いよいよ目前に迫ってきた消費税10%時代。増税後の生活は、どう変わるのでしょうか? 今回はフルサイズミラーレスカメラを中心に、増税前にチェックすべき「カメラ」について紹介します。
※記事内の参考価格はすべて、2019年9月24日時点の消費税8%の税込価格で表記しています
秋の撮影時期を最新機能で撮るなら増税前の購入が◎
フルサイズミラーレス機は、高額商品だけにライフサイクルが長く、発売時に購入すれば数年間は現行モデルとして使えます。プロユースを考慮した製品も多く、丈夫で長持ちするため、結果的に経済的という製品が多いのも魅力です。
これらのクラスのカメラは、発売後3か月から半年間ほどは若干価格が低下しますが、その後は年末やボーナス時期などを除き、比較的安定。相対的に消費税アップの影響を受けやすいといえます。夏から秋の新製品は、半年程度で消費税額以上に値下がりする可能性は高いですが、秋の撮影シーズンに新機能を使って撮りたいなら、増税前に購入するのもアリです。
今日の注目機能は、人物撮影に便利な「瞳AF」や連写&合成によって記録画素数を増やせる「画素ずらし合成機能」。特に「瞳AF」は、新機種ほど精度がアップしており、一部機種では「動物瞳AF」にも対応。動き回る被写体のピンボケを防げる必須機能といえます。
【買い時の傾向と対策】フルサイズは製品寿命が長くて価格も安定傾向
発売後の価格低下は3か月〜半年程度続きますが、その後は下げ止まり、ボーナス時期などに多少下がります。モデルライフが2年以上続く製品が多く、初期価格から15%程度安ければお買い得。高額なキャッシュバックキャンペーンの実施も多く、そうした時期も狙い目です。
カメラ(フルサイズミラーレス)の押さえておくべき4大トレンド
最近進化が著しいのが「瞳AF」。センサーをずらしながら連写して高画素画像を得る、「画素ずらし合成機能」対応機も増えてきました。
【トレンド1】瞳AF
従来からある顔認識機能に加え、瞳の位置を検出して目にピントを合わせる瞳AFが標準的に。一部機種では、動物検出や動物瞳AFにも対応します。
【トレンド2】4K動画
フルサイズ機では、背景ボケの大きな4K動画を撮影しやすいのも魅力のひとつです。大型の4Kテレビも普及しつつあり、大画面で美しい映像が楽しめます。
【トレンド3】高速連写
子どもの運動会やスポーツシーンなど、動きモノを撮るなら、連写が速いほうが一瞬を捉えやすいです。10コマ/秒以上の高速連写が可能ならベター。
【トレンド4】画素ずらし合成機能
ボディ内手ブレ補正機構を応用し、センサーをわずかにずらしながら連写。合成して超高画素で記録します。動きのない風景などを高精細に撮れます。
注目のフルサイズミラーレス一眼5選
【その1】軽さと明快な操作性が魅力の高倍率ズーム付きお手軽モデル
キヤノン
EOS RP・RF24-240mm IS USM レンズキット
実売価格28万800円
小型軽量&簡単操作が魅力。バリアングルモニターや約236万ドットEVFを備え、0.05秒の高速AFも実現。9月に発売予定の高倍率ズームレンズとの組み合わせにより、広角から望遠まで撮影でき、従来以上に手軽に楽しめます。
【瞳AF対応】 【4K30p動画対応】 【最高約5コマ/秒】 【画素ずらし合成機能非対応】
SPEC●画素数:約2620万画素●マウント:キヤノンRFマウント●常用ISO感度:100〜40000●モニター:3型約104万ドット(バリアングル式、タッチ対応)●EVF:約236万ドット、約0.7倍●サイズ/質量:約W132.5×H85.0×D70.0mm/約485g(ボディ)、約φ80.4×長さ122.5mm/約750g(レンズ)
【買いのワケ】500gを切るボディの軽さと高倍率ズーム採用の利便性
バッテリー、メモリーカード込みで500gを切る軽さは、ほかにはない魅力です。新たに24〜240mmの高倍率ズームがキットレンズとして組み合わされた点にも注目。1本でほとんどの撮影に対応できます。
【買い時診断:B+】増税前のおトク感はあるが、急がないなら年末商戦待ちも
キットレンズ追加で価格が底上げされましたが、おトク感は十分あります。急がないなら値下がりが見込める年末商戦まで待つのもアリです。
【その2】ボディ内手ブレ補正や瞳AF対応で失敗なく撮れる
ソニー
α7III
実売価格24万5760円(ボディ)、26万9870円(FE28-70mmF3.5-5.6 OSSレンズキット)
5段分の手ブレ補正機能を搭載。瞳AFや動物瞳AFにも対応し、ブレやピンボケによる失敗を防げます。画素数を約2420万に抑え、裏面照射型にしたことで高感度撮影に強いのも魅力です。
【瞳AF・動物瞳AF対応】 【4K30p動画対応】 【最高約10コマ/秒】 【画素ずらし合成機能非対応】
SPEC●画素数:約2420万画素●マウント:ソニーEマウント●常用ISO感度:100〜51200●モニター:3型約92.2万ドット(上下チルト式、タッチ対応)●EVF:約236万ドット、約0.78倍●サイズ/質量:約W126.9×H95.6×D73.7mm/約650g
【買いのワケ】強力なボディ内手ブレ補正と本格的な動画撮影機能が◎
ボディ内5軸式手ブレ補正と優れた高感度性能により、暗めの室内撮影などでも安心。本格的な4K動画撮影にも対応し、外部マイクや動画撮影対応のリモートコマンダーなど、豊富な動画用アクセサリーも用意されています。
【買い時診断:A】すでに値下がり十分で増税前の購入がおすすめ
発売後18か月が経過し、価格は下げ止まり。少なくとも増税直後は、そのまま上乗せになると思われるので増税前の購入が正解です。
【その3】約6100万画素で連写も速いハイパフォーマンスモデル
ソニー
α7R IV
実売予想価格43万920円(ボディ)
約6100万画素を誇るα7シリーズ最新機。シリーズ4世代目に突入し、高画素でも約10コマ/秒の連写が可能に。リアルタイム瞳AF対応など、注目機能にフル対応で圧倒的なパフォーマンスを誇ります。
【瞳AF・動物瞳AF対応】 【4K30p動画対応】 【最高約10コマ/秒】 【画素ずらし合成機能2億4080万画素】
SPEC●画素数:約6100万画素●マウント:ソニーEマウント●常用ISO感度:100〜32000●モニター:3型約144万ドット(上下チルト式、タッチ対応)●EVF:約576万ドット、約0.78倍●サイズ/質量:約W128.9×H96.4×D77.5mm/約665g
【買いのワケ】画素数だけでなく手ブレ補正など全体的なパフォーマンスに優れる
フルサイズ機としては最高画素となる約6100万画素センサーの搭載は魅力大。AFの速度や精度、約5.5段の手ブレ補正など全体のパフォーマンスも底上げされています。高精細でクリアなファインダーも◎。
【買い時診断:B+】値下がり前だが高価ゆえ増税前の購入もアリ!
徐々に価格は下がると思われますが、10月に上乗せされる増税額が大きいです。価格低下を待たず、増税前に購入するのも十分アリです。
【その4】12コマ/秒連写とクリアなEVFで動きモノに強い!
ニコン
Z 6
実売価格25万320円(ボディ)、34万5090円(24-70mmF4レンズキット)
画素数を約2450万に抑えたことで、約12コマ/秒の高速連写や常用ISO51200の高感度を実現。約0.8倍の広視野なEVFも魅力です。5月のファームアップで瞳AFに対応するなど、性能向上が図られました。
【瞳AF対応】 【4K30p動画対応】 【最高約12コマ/秒】 【画素ずらし合成機能非対応】
SPEC●画素数:約2450万画素●マウント:ニコン Z マウント●常用ISO感度:100〜51200●モニター:3.2型約210万ドット(上下チルト式、タッチ対応)●EVF:約369万ドット、約0.8倍●サイズ/質量:約W134×H100.5×D67.5mm/約675g
【買いのワケ】クリアで広いファインダーと高速連写性能が最大の魅力
約12コマ/秒の連写も魅力的ですが、約0.8倍の広いファインダーが本機の最大の特徴。レスポンスもキビキビとしており、画素数をそこまで必要としないなら被写体を問わず使いやすい1台です。
【買い時診断:A】発売後10か月が経過しており、これ以上の値下げは見込み薄
年末に多少の値下がりは期待できますが、値下げ額の余地はそれほど大きくありません。増税前に買っても損はしないでしょう。
【その5】静止画・動画共に高画質で操作性も抜群の旗艦モデル
パナソニック
LUMIX S1
実売価格32万7670円(ボディ)、43万9670円(24-105mm F4レンズキット)
ライカLマウント採用でライカやシグマの同マウントレンズも使えます。4K60p動画の撮影に対応するほか、9600万画素の静止画撮影が可能な「ハイレゾモード」を備えるなど、質の高い動画や静止画が撮れます。
【瞳AF対応】 【4K60p動画対応】 【最高約9コマ/秒】 【画素ずらし合成機能9600万画素】
SPEC●画素数:約2420万画素●マウント:ライカLマウント●常用ISO感度:100〜51200●モニター:3.2型約210万ドット(3軸チルト式、タッチ対応)●EVF:約576万ドット、約0.78倍●サイズ/質量:約W148.9×H110×D96.7mm/約1017g
【買いのワケ】4K60p撮影に対応しており動画からの画像切り出しも
4K60p動画を撮影可能で、滑らかな動きで撮れます。加えて、連写性能は最高約9コマ/秒ながら、動画からの画像切り出しである「4Kフォト」や約30コマ/秒の「6Kフォト」にも対応。動きモノ撮影にも向きます。
【買い時診断:B-】価格低下が続いており年末まで様子を見てもよさそう
実売価格は少しずつ下がっていて、慌てて買う必要はなさそう。9月末まで様子を見て、値下がり幅が小さければ、年末商戦が狙い目です。
データ協力/価格.com https://kakaku.com/