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2019/1/16 6:00

これ1冊でEvernoteは使い倒せる――『Evernote 基本&活用ワザ 完全ガイド』

文章を書くことが仕事になってから、資料がたまる一方だ。本は衣装ケースに入れて積み上げているが、トランクルームも借りている。家にある分は、背表紙が見えるようにしてどんな本がどの箱に入っているかわかるようにしてある。でも、目当ての一冊を探し当てて取り出すまでにはかなり時間と労力が必要だ。

 

 

ネットデビューと資料収集の新しい形

Windows95搭載のヒューレット・パッカード社製デスクトップPCを買ったタイミングでワープロをそれまでの一太郎からワードに切り替え、プロバイダー事業を行っていたMSN経由でインターネットを使い始めたのが96年。

 

このころからネットで集める資料が爆発的に増えた。本と同じで、ネット経由で集めた資料に関しても、保管の方法が大きな問題だ。すべてプリントアウトしていたので、最終的には紙媒体になる。資料を入れたクリアファイルの数は、すぐに3桁に達してしまった。

 

 

紙媒体の資料収集の限界を打破してくれたもの

集めた以上は、整理して使えるようにしなければならない。ところが、いくら工夫しても納得のいくファイリング方法を実現することはできなかった。資料というのは、いざ使うときにすぐに取り出せるようにしておくべきものだろう。しかし、筆者の方法論だとどうも無駄が多かったようで、ただ量だけが増えてしまっていた。これには理由がある。処分して少し経ったタイミングで必要になった資料が結構あるのだ。それが怖いから、基本的に捨てられなくなる。

 

資料に関しては、断捨離的なメンタリティを持つことはできない。

 

そんな筆者も、今はストレスからもジレンマからも完全に解放された状態で好きなだけ、しかも完全にペーパーレスで情報収集ができている。福音となったのは、ウィンドウズ版ソフトおよびiPhone アプリのEvernoteと、これを使い倒すためのコンパニオンブックである『Evernote 基本&活用ワザ 完全ガイド』(コグレマサト、いしたにまさき、堀正岳&できるシリーズ編集部・著/株式会社インプレスジャパン・刊)。まさにキラーコンビネーションだ。

 

 

ハンドルとして機能するガイド本

筆者がEvernoteでとにかく使い倒している機能はウェブクリッピングだ。気になったページをかたっぱしからクリッピングし、ノートという単位の情報を作る。これをクリアファイルに収めるのと同じ感覚で保管して、一段上のレベルのノートブックという単位にする。2015年からためているノートの総数は2600に達した。

 

もちろんEvernote の使い方はウェブクリッピングだけではない。毎日使いながら、自分なりの方法で使い勝手を進化させていく過程の大きな助けとなってくれるのが『Evernote 基本&活用ワザ 完全ガイド』なのだ。目次を見てみよう。実用的で流れのよい構成を感じ取っていただきたい。

 

第1章 基本操作をマスターしよう

第2章 仕事で使う情報を整理しよう

第3章 趣味や学びに活用しよう

第4章 日常生活に必要な情報をまとめよう

第5章 旅行や出張をスムーズにしよう

第6章 Evernoteのトラブルや疑問を解決しよう

 

よく似たソフトやアプリを試してみて、筆者の資料収集、整理と活用法の理想形に最も近く、思っていることを実現できたのがEvernoteである。とにかく、自由度とカスタマイズ性がきわめて高い。そして『Evernote 基本&活用ワザ 完全ガイド』によって、複数の項目を組み合わせながら最適の方法論を導き出すことができた。Evernoteという車を動かすハンドルのような役割をしてくれる本なのだ。

 

 

仕事から日常生活、趣味までカバーする守備範囲の広さ

たとえば、打ち合わせでの会話を録音しながら議事録的な文書を作る。書類をスキャンしてスマホに落とし、すぐに見られるようにしておく。名刺や領収書、レシートを管理する。TOEICの学習記録をつける。家電のマニュアルや説明書を一括管理する。そして、オンラインストレージサービスであるDropboxとの使い分けの方法を自分なりに決める。すべてこの本でスムーズに導入が可能だ。

 

ユーザーの成熟度と志向性に合わせて、どんな形の使い方であれ、理想に限りなく近いものを提示してくれる。

 

筆者がウェブクリッピングの次に注目している機能が、テキストエディターやワープロソフトとしての使用法だ。文字数を表示できるのも便利。さまざまな文字修飾や作表機能もあるので、論文の執筆に利用しているユーザーもいるようだ。そこまでがっつり書かないという人でも、たとえばブログの下書きや管理、あるいはレシピ集や読書録などの作成に使えるはずだ。

 

学生、主婦の方々、ビジネスマン。そしてフリーライター。世の中にはさまざまな立場や仕事があるが、Evernoteはそれぞれのライフスタイルに最高に合致した使い方を模索できるパーソナルツールであり、『Evernote 基本&活用ワザ 完全ガイド』はベストなカスタマイズを考える上でこれ以上ないほど役に立つ超実用的マニュアルなのである。これさえあれば自由自在! 頼りにしてます。

 

【書籍紹介】

Evernote 基本&活用ワザ 完全ガイド

著者: いしたにまさき、コグレマサト、  堀 正岳、できるシリーズ編集部
発行:インプレス

Evernote社が任命する「Evernoteアンバサダー」3人が実践的な活用ワザを解説する、最新のEvernoteガイドブックです。操作のわかりやすい解説はもちろんのこと、仕事や家庭、学び、旅行など、私たちの生活の中に、自然にEvernoteを溶け込ませていくための、さまざまな方法を解説していきます。

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