GetNavi webではここ最近、増税前に買っておくべき商品をカテゴリごとに紹介しています。本記事では少しテーマを変えた内容をお届け。増税にあたっての駆け込み購入で、品薄などの問題が起きることはないのでしょうか? 過去の増税時のデータと今回の増税にあたってのデータの比較から予想される「今回起きること」をプロに聞いてみました。
日用品の買いだめ品目は前回増税時と同様の傾向
増税前のまとめ買いや駆け込み需要は、実際どのくらい発生するのでしょうか? マーケティング・リサーチやデータ解析を手がける株式会社インテージが実施した消費増税に関する調査結果について、同社マーケティング部の片寄 航さんに話をうかがいました。
「以下のグラフ1は、2014年の増税直前に実施された『増税に備えて買いだめしたもの』の調査結果、グラフ2は、今回の増税にあたっての『増税に備えて買いだめするもの』の調査結果です。2つのグラフを比較すると、日用雑貨品ではどちらも“子供用紙おむつ”や“トイレットペーパー・ティッシュペーパー”、“洗濯用洗剤”といった使用頻度が高くストックできるものが上位となっており、両者の品目は意識ベースでほぼ同様の結果。このことから、今回の増税でも、駆け込み需要は発生すると思われます」(片寄さん)
グラフ1:増税に備えて買いだめしたもの(2014年)
グラフ2:増税に備えて買いだめするもの(2019年)
ポイント還元制度の導入で増税後に需要増の可能性も
ただし、駆け込み需要の大きさなどは、前回の増税時とは違いが出る可能性も高いといいます。
「増税分が2%であること、食品・飲料に軽減税率が適用されるため、増税により価格が上がる品目が少ないことなどの理由から、増税前セールがあまり盛り上がらない結果になれば、前回の増税よりも駆け込み需要は小さくなることが考えられます。
また、今回の増税では、キャッシュレス決済のポイント還元制度が導入されますが、これによって増税後のほうが安く購入できることになれば、増税前は買い控えて増税後に需要が発生する可能性もあります。そのほかに、日用品をECで購入する人が前回の増税時に比べて増えていることから、まとめ買いによって物流が混乱するのではないかと言われています」(片寄さん)
クルマや住宅などの購入は税制措置の動向次第
高額品の駆け込み需要についても目を向けます。次のグラフ3は、今回の増税に備えて購入を検討しているとの回答が多かった品目です。
「住宅や自動車の場合、増税分2%でも金額にすると数万円以上の差が出るため、増税前に買おうとする意識は高まり、データにもそれが表れています。ただし、これらに対しては、政府は税制措置を講じます。住宅ローン減税の延長や自動車税の引き下げが検討されており、実際に購入が行われるかは、その動向に左右されるでしょう」(片寄さん)
グラフ3:増税に備えて購入したいもの(2019年)