本記事は、グローバルの最前線で、世界と向き合うJICA(独立行政法人国際協力機構)関係者の協力のもと、日本ではあまり知られていない情報を、現地に滞在するからこそわかる目線でお伝えする記事です。今回のテーマは、タイの人気犬「バーンケーオ」です!
タイの「バーンケーオ」、その正体は?
ラオス在住でタイにも詳しいJICA専門家の大槻和弘さんから、タイでバーンケーオという品種の犬が流行っているとのレポートが寄せられました。
そもそもバーンケーオという犬種をご存知でしょうか? 日本では耳慣れないこの犬種、タイ北部のバーンケーオ村が原産といわれており、体重は15~25kg程度。飼い主に忠実な番犬としてお馴染みなのだそう。タイでは「人気の犬種トップ5」に常にランクインするくらいメジャーな存在なのだとか。
当の大槻さんもバーンケーオの飼い主です(正確には母親がバーンケーオであり、大槻家の子はミックス犬です)。大槻さんの近所の奥さまが大のタイドラマ好きで、1年前に彼女がバーンケーオをタイから買ってきました。その後、生まれた子どもの中の一匹をもらい受けたのだそう。見てくださいこの愛くるしいたたずまい!
ただしこのバーンケーオ、この可愛さとは間逆ともいえる性格だといいます。
飼い主以外にはなつかず(こんなにかわいいのに)、警戒心が強く(こんなにフレンドリーそうなのに)、よく吠える(しかも結構本格的な声)。日本でいえばドーベルマンのような特性だそうです。そもそもタイでメジャー犬種になったのは、タイで有名な伝統舞踊の踊り手兼歌手であるチャイヤー・ミチャイ氏が番犬に向いた犬として飼っているのが紹介され、そこから人気に火が付いたとのこと。
大槻家のバーンケーオも、ご多分に漏れず活発で大変ないたずらっ子。大槻さんには大変なついてくれるのですが、他人にはよく吠え、番犬としてはある意味超有望です。
ただしその性格ゆえに、愛玩動物としてはちょっと手がかかるのだそう。毎日仕事から帰ってくると、家のあちこちが掘り返されていたり、花が全て噛みちぎられていたり、凶暴ぶりがすごくて閉口することもしばしば。近所の奥さんいわく、血統は半分でも、性格・行動パターンともにバーンケーオそのものなのだそうです。
下記に大槻家のバーンケーオの勇ましい動画を提供いただきましたので、その凶暴さの片鱗をご覧ください(上の写真から数か月でずいぶん大きくなりました!)。
なお、このバーンケーオ、タイではペットショップや、最近ではインターネットでも購入することができます。価格はおおよそ4000バーツから5000バーツ(日本円で1万3500から1万7000円程度)。高くも安くもなく、タイで一般的な中型犬を購入するくらいの相場感だそうです。
日本から購入するのはなかなかハードルが高そうですが、現在タイやラオスで暮らしている方、これから赴任する方は、可愛くてやんちゃで忠実な番犬であるこのバーンケーオと生活してみるのも楽しいかもしれませんね!
【協力してくれた人:大槻和弘さん】
大槻さんは、日本の政府開発援助(ODA)実施機関の一つである国際協力機構(JICA)の専門家として、これまでラオスやミャンマーなど、東南アジアの農業や保健分野を中心に途上国支援に携わってきました。現在は、ラオス南部サバナケット県にて、農産物の生産・販売の強化により農家の生計向上を図るプロジェクトの運営管理や、相手国側との交渉などに関わっています。
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