9月のアップルの発表会でローンチが発表されたサブスクリプション型(定額制)のゲームサービス「Apple Arcade」は、月額600円(初月は無料)で100を超えるタイトルが遊び放題となる注目の新サービス。日本でも9月20日よりサービスインしており、iPhoneやiPad、Apple TV、Macなどの対応デバイスでプレイすることができます。
従来から定額制のゲーム配信サービスはありましたが、アップルが手掛けるからには、ほかのサービスと同じものを提供するわけがありません。Apple Arcadeには、他社との差別化を図る大きな特徴が6つあります。
まず、アップルならではのエコシステム思想が感じられるのが、「1つのサブスクリプションですべてのゲームが遊べる」ということ。Apple Arcadeにはローンチ時で100タイトル以上のゲームが用意され、すべてのタイトルをApple Arcade内でプレイすることができます。例えば、定額制だけど本当に定額の範囲内で遊べるタイトルは限られている、とか、スマホとPCで同じタイトルをプレイしようと思うと、それぞれのデバイスから個別にゲームを購入しなければならない、ということをなくし、Apple Arcadeを契約するだけでスマホでもPCでもApple Arcade内のゲームをすべて定額の範囲内で遊ぶことができます。外ではスマホでプレイし、家に帰ったらテレビやPCの大画面で続きを遊ぶ、ということも可能。ゲームをダウンロードすればオフライン環境でも遊べます(一部タイトルではインターネット接続が必要)。
また、すべてのゲームには広告がなく、スマホアプリゲームによく見られる“遊ぶのはタダだけど、キャラやアイテムを手に入れるには課金が必要”といった追加課金要素もありません。月額600円だけで、Apple Arcade内のすべてのゲームをすみずみまで遊び尽くすことができます。これならお子さんにプレイさせる際も安心ですね。また、1つのアカウントで家族6人までアクセスできるので、家族の人数分だけ料金が発生することもありません。お子さんがゲームに夢中になりすぎないように、機能制限をかけられるペアレンタルコントロールやスクリーンタイムの設定も行えます。
さらに、プライバシー問題に力を入れているアップルらしく、ゲーム中の個人情報を共有するかどうかも設定することが可能。オンライン上で他のユーザーと遊ぶ際に、こちらのプライバシー情報を明かさずにプレイすることもできます。
このように、Apple Arcadeは従来のゲーム業界のスタイルとは異なった特徴を備えた、新しい形のゲーム配信サービスと言えます。
レースゲームからRPGまで注目タイトルを一挙に紹介
続いて、現在開発中のものを含め、いくつかの注目タイトルを紹介しましょう。
深海が舞台の2Dアクションゲーム「深世海 Into the Depths」
カプコンが手掛けるアクションゲーム「深世海 Into the Depths」は、現代文明が滅亡したあとに、一人取り残された主人公が深海を探索するというアポカリプティック(終末世界的)な世界観が特徴。深海を舞台にしているため、酸素の残量やボンベの耐久性といった要素が重要となるほか、探索中に見つけたアイテムを使うことで潜水服をレベルアップさせ、より深いところまで行けるようになるなどの仕掛けも用意されています。
リアリティを演出するためにゲーム中のサウンドや効果音は水中で録音していたり、水中ならではの浮遊感を感じさせる操作性にこだわっていたりと、世界観がしっかりと作りこまれており、プレイヤーをゲームの世界に没入させるだけの深さを備えています。
プレイしてみたところ、どことなく往年の2Dアクションゲームのような雰囲気を感じさせ、遊びながら懐かしい気持ちになりました。小さいころにファミコンやスーパーファミコンのゲームに夢中になった世代に遊んでほしいタイトルです。
セガらしいスピード感が楽しめるレースゲーム「ソニックレーシング」
続いては、セガの人気キャラが登場するレースゲーム「ソニックレーシング」。こちらは、左右のハンドル操作やアイテムの使用などタッチ操作を意識したシンプルな操作感ながら、個性的なアイテムやステージ内の仕掛けが多数用意され、戦略的に遊べる奥深さも兼ね備えたゲーム性が秀逸! 2人プレイやオンライン対戦も可能で、一人でも家族みんなでも楽しめます。
セガならではのスピード感と美麗なグラフィックに圧倒され、これスマホのゲームなの? と驚くこと間違いなし。ぜひ、大画面で遊んでみることをオススメします。
スクエニが手掛ける日常生活にも注目したRPG「VARIOUS DAY LIFE」
じっくりゲームを楽しみたいという方にオススメなのが、スクウェア・エニックスが手掛けるRPGゲーム「VARIOUS DAY LIFE」。主人公は新大陸に移植者として入植し、大陸の謎を解き明かすというストーリーはありがちですが、オリジナリティを感じさせるのは、日常生活を題材にしていること。一般的なRPGのように、敵を倒して経験値やお金を稼ぐのではなく、毎日仕事をしながらお金を稼いだり技を覚えたりしてキャラを育成するという、冒険していないときの日常生活の面にもフォーカスを当てているところがユニーク。外出時はスマホでキャラに日常生活を送らせながら育成し、帰宅したら育てたキャラでじっくり冒険を楽しむ、という遊び方ができます。
また、フリートゥプレイ系の作品に多い「ストーリーに終わりがなく、いつまでも無限に遊べる」というゲームとは一線を画し、ストーリーがしっかり完結し、クリア後の達成感を感じられるゲーム設計になっている点も見逃せません。
今後も注目タイトルが続々登場
このほか、近日配信される開発中のタイトルとして、「Takeshi and Hiroshi(タケシ アンド ヒロシ)」、「Guildlings(ギルディングス)」もちょっとだけ体験することができました。
「Takeshi and Hiroshi」は、中学二年生の主人公タケシと、その弟ヒロシが登場する一風変わったタイトル。ゲームプログラマーを目指すタケシが、弟のヒロシを楽しませるためにゲームをリアルタイムでプログラミングするというような設定で、ヒロシのドキドキ感や楽しさが重要な要素となっています。
「Guildlings」は、主人公がスマホを通じて家族や友人を操作するという設定のアドベンチャー要素のあるRPG。独特の雰囲気があるグラフィックにも注目です。
このように、Apple Arcadeには世界中のゲームメーカーが多数参加してゲームタイトルを提供しており、なかにはApple Arcadeでしか遊べないオリジナルタイトルも用意されています。ゲーム業界に衝撃を与えたアップルの新サービスが、今後ゲームファンに受け入れられていくのか注目が集まります。
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