さいたま新都心にあるショッピングモール・コクーンシティ内の映画館「MOVIXさいたま」に、関東初となるドルビーシネマの劇場が4月26日よりオープンします。ドルビーシネマは、最先端の映像技術であるドルビービジョンと立体音響技術のドルビーアトモス、さらにそのふたつを最適に楽しめるシアターデザインによる最新の劇場システムです。
今回、オープンを前にメディア向けの内覧会が行われたので、体験してきました。内覧会ではドルビーシネマとはどういうものかと言うのを懇切丁寧に解説し、従来との違いがわかる映像の体験もできました。
とりあえず内覧会での感想としては、コントラストがかなり良い感じです。レーザー光源プロジェクターは、従来のプロジェクターの500倍となる100万:1で投影でき、最大輝度も従来比の2倍以上とのこと。これにより明暗差がはっきりとするので、解像感も高く感じます。プロジェクターとしては4Kまでの出力で、他の4Kプロジェクターと変わらないですし、解像度はコンテンツに依存するところもあるのですが、それでも解像感が高く感じます。
テレビでも50インチ以上は4K解像度がないととか、そんな話も出てきますが、映画のスクリーンはテレビサイズどころではないので、その基準でいってしまうと、4Kでも足りないと思ってしまうわけです。しかしながら、ドルビーシネマではまさに4Kテレビで近くから見ているような解像感を感じてしまうほど。まあ、ちょっと褒めすぎですが、でも明らかに比較するまでもなく、従来のシネマよりキレイな映像だということはすぐにわかります。
音声のドルビーアトモスも、会場のどの方向から音がするのか、映像とリンクするので、自然すぎてかえって凄さがわからないほど。大きな音が結構苦手な方なので、そんなに大きな音でなくても迫力のある音場を作れているのはさすがです。
最後にシアターデザインです。ドルビーシネマの美麗な映像をどの席から見ても満足のいくクオリティを担保する空間デザインをしており、どの席でもドルビーアトモスの立体音響を最適な状態で聞けるようになっています。また、席のゆったりさが抜群です。ドルビーシネマに改装する前は400以上あった席数を290席まで減らしているとのこと。前後の席との空間も広く、すべての座席の肘掛けが両方にあり、ドリンクホルダーも2つ付いています。
ドルビーシネマは、ドルビーシネマ作品に限り劇場鑑賞料金に500円、ドルビーシネマ3D作品に限り劇場鑑賞料金に900円が必要となります。ただ、この快適な席で視聴できるとなると、それだけで追加料金分の価値があるといえるのではないでしょうか。飛行機でいえばビジネスかファーストクラス、新幹線でいえばグリーン車に乗るようなものですから。
メディア内覧会の後には、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の上映会もありました。残念ながら最新作の「アベンジャーズ/エンドゲーム」ではありませんでしたが、そもそも「アベンジャーズ」シリーズをひとつも見ていなかったので、十分に楽しめました。なお、26日からのオープン作品は「アベンジャーズ/エンドゲーム」が上映されます。
映画をまるまる1本を見た感想ですが、さすがに映像はキレイの一言に尽きます。コントラストも高く、とにかく情報量満載って感じです。ある意味、見どころが多過ぎて大変とすら感じました。音響に関しても映像にリンクした立体音響が没入感を高めてくれるのですが、没入感が高すぎてそのことすら意識しない感じです。
一応、今回はドルビーシネマの体験会だったので、そのあたりをチェックしようと思ったんですけど気がついたら映画が終盤にさしかかるほど自然でした。で、2時間40分の長尺映画を観たのですが、やはりシートが広々としていて座り心地も良くまったく疲れませんでした。筆者は182cmの大柄な体型をしているので、場所によっては窮屈な思いをしたり、後ろの席の人に気を遣ったりしてしまいますが、ドルビーシネマではそんな心配も必要ないわけです。肘掛けが両方使えるというだけでも良い感じです。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」のあとには5月3日から「名探偵ピカチュウ」、5月10日からは国産ドルビーシネマ作品の「轢き逃げ 最高の最悪な日」、5月31日からは「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」など、注目の大作が次々と上映される予定です。
今年の秋には丸の内でもドルビーシネマがオープンの予定ですが、それまではさいたま新都心のMOVIXさいたまでしか関東圏の人は楽しめないので、ゴールデンウィークはぜひさいたま新都心へ足を運んでみて下さい。