イタリア人といえば、マンマの手作りトマトソースの山盛りスパゲティをブオーノブオーノと頬張る…なんてイメージは、もはや神話。イタリアでも、糖質制限は食事系ダイエットのデフォルトで、(少なくとも体型を気にする社会階層にいる)多くのイタリア人がパスタを避けたり、ビクビクしながら食べています。でも実は、パスタは太りにくいうえ、「幸せを感じる」ためにもむしろ不可欠らしい!? イタリア人内分泌学者と栄養士が勧める罪悪感を感じないパスタの食べ方をご紹介します。
パスタを茹でた後に洗う!?
食べた後の血糖値の上昇と肥満の関係は、広く知られているところですよね。糖質ダイエットの要は、GI値(血糖値の上昇度合いを示す数値)。GI値が高い食品ほど、血糖値が急激に上がりやすく、結果的に体内への糖の吸収を増やし肥満につながりやすいとされています。高GI値の代表的なものが白米ですが、実はパスタは意外とGI値が低く、“太りにくい炭水化物”。
太りにくいとはいえ、そりゃ食べ方にもよりましょう。と考えるのは人の性。「夜は食べない」「具なしで食べる」など、イメージに寄ったパスタ制限をしちゃってるイタリア人ダイエッターも多いもの。主食を制限するって、日本人が白米を食べられないくらいにツライことだけに、食べられるものなら食べたいわけで、では、どう食べるのが良いのでしょう?ということに着目した記事がこちらです。
【その1】できれば全粒粉パスタを選ぶ
白米と玄米を比べても玄米は格段にGI値が低いので、「パスタもそりゃそうでしょうね」としか言えない提案ではありますが、改めて言われると心に響きます。
【その2】アルデンテに茹でて水洗い
え? 水で洗う!? うどんもそばも茹で上がりに冷水にさらす日本人にとっては「へー」ですが、伝統的に茹で上がりのパスタを水で締めたりはしないので(冷めてまずい!)イタリア人には衝撃的。炊き上がりの輝くほかほかの白米を水にさらすようなもの……。
“同じパスタでも茹で時間が長い方がGI値が上がり、またパスタに付着したでんぷん質を洗い流すことでさらにGI値が下がる”そうですが、水で洗う勇気と美味しく食べる諦めを天秤にかけたなかなかの提案です。
【その3】アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノがベスト
“具なしより、ニンニクと唐辛子で脂肪の燃焼と代謝アップ。” 茹でて水洗いしたパスタを、空腹感を抑制するオレイン酸を含む”良質なエクストラ・ヴァージンオリーブオイルを大さじ一杯で軽く炒めるのがコツ”(地味ですけど、なるほどです)。
【その4】パスタの前に野菜を摂取
“オリーブオイルで味付けしたサラダか、炒めるか焼いた野菜(茹で野菜はNG)を食べて、血糖値の急上昇を防ぐ。”
そして、朗報。
【その5】夜に食べるとリラックス効果がある
“パスタを夜食べることは、悪いことでない。セロトニンやメラトニンの分泌を促進させ、リラックスして良い睡眠が得られる。同時に食欲を増進させるストレスホルモン・コルチゾールが抑制され、痩せやすくなる。結果的に痩せる”。とのこと。
幸せホルモンや睡眠ホルモンと呼ばれるセロトニンやメラトニン。幸せな眠りを誘ってくれるうえに痩せるなら、むしろ食べた方が良さそうですね!?
極端な糖質制限は健康リスクがあると言われています。糖質もある程度は必要な栄養素だから、制限より食べ方をひと工夫。全国の悩める糖質制限ダイエッターさまのご参考になれば!
ちなみに、最近は制限系よりクロノダイエット(イタリア人医師により考案された1日の各種ホルモン分泌の変動量と栄養との関わりに着目したダイエット)が再注目されています。