毎年初春に行われる時計界の一大見本市「バーゼルワールド」が今年もスイスで開催されました。現地取材を通して見えてきたトレンドは、サイズの“原点回帰”。2000年ごろから長く「デカ厚」時計が人気を博してきましたが、いま求められているのは実用的で意味のあるサイズ。機能を削ぎ落としたシンプルな三針モデルでは“41mm”程度が潮流となりそうです。これに該当するトレンドセッターを早速見ていきましょう。
フルセラミックスの光沢に華を添える極薄MOPダイアル
ラドー
トゥルー オープンハート
24万3000円/今夏発売予定
【ケースサイズ:40.1mm】
一体成型されたマットブラックハイテクセラミックスをケースに採用した、ラドー トゥルーの新ダイアル。0.6㎜にまで薄くカットされたマザー・オブ・パール(MOP)越しに、自動巻きムーブメントの姿を確認できます。サイズは直径40.1㎜。世界限定500本。
↑80時間巻きを誇るムーブメントの姿を透過して見せる新手法。水面に映る月のような、幻想的な表情に仕上がっています
新品の審美性を長く保てる費用対効果の高い一本
ハイテクセラミックス開発の先駆者・ラドーのケースは、特に耐傷性に優れます。80時間巻きの高性能ムーブとともに末長く使えるのが魅力です。
ブランド創立55周年を祝うシンプル三針の限定仕様
ジン
556.JUB
22万6800円(予価)/今夏発売予定
【ケースサイズ:38.5mm】
実戦想定の特殊時計を製造するべく誕生したジンの55周年を祝うアニバーサリー限定(1000本)。時分秒針のみの直径38.5㎜モデルをベースに、アンスラサイトグレーダイアルを採用して上品に仕上げました。自動巻きローターには、シリアルナンバーを刻印。20気圧防水です。
↑ドイツブランドらしく、「1961-2016」の記念文言は控えめに配置。高性能でも厚さはわずか11㎜です
機能を絞った三針でもジンならではの高性能
耐衝撃性、耐磁性、防水性のすべてでドイツ工業規格に基づく高性能を誇ります。たとえ三針ウオッチでも20万円代は安すぎです。
完全自社ムーブメントを定番モデルに初搭載
ノモス グラスヒュッテ
タンジェント ネオマティック
42万6600円/7月発売予定
【ケースサイズ:35mm】
ミニマルデザインの三針ウオッチとして絶大な人気を博すタンジェントの新型。直径35㎜の小ぶりケースに細身のラグ、上質なシェルコードバンの組み合わせは、ユニセックスで使いやすいです。搭載するのは、自動巻きながら厚さわずか3.2㎜のCal.DUW3001。ケース厚も6.9㎜と薄くなっています。
↑驚異的に薄い自社製ムーブDUW3001を搭載して40万円以下を実現。微小なひげゼンマイまで自社製です
↑タンジェント ネオマティック シャンパーニュもラインナップ
「ネオマティック」の名を冠した超薄型自動巻き時計
昨年に限定発表された自社キャリバー機「neomatik 1st edition」が定番化。価格が5%強も抑えられました。シャンパンゴールドは+1万円です。
【URL】
ラドー http://www.rado.com/about/materials?lang=ja
トゥルー オープンハート http://www.rado.com/about/news/bw-true-open-heart?lang=ja
556.JUB http://www.sinn-japan.jp/556.jub.html
ノモス グラスヒュッテ http://www.josawa.co.jp/watch/nomos/
タンジェント ネオマティック http://www.nomos-glashuette.com/ja/the-watches/tangente/tangente-neomatik/