ソニーモバイルコミュニケーションズはスペイン・バルセロナで開催されているモバイル見本市「MWC19 Barcelona」にて、Xperiaの新モデルを数機種発表しました。フラグシップモデルの「Xperia 1」ついては、初夏以降に日本国内で発売すると宣言されています。19年の夏モデルについて、一足早く特徴をチェックしておきましょう。
映画を観るのにこだわったスマホってどゆこと?
昨今のスマートフォンは縦長の画面を採用するのがトレンドなのはご存知の通り——。縦横の比率で「16:9」というが一つの基準となり、これよりも縦の比率が長いモデルが続々と登場していました。代表的なところでは従来のGalaxyシリーズが採用している「インフィニティディスプレイ」が18.5:9ですね。こうしたトレンドが最終的に目指すところは、「シネマスコープ」と呼ばれる「2.35:1」の比率だと言われていました。これは映画コンテンツで使われている比率です。
今回登場した「Xperia 1」は、一気にこの2.35:1に近く比率のディスプレイを搭載してきました。その名も「CinemaWide(シネマワイド)」。縦横比は21:9(≒2.33…:1)です。
端末の形状は、このディスプレイを生かすためにフラットになりました。XZ2、XZ3と背面がラウンドしているモデルが続いていましたが、ここにきて「Z」シリーズを思い出すようなシンプルな板に先祖返りしています。
HDRの規格は、「HLG」と「HDR10」に対応。これらの規格に対応するコンテンツを再生する際には、より濃淡を繊細に表現できます。例えば、SF映画で背景が暗くて真っ暗になってしまうようなシーンでも、HDR対応コンテンツなら背景美術の細部までしっかり描写されるわけです。
また、新搭載の「HDRリマスター」機能により、SDR映像コンテンツをHDR相当の画質に変換します。つまり、HDR対応コンテンツを視聴する機会があまりないという人でも、日頃の動画視聴でより繊細な濃淡を楽しめるとのこと。ソニーの「BRAVIA」シリーズで培われた高画質化技術も活用されています。
さらに、色味の設定としては、新たに「クリエイターモード」を搭載しました。これを適用すると、やや色味が暖色に傾き、UHD(Ultra HD)の放送規格 である「ITU-R BT.2020」に相当する色域が再現されます。これには映像制作の基準機として使われるマスターモニターの技術が応用されています。
サウンドに関しては、ステレオスピーカー搭載で、サラウンド音声技術の「Dolby Atmos」もサポート。対応コンテンツならば、映像とともに音の動きが感じられます。まさに手元に映画館があるような感覚で、いつでもこだわりの映像を楽しめるスマートフォンに仕上げられているわけです。
すでにお分かりのように、同社が持つ技術が全方位に詰め込まれています。これは「Xperia 1」に込められた同社の本気度の現れとも言えるでしょう。