「家電大賞」は、トレンド情報誌「GetNavi」と白物家電専門ニュースサイト「家電Watch」による年に1度の家電アワード。革新的な技術や先進的なデザイン性を備え、ユーザーから高い評価を得た製品を表彰することで、日本と世界のモノづくりを大いに盛り上げる目的で創設されました。2016年より始まり、今回で4回目となります。
読者投票のみで決まる家電アワードの授賞式の模様をお届け
その大きな特徴は、専門家による選考ではなく、両媒体の読者投票のみで大賞が決まること。今回は約1万人の読者が投票した結果、ノミネートされた98製品のなかからグランプリと部門賞(15部門)が決定しました。今回は、その授賞式の模様をお届け。受賞したメーカーの喜びの声を紹介していきましょう。
「一家一台」を目指して投入したロボット掃除機がグランプリを受賞
今回、ノミネートされた98製品の頂点に立ったのはアイロボット ルンバe5(イーファイブ)。ルンバe5は、同社ハイエンドモデル並みの優れた掃除性能や、トレンドのスマホ連携にも対応しつつ、税抜4万円台という買い求めやすい価格に抑えた点がユーザーからの支持を集めました。アイロボットジャパンの挽野 元(ひきの・はじめ)社長の受賞の挨拶は次の通りです。
「ロボット掃除機部門での受賞は4回目なんですが、今回は総合グランプリということで。色々なメーカーさんの素晴しい商品があるなかで、お客さまの声をもとに選んで頂き、このような賞を頂けたということは、メーカーで働く者として非常にうれしい。今回受賞したe5というモデルは、ロボット掃除機が『一家一台』となることを目指して、みんなに使ってもらおうと、戦略的に投入したモデル。いままで高くて手が届かないと思っていたお客さまにも使って頂けるということで、非常に手ごたえを感じています」
いままでにない売れ行きに強い手ごたえを感じている
以下では、授賞式の前に行った挽野氏へのインタビューを掲載します。e5の売れ行きについて聞いてみたところ、「極めて好調」とのこと。
「当初はモノが足りないくらい売れてしまい、ようやく最近落ち着いてきました。国内ロボット掃除機の世帯普及率がいままで4.5%だったったところ、e5の発売によって3~4か月で一気に4.9%にアップしました。これはいままでにない勢い。手ごたえは強く感じています」(挽野氏)
ちなみに、同社のライバルのひとつであるダイソンは、奇しくも授賞式があった3月19日、ロボット掃除機の新モデル「Dyson 360 Heurist」を発売しました。こうしたライバルについてどう思うか、またそれらに対してルンバはどんな優位性があるのでしょうか?
「ロボット掃除機市場を盛り上げる意味では、ほかのメーカーさんもどんどん来て市場を盛り上げるのは大事なこと。ただ、私どもはずっとロボットのビジネスを29年間やっていますので、いままでの蓄積があります。見た目は似ていても、中に入っている空間認識の力、位置を認識する力、こういった部分は自信を持ってお客様にアピールできると思っています」
世帯普及率を上げつつ、「人間が知らぬ間にキレイ」を目指す
今後の展開についてはいかがでしょうか?
「基本的に『一家に一台』。これを進めるべく、一生懸命やっていきたいです。そのためのモデルがe5で、(3月8日に発売した)上位機種i7(アイセブン)。世帯普及率を挙げていって、最終的には、スマートホームのなかで、よりカンタンに使えるように進化させていきたい。(アイロボットCEOの)コリン・アングルもずっと言い続けているんですけれど、ロボット掃除機がいつの間にか動いていて、人間が意識しないうちにキレイにしているのが理想。そんな世界が来たらいいなと思っています」