今年1月に発表され、3月より発売がスタートしているカシオのスマートウオッチWSD-F10を入手。本機を使った感想をレポートします。スマートウオッチでは後発ですが、それだからこそ考え抜かれた機能が盛り込まれていて、非常に使いやすいアイテムとなっていました。
電子機器と時計の両方で技術的優位性を持つカシオの新機軸
カシオは、計算機などで培ってきた省電力化・高密度実装技術や、耐衝撃スマホのG’z oneに代表される高性能なデバイス開発など、エレクトロニクス開発に長けた企業。もちろんG-SHOCKやOCEANUSに代表されるように腕時計開発にも独自の技術を持っているので、スマートウオッチを開発するのは必然の流れだったといえるでしょう。
WSD-F10の最大の特徴は、着用フィールドをアウトドアに絞ったことにあります。現実問題として「スマートウオッチで何をしたらいいかわからない」という人はいるのではないでしょうか。本機はその逆で、「アウトドアによく出かけるならWSD-F10が便利ですよ」というわけです。
ミルスタンダード準拠&5気圧防水
そんなわけで、本機は水に強いことと、耐環境性能を持たせることを念頭に置いて開発されました。その結果、スマートウオッチで初の5気圧防水を達成。さらにアメリカ国防総省が定める環境耐性テスト「MIL-STD-810G(通称ミルスタンダード)」の要件まで満たしてしまいました。
見やすい二層構造液晶で最長1か月駆動も実現
G00gle Mapsのような詳細情報も、1.32型液晶で見やすく表示。強い太陽光にさらされると液晶画面は見にくくなるものですが、WSD-F10はカラー液晶をOFFにしてモノクロ液晶の表示に切り替えられるので時刻やセンサーの情報が読みやすくなります。
さらにモノクロ液晶の表示がメインになる「タイムピースモード」にすれば、フル充電から最長1か月も駆動します。OSであるAndroid Wearとしての機能はOFFになりますが、それでもスマートウオッチの充電持ちとしては圧倒的な長さです。
「モーメントセッター」を使ってみた
走行距離や走行時間、消費カロリー、日没時間など、自分にとって需要な必要な情報を通知してくれる機能「モーメントセッター」を設定してランニング。ランの途中で「補給しましょう」との通知が表示され、夢中になり過ぎず効率的に運動できました。
Activityアプリでアウトドアが楽しく、快適に
トレッキング用GPSアプリの「YAMAP」や、フィットネス用アプリ「Runkeeper」、お天気アプリ「Go雨! 探知機」など、Android Wear対応アプリをインストールすれば様々な用途で使えますが、本機には3つのアクティビティに特化した機能がプリセットされています。
それぞれの機能と表示される情報は以下の通り
「トレッキング」・・・経過時間、移動速度、目標地点までの残り高度
「サイクリング」・・・経過時間、移動速度、移動距離
「フィッシング」・・・経過時間、気圧変動グラフ、現在の気圧値
*機能をフル活用するには「CASIO MOMENT SETTER+」が必要
もちろん、その他、Gmail、Google音声検索、Google Maps、Google Fit、天気予報など、Googleが提供する各種アプリやサービスにも対応。ここらへんは、スマートウオッチの基本ですね。
ユニークな機能として、カシオのデジタルカメラ「EXILIM Outdoor Recorder EX-FR100」とBluetooth V.4.1で連携できます。WSD-F10をコントローラーとして「EX-FR100」をリモート操作すれば、サイクリング中の風景写真や、魚を釣った瞬間の躍動感、登頂時のセルフィーなどがもっと手軽にできそうです。
突然の雨といえば、夏フェスなんかも多くの人が悩まされる問題かと思います。スマホは完全防水体制でポケットにキープし、WSD-F10で情報を得たり、仲間と連絡を取り合ったり、なんていう使い方もありですね。
カシオ
Smart Outdoor Watch
WSD-F10
7万5600円
【SPEC】
対応OS:Android、iOS(iOS接続時には、限定/非対応の機能があります)
素材:樹脂ケース、ラバーストラップ
サイズ/質量(約):W56.4×H61.7×D15.7mm/93g
防水性:5気圧
充電時間:常温で約2時間
連続使用時間:約1日以上(通常使用)、約1か月以上(時計のみ:タイムピースモード)
通信:Bluetooth V4.1、Wi-Fi
【URL】
Smart Outdoor Watch WSD-F10 http://wsd.casio.com/jp/ja/