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2019/5/16 18:50

もはやポータブルの域を超えた! 8chデュアルDAC仕様のハイレゾプレーヤー「KANN CUBE」

アユートは、Astell&Kernブランドのハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー「KANN CUBE」を6月に発売します。直販価格は19万9980円。

↑KANN CUBE

 

「KANN CUBE」は、AKシリーズのパフォーマンスライン「KANN」(2017年発売)の上位モデルに位置付けられるオーディオプレーヤー。

↑AKシリーズのラインナップ

 

特徴は、据え置き機などに採用されているESS Technologyの8ch DAC「ES9038 PRO」を、ポータブルオーディオプレーヤーで初めてデュアル搭載していること。これにより、バランス時12Vrms、アンバランス時6Vrmsという驚異的な高出力再生を果たしながら、低ノイズ化の両立も実現しています。

 

また、Mini XLR 5pin端子を備え、XLR端子変換ケーブルを併用することで、据え置きのオーディオシステムにバランス伝送を行なうことが可能。この変換ケーブルはオプションとして販売することを計画しているとのこと。このほか、3.5mmステレオミニ(アンバランス)と2.5mmバランス端子も備えています。

↑側面にMini XLR 5pin端子を装備

 

↑上部には3.5mmステレオミニ端子と2.4mmバランス端子を備えています

 

本体はアルミ製のメタルボディで、5インチのHDディスプレイを搭載。内蔵メモリは128GBで、拡張用のmicroSDカードスロットは1基(SDHC/XC 最大512GB)。BluetoothコーデックはSBCとaptX HDをサポートしています。

↑AKシリーズならではの重厚なメタルボディ

 

本体には7400mAhもの大容量バッテリー内蔵していますが、デュアル8ch DACやクアッドCPUなどを駆動させるため、連続再生時間は約8時間となっています。USB Type-C端子を備えており、最大10Gbps(理論値)のファイル転送速度が可能。高速充電にも対応しています。

 

ハイレゾ音源はPCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまでのファイルのネイティブ再生が可能。MQA音源もサポートしています。また、PCなどに接続して、ハイレゾ再生対応のUSB DACとして使用することも可能です。

 

発表会に登壇したiriverのテッド氏は、AK100のころから開発に参加してきたAKシリーズのキーパーソン。そのテッド氏によれば、「KANNは実験的なモデルだったが、予想以上にユーザーに受け入れられた。そこで、次のモデルは高出力や自然なサウンドといったKANNの良さをパワーアップさせる方向で開発することにした。AKシリーズの他のラインはサイズなどの制約があるが、KANN CUBEはXLR端子を載せたり、ホームオーディオで使われるDACをデュアルで搭載するなどの挑戦を行っている。ヘッドホンアンプなしでも高出力で楽しめるプレーヤーに仕上がっている」とのこと。

↑テッド・ベイク氏

 

そのサウンドを実際に試聴することができましたが、最初に感じたのは音場がとても広く、それでいて変に誇張されていない自然な音質だということ。高出力ゆえに余裕があるのか、低音や高音を頑張って出しています、というような力の入った音ではなく、肩の力を抜いたようなさらっとした鳴らし方が印象的でした。ぜひ据え置き機と組み合わせたときの音も聴いてみたい、と思えるプレーヤーです。