SPEC・】●サイズ/質量:W1900×D1300mm/約2.3kg(HLM-202MK)、サイズ/質量:W2000×D1000mm/約2.1kg(HLM-102MS)●消費電力:75W●表面温度:約53℃

 

戸井田さんのオススメコメント

省エネ重視でもしっかり体を温めたいときに

「寝ているときに部屋全体を暖めると、喉が乾くし乾燥するのが苦手……という人にオススメ。寝具の中だけ暖かいので、省エネにもなります。マイクロファィバーで肌触りが良く、色も落ち着いたブラウンで、今までの電気毛布のような生活感がないのもいいですね。

 

2時間で電源が切れる切タイマーのほか、12時間で自動でOFFになる『12時間自動切タイマー』があるのもポイント。また、ヒーターが入ったままでもネットに入れれば丸洗いでき、清潔に使えます。室温に応じて温度を調整する『室温センサー』搭載など電気毛布としては、かなり多機能。寒くてなかなか寝付けない、でも普通の暖房は苦手……という人はぜひお試しを!」(戸井田さん)