気軽に行けてリーズナブルに楽しめるということで、密かに注目を集めている夜の社交場「スナック」。その魅力や楽しみ方を解き明かしていくのが本連載です。今回は最終回となる第4回。ガイド役はスナック研究の第一人者である、⾸都⼤学東京の法学部教授・⾕⼝功⼀氏です。今回もスナックに憧れる40代独身のGetNavi web編集者・小林史於(こばやし・しお)による谷口教授へのインタビューを通し、スナックの楽しみ方を紹介していきましょう。
第1回はスナックの成り立ちをはじめとする基礎、第2回はスナックの現在の課題や未来、第3回はスナックでのマナーと名店を探す方法をお聞きました。最後はより楽しむ方法として、会話の仕方や注文、カラオケの選曲など、マナーを守りながら盛り上がるコツを教えてもらいます!
本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です。連載の第1回、第2回、第3回はコチラ
スナックのボトルは焼酎かウイスキーが基本
小林 前回のインタビューでは、スナックの相場は定番のハウスボトル付きで3000円程度とうかがいました。このボトルというのは、焼酎やウイスキーと考えていいのでしょうか?
谷口 なかにはブランデーを置いているスナックもありますが、普通は焼酎かウイスキーですね。焼酎は、芋や麦で選べる店もあります。飲み方は水割りが基本ですがロックでもOK。別料金になりますが、ソーダ割りやウーロン茶割りでもいいんですよ。
地方では気前よく料理を出してくれる店もある
小林 おつまみに関してはどうですか?
谷口 乾きものはたいていどこでもありますけど、料理は店によってまちまち。スーパーの総菜をそのまま出すところがあったり、一方で毎日内容を変えたママの手料理を小鉢で出してくれる店があったり。こういった、料理が好きなママは地方に多いイメージですね。何種類もお総菜を作って並べてあって、何も言わなくてもガンガン出してくれる気前のいいスナックもありますよ。
小林 へえ、京都のおばんざいみたいな感じでいいですね!
谷口 しっかり食べられて、1次会も2次会も一軒で済ませられるようなスナックは割とあるんですよ。東京には少ないですけど。
小林 地方に多いということは、現地ならではの名産が楽しめるスナックもあるんじゃないですか?
谷口 はい。大いにあります。たとえば東北に行くと、都会では高そうなホタテやイカの刺身が普通にお通しで出てくることもあるんですよ。
小林 料金はそういったおつまみも込みの値段なんですか?
谷口 基本的にお通しは込みですね。席料にお通しが含まれているという形です。とはいえ、自動的に料理が出てくる店は例外として、お通しとは別にメニューが用意されているスナックもありますよ。ただ、スナックでたくさんの料理をオーダーするのは控えた方がいいでしょう。ケースバイケースですが、少人数で回している店が多いですから、手間になることは控えたいですね。なかには持ち込みや出前をしていいスナックもあるので、それらを利用する手もあります。とはいえ、基本的にはスナックに行く前に食事は済ませておくべきですね。