花王が社運をかけて開発した新世代の洗濯用液体洗剤「アタックZERO」が、いよいよ4月1日より全国発売となります。洗剤好きのあいだでは発表時から話題騒然で、発売をいまかいまかと待ちわびている人も多いでしょう。発売へのカウントダウンが始まるなか、メディア向けの体験会が開かれましたので、今回はその様子をレポートします。
洗濯を取り巻く環境が変化
体験会では初めに、花王の研究所で洗剤開発を行っている多勢さんより、私たちの洗濯環境の変化について説明がありました。多勢さんによると、大きく変わっているのは以下の3点。
【洗濯環境のおける大きな変化】
・衣類における化繊(合成繊維)の割合の増加
・洗濯機の節水化と洗濯回数の減少
・肌を経由して付着する油分汚れや柔軟剤など新しい“汚れ”の出現
まず、近年では機能性衣料などの普及により、衣類におけるポリエステルやナイロンなどの化繊の割合が多くなっているそう。こうした化繊は石油を原料にして作られるため、水をはじき油になじみやすいという性質があり、綿などの天然繊維に比べて油汚れが落ちにくいという特徴があります。
次に、洗濯機の進化とともに節水化が進み、たっぷりの水を使って洗う従来の方式から、なるべく水を使わずに汚れを落とす方向にシフトしていることが挙げられています。また、共働き世帯の増加などにともなって、洗濯回数が減少しており、同社の調査によると、1週間あたりの平均洗濯回数は2003年で10.9回だったのに対し、2018年では9.8回になっています。
その結果、1回の洗濯でなるべく多く洗おうとして、洗濯層に衣類を詰め込んでしまっているのに、洗濯機は少ない水で洗おうとするので、汚れが落としにくくなっている状況が生まれてしまっているのです。
最後に、化粧品やスキンケア用品といったアイテムの使用頻度や量が増えていること、および柔軟剤を日常的に使うようになってきたことなどが指摘されています。これらは肌を守ったり、衣類をケアしたりするものですが、洗濯の観点から見れば、衣類にとってはどれも不必要な“汚れ”なのです。汗や皮脂、食べこぼしといった従来の汚れとは異なる、新しい“汚れ”に対応する性能が、これからの洗剤には求められています。
このように、洗濯を取り巻く環境の変化により、これまでの洗剤では対応しきれない状況が生まれており、上記を踏まえた新しい洗剤が求められているとのこと。
3つの革新を備えた新世代の洗濯洗剤
そこで生まれたのが、花王が10年以上もの歳月をかけて開発した新洗浄基材「バイオIOS」と、それを主成分とした液体洗剤「アタックZERO」です。アタックZEROは、これまでの洗剤にない3つの革新を備えた洗剤として注目されています。
【アタックZEROの3つの革新】
革新その1.高い洗浄力とエコを両立した新洗浄基材「バイオIOS」を採用
革新その2.同社初のドラム式洗濯機専用タイプをラインナップ
革新その3.誰でも簡単に軽量できる新形状ボトルを開発
なかでも注目は、やはり新洗浄基材「バイオIOS」でしょう。汚れを落とす主成分である界面活性剤は、水と油を馴染ませることで衣類に付着した皮脂や油汚れなどを洗濯水中に分散させ、汚れを除去します。このとき、油への馴染みやすさと水へのとけやすさは表裏一体となっており、汚れ落ちを高めると水にとけにくくなり、水にとけやすくすると汚れ落ちが悪くなる、というジレンマがありました。
しかし、「バイオIOS」は水への溶けやすさと油への馴染みやすさを両立した画期的な分子構造により、さっと汚れに馴染んですばやく水中に分散させる特性を備えています。