ビジネスの定説として、雑然としたデスクやオフィスでは探し物が多くなり、作業効率が非常に悪くなると言われています。事実、当GetNavi編集部のあるフロアも紙は山積み、文具は散乱……と、お世辞にもキレイとは言いがたく、日々その非効率さを実感しています。打ち合わせなどで来客も多いため、その意味でも整理整頓したいのですが、どこからどう手をつければいいのかわからない……。
そこで今回は、インテリアコーディネーター/整理収納アドバイザーとして活躍されているくろだあきこさんにオフィスのチェックを依頼。デスク周りと共有スペースそれぞれで、手軽に実践できる整理術やおすすめ収納アイテムを紹介していただきました。果たして、ゴチャゴチャしたデスク&オフィスは生まれ変われるのでしょうか?
モノがあふれがちなデスク周りを整理整頓するコツ
編集部に到着して、早速フロアに鋭い視線を向けるくろださん。あるひとつのデスクの前で立ち止まりました。「これは、なかなか整理しがいがありますね(笑)」。ダメだしを受けたのは、若手編集部員Yのデスク。2か月前にこのフロアに引っ越してきたばかりというのに、早くも雑誌のバックナンバーやデータCDが積み重なり、小物も散乱。PCのケーブルも蛇のようにうねっています。
くろださん「これだけモノが散らばっていると、探し物も大変じゃないですか?」
編集部員Y「確かに、どこに何があるのかわからないことがよくあって。今もハサミを探してたんですけど、えっと……(笑)」
これはマズいということで、早速くろださんの指導のもと、“汚デスク”を“デキるデスク”に改造スタート!
くろださんが最初に教えてくれたデスク周りの整理のコツは、ズバリ“面ではなく立体で考える”こと。「縦方向をうまく使っている人って意外に少ないんですよね。面で考えるとデスクのスペースにはどうしても限りがあるので、縦の空間を利用して収納するのが、デスクを片付けるときの基本です」(くろださん)
もうひとつのコツは、“専用のゴミ箱を用意すること”。「たとえば、捨ててもいい資料や紙類は、用意したシュレッダー用の箱にいったん突っ込んでおいて、あとから捨てに行くのが効率的です。毎回捨てに行くとなると面倒くさくてついデスクに積みがち。紙ゴミだけでなく、捨てたいものを入れておく専用のゴミ箱やトレイをデスクに備えておくと、モノがあふれるのを防げます」(くろださん)
不要なモノを捨てるだけでは不十分! 整理されたデスクを維持するには?
ここからは、おすすめの整理収納アイテムを使って、さらにデスクを片付けていきます。まずは、デスク上に散乱したケーブルから着手。
こんなふうに、いろいろとケーブルが多すぎて収集がつかない! というときはこちらのアイテムの出番です。
【整理収納アイテムその1】
Katazukケーブル収納付机上台
モニターの配線やスマートフォンの充電ケーブルなど、机の上に広がっているケーブル類を隠せる机上台。背面にコードをまとめられるプレートが付いていて、正面からはケーブル類が見えません。耐荷重は15kgでPCのモニターも載せられます。カラバリは「ホワイト」と「ナチュラル」、サイズは幅520mmと幅650mmの2種類。
<くろださんのオススメポイント>
「今のデスクまわりってケーブル類がすごく多いので、ケーブルをひとつにまとめるだけでもスッキリとした印象を与えます。また、パソコンを使わない作業時などはキーボードを台の下に収納することで、作業スペースを確保することも可能。それから、机上台を使用することでモニターの高さが上がるので、向かいの席の人の視線がちょっと気になる……という場合にも良いかもしれません」
ケーブルをスッキリさせて確保した空間を有効活用するために、こんなアイテムも用意してみました。
【整理収納アイテムその2】
Katazuk 机上スペース活用棚
幅400×奥行150×高さ300mmとコンパクトなサイズの、デスクの上に置ける整理棚。2枚の棚板は木製ですが、フレームはスチール製で、好きな高さに調整可能(50mmピッチで可動)。高さ450mmの背の高いサイズも用意されています。
<くろださんのオススメポイント>
「縦にデスクの面積を増やすという意味では、こうした棚も導入しやすいアイテムです。棚の下にもちょっとした空間ができるので、電話や手帳もスッと入れられます。この手の棚は、大きければ大きいほど収納力は増しますが、逆に圧迫感が出てしまうため、これくらいのサイズが一番使いやすいと思います。置くだけでデスクの活用面積は相当増えますよ!」
雑誌類はブックスタンドを使って並べるとして、あと問題なのはデスク上に無造作に置かれた文具や小物たち。いちいち引き出しにしまうのは面倒だったり、そもそも引き出しには収納スペースがなかったりといった理由から、ついついデスク上に“なんとなく”置いてしまいがちなんです。
このような状態だと、必要なものを探すのに手間取ってしまいますよね。使ったあとに明確に戻せる場所を用意してあげましょう!
【整理収納アイテムその3】
Katazukデスク収納パネル
デスクに立てて置ける、高さ300mmのスチール製収納パネル。等間隔に空いた穴に小物入れトレーをひっかけたり、マグネットでケースを貼り付けたりと、自由にカスタマイズできます。付属品は、「携帯電話トレー」「小物トレー」「布製ペン収納ボックス」「布製封筒収納ボックス」「マグネット3個」。幅300mm、幅450mm、幅600mmの3サイズ展開。
<くろださんのオススメポイント>
「デスクに散らばっているものを種類別にすべてまとめられるのが、このアイテムの一番のポイント。オフィスの収納は、一覧性を高め、パッと見たときに何がどこにあるのかすぐにわかることが重要です。探す時間がもったいないですからね。しかもこのアイテムなら立てて置けるのでとっても省スペース。縦方向に収納でき、机も広く使えます。片手でスッと持ち上げて下を掃除できるのも良い点です」
くろださん指導のもと整理整頓を進めた結果……
<Before>
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↓
↓
<After>
もともとモノが多くなかったので、今回捨てたのは紙ごみ程度。しかし、モノを的確に配置することで、ここまで印象が変わりました。それだけではなく、整理収納アイテムを利用することで今後も長くこの整った状態を維持しやすい、というのが今回の片付けの最大のポイント。毎回デスクが汚くなってきたらモノを捨てるを繰り返している…という人は、ぜひお試しください!
デスクがきれいになり、たまっていたホコリの掃除もできて、心なしか表情が晴れやかになった編集部員Y。「ついでに相談なんですが……」とくろださんにさらなるアドバイスを求めます。
編集部員Y「実は、部の共有スペースもゴチャゴチャしていて使い勝手が悪いんですよ。順番にチェックしてもらえませんか?」
くろださん「わかりました。共有スペースは、使う人たちが整理整頓の共通ルールを認識していることが重要です。そのルールが、見ただけでわかりやすいアイテムを導入しましょう!」
【ケース1】モノが行方不明になる作業台
キャビネットの上にカッターマットが敷かれたフロアの共有作業スペース。しかし、文具などが雑然と散らかっていて、これではもし共有のアイテムがなくなってしまってもすぐに気づくことができません。これをくろださんがあるアイテムで解決してくれました。
【整理収納アイテムその4】
引き出しすっきり収納シート
棚の上や引き出しの底に敷いて、物が散らばるのを防ぐシート。厚みのあるポリエチレンフォーム(厚さ30mm)にあらかじめミシン目が入っていて、置きたい物の大きさに合わせて穴を空ければ、ぴったりの収納場所のできあがり。サイズは「大」(420×330mm)と「小」(375×255mm)の2種類。類似のアイテムとして、デスクの引き出しなどに入れて文具を整理できる、薄手の「ツール管理シート」(厚さ10mm)もあります。
<くろださんのオススメポイント>
「なくなりがちなモノは定位置を決める、というシンプルな話です。この商品はモノのシルエットにシートを切り抜いて定位置を作れるので、すごくオススメ。私は以前、元工場勤務だったオフィスワーカーの方が、オフィスを完璧に片付けるのを見てすごく感心したことがあります。工場だと工具をしまう場所が影の形になっていて、そこにしか戻せないので、何かがなくなってもすぐにわかるそうなんですね。使っている人が元の場所に戻しやすい工夫も、モノが行方不明にならないコツです」
【ケース2】いちいち取り出さないと中身がわからない収納スペース
続いて訪れた共有スペースは、ムックや雑誌のバックナンバーがギッシリ詰まっているキャビネット。それぞれクラフト紙に包まれているので、いちいち開けないと中身が確認できず、「必要なときに必要な物がパッと探せない」(編集部員Y)のが悩ましい。こちらも、ちょっとした工夫で解決!
【整理収納アイテムその5】
収納棚が仕切れるスタンド(見出し付き)
大型収納棚の区分けに活躍するスチール製L字スタンド。大きめの資料を仕分けるブックエンドとしても最適です。左右に見出しを貼り付けるスペースがあり、オープンラックならどちらからでも見出しが見えて探し物もラク。適度な重さに加え、底面にすべり止めシリコンが4か所貼られており、ズレにくくなっています。奥行450mmの「大」と奥行350mmの「小」の2サイズ展開。
<くろださんのオススメポイント>
「普通のオフィスでも、在庫や資料が似たような段ボールに入って棚に積まれているというケースがよくあると思います。ひとつひとつの包みや段ボールに中身を書いて管理するのは作業的にも大変なので、とりあえず収納場所の大まかな分類をしておくのが時短につながります。そのためには、まずインデックスを付けるのが重要です。包んであるものにラベルを貼るのが難しい場合は、こういったはみ出しのあるブックエンド的なものに頼ったほうが、パッと見てもわかりやすいでしょう」
【ケース3】ペンが消しカスにまみれたホワイトボード
スチール棚に貼られた、外出や出退勤の予定を書くホワイトボード。取材などで出入りが多い編集部にとっては、誰がどこにいるのか把握するための必需品です。ところがここにも問題点が……。「トレーに置いたペンが消しカスで汚れていて、手が黒くなるんですよ! 見た目にもあんまり美しくないし、触りたくないなぁと思っちゃいます」(編集部員Y)。その問題をマルッと解決できるアイデア商品があります!
【整理収納アイテムその6】
ペンが挟めるホワイトボードイレーザー
背の部分にミゾがあり、マーカーを収納できるホワイトボードイレーザー。太軸マーカー、中軸マーカー、どちらにも対応しています。イレーザー自体がマグネットでボードにくっつくので、トレーのないホワイトボードにも使えるのが特徴。会議などでマーカーが見つからないというトラブルを防げます。
<くろださんのオススメポイント>
「イレーザーをトレーに置くとどうしてもそこに黒い消しカスが溜まり、ついでにペンも置いてしまうので、知らないうちに手が真っ黒になりますよね。これを防ぐにはマグネット式のイレーザーがピッタリ。この商品はペンも一体化して収納できるので、これさえあればすべて解決です!」
整理収納のプロが語るオフィスの片付けの極意と意義
くろださんのアドバイスで見違えるようにキレイになったデスクとオフィス。最後に、くろださんに全体的なオフィスの片付けの極意とその意義をまとめていただきました。
「オフィスでは、すべてのモノを一箇所にまとめて管理する方法よりも、作業する場所に合わせて必要なものをコンパクトに収納している状態のほうが、かえって混乱が少なくてすみます。ただし、この場合、どこに何があるか見た目ですぐにわかる一覧性の高さが必要です。ひとりではたった5分の探し物でも、部署が10人ならば50分の無駄になってしまいますからね。
それから、身の回りの細かいものは増えていくものと割り切って対策を考えましょう。ペンなら10本、20本といつの間にか溜まりがち。お気に入りのものだけ残して定期的にクリアにするクセをつけるのがデスクをキレイに保つポイントです。個人のデスクは使える面積が限られているので、先ほども言いましたが縦方向に立体的に収納できるアイテムを活用してください。
オフィスが雑然としていると、探し物が多くなって仕事効率が下がるというのはもちろんですが、目から入ってくる情報量も多くなるので、それで気が散ってしまうというマイナス面も大きいんですね。整理整頓されていると頭もクリアになって考えもまとまる。最近、仕事が忙しくて頭のなかがゴチャゴチャしているな、と思ったときは、デスクを片付けてみるのも解決法のひとつです」(くろださん)
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撮影/我妻慶一