冬になると、心配になるのが風邪。以前教えてもらった「自宅でできる風邪ケア」を実践しているけど、我が家では毎年、子どもが幼稚園で風邪をもらってきて鼻をグズグズさせているんだ。僕も万が一インフルエンザにでもかかったら、仕事を休まなくちゃいけなくなるんだよなぁ。健康で過ごすには、しっかり予防しないと!
でも、そもそも風邪とインフルエンザの違いってなんだろう? それに、大人と子どもの予防対策って同じでいいのだろうか? そうだ、ご近所の伊東祐永さんは耳鼻咽喉科の院長さんだったな。一度、相談しに行ってみよう!
参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお父さんが、風邪で困っているようです。
大人と子どもで違う、正しい風邪予防法が知りたい!
お父さん「毎年冬になると、気をつけていても風邪を引いてしまうんです……。そもそも風邪ってどんな病気なんですか?」
伊東さん「風邪とは、医学的には『ウイルス性上気道炎』といい、主な症状はせき・鼻水・のどの痛みなどで、自然治癒するものです。原因となるウイルスは、膨大です。また、風邪の原因ウイルスを殺す抗ウイルス薬はなく、そういった意味で風邪を治す特効薬はないんです。なかなか治癒しない場合は、他の病気に罹患している可能性があるので診断してもらってください」
お父さん「なるほど! 実は、うちの娘が幼稚園に通うようになって、冬は常に風邪をひいているような状態なんです。どうしたらいいのでしょうか?」
伊東さん「新しいウイルスに何度も感染しているからですね。子どもは大人と比べて抵抗力が弱いので、風邪をひきやすいのです。風邪のウイルスはたくさんあり、確実に予防することは難しいんですが、マスクはある程度有効なので私も装着するようにしています。マスクはウイルスをブロックするだけなく、鼻や口元を適度な高温に保つことができます。また、湿度が高い状態に保つことでウイルスの活動を弱めてくれますよ」
お父さん「ウイルスには高温多湿がいいんですね! 家の中では、加湿器をつけたほうがいいですか?」
伊東さん「そうですね。適度な高温多湿にウイルスは弱いので、生活する環境も室温20~25度、湿度50〜60%前後を目安に整えるといいでしょう」
お父さん「湿度にも適正があるんですね。うちの加湿器の設定も見直さないと! ところで、娘は最近鼻水をズルズルさせているのですが、病院で診てもらったほうがいいですか?」
伊東さん「風邪の治療で重要となる鼻水取りや吸入治療は、耳鼻咽喉科で行うことができます。また、1歳から未就学のお子さんは、『中耳炎』を併発しているケースがとても多いですね。中耳炎は、鼻水の中にいる菌が鼻の奥と鼓膜の奥をつなぐ『耳管』を通じて入り、炎症を起こします。耳鼻咽喉科では、耳の中を診察しますので、一週間以上鼻水が出ている場合は、小児科だけでなく耳鼻咽喉科も受診してください」
お父さん「中耳炎を併発するとは、気をつけないと……。鼻水が出たときに、家でできるケアはありますか?」
伊東さん「こまめに鼻水をかむことが大事です。ただ、小さなお子さんや赤ちゃんは、自分で鼻をかむことができません。家庭でも、やや大型の電動吸引器があると便利ですね。電動でもパワフルなタイプは、鼻の奥にある鼻水もある程度取ってくれておすすめですよ」
お父さん「うちの娘やまだ小さい息子のために、電動吸引器を買ってみようかな。あと、毎年インフルエンザが流行しますが、子どもに予防接種を受けさせたほうがいいのか迷うんですよね……」
伊東さん「インフルエンザも風邪と同じくウイルス性の感染症ですが、ウイルスが特定されていて予防接種など、特効薬があり予防できる点が異なります。インフルエンザの予防接種は、仕事など外で集団生活をしているときに感染しないよう、子どもよりも大人が優先して接種するのがおすすめです」
お父さん「なるほど! 大人がウイルスに感染して家に持ち込まないよう、予防することが大切なのですね。今まで知らなかったことがたくさんあったなぁ。今日教えてもらったことを実践して、僕も子どもも風邪をひかないように乗り切るぞ!」
まとめ
住環境を見直して、風邪を予防!