「ワークウェアスーツ(以下WWS)」ってご存知ですか? 一見するとスーツ。でも、実は作業着。そんな服があるんです。 それがオアシススタイルウェアが作り出した「WWS」です。
「WWS」を生み出したオアシススタイルウェアの親会社は、なんと水道工事をする会社。作業員がプライドを持って仕事をするためにどうしたらいいのか、そんな発想から生まれたのが「WWS」なんだそうです。
ポイントは作業着と同様にタフで洗濯機で洗えること、アイロンいらずでさっと着られて、どんな姿勢も取れるようにストレッチが効くこと、そしてたっぷりな収納性です。近年、機動性スーツが流行っていますが、単なる機能性ではなく、作業の現場で求められる機能を実現したスーツなんです。
そこで早速、海外取材に来て行きました。9月上旬にドイツベルリンで開催された家電見本市「IFA 2019」です。そこで約10日間の海外取材で感じた「WWS」の着心地と便利な機能について紹介していきましょう。
そもそも、海外の展示会取材では10時間を超えるフライトに加えて、毎日、カメラやノートPCなど、重い荷物を持って一日中、展示会場を歩き取材、撮影を行います。
また、ときにはメーカーの偉い方々との会食に呼ばれることもあり、できるだけ楽な格好で行動したいのと同時に、ある程度フォーマルな場でも違和感のないファッションが求められるのです。
普段からスーツで活動しているなら、海外取材もそのままのファッションで対応できますが、20年以上フリーランスとして活動してきた筆者はジャケットスタイルにすら慣れておらず、スーツで海外取材にいくのはなかなかに抵抗がありました。
そこで、「WWS」を紹介されたというわけです。早速、ジャケットから。選んだのはテーラードジャケットの L サイズ。 恥ずかしながらおなか周りはややきつかったのですが、肩周りや袖の長さがぴったりでした。
袖を通してみると、ストレッチが効いているのが分かります。腕を上げたり、振り回したりしても、背中を強く引っ張られる感覚がありません。生地はポリエステル100%。軽くてカジュアルに見られる印象です。これと揃いのフルレングスストレートパンツ(L)を履いてドイツに向かいました。
たっぷりのポケットで高い実用性に惹かれます
最初のハードルはWWSを着て約12時間、トランジット地のイスタンブールまでのフライトです。ジャケットは脱いで荷物入れに入れておきました。パンツもジャケットと同じくストレッチが効いているため、非常に快適。しかもウエストの後ろ側はゴムになっているため、長時間履いていても苦しくなく、寝るときにベルトを緩めるといったことが必要ありませんでした。
また、パンツの右側にはジップ付きの大口サイドポケットが配置されており、ここに旅行の日程メモや、eチケットのプリントアウトなどを、折りたたんで入れておけるのが便利。おしりポケットもジップ付きなので海外でも安心。Dカンもついているので財布などをチェーンで結んでおくこともできます。
展示会が開催されているドイツ・ベルリンに着いてからは、ほぼ毎日ホテルから会場までWWSを着て行っていました。ジャケットは非常に軽く、それでいて肌寒い9月のベルリンの夜の気温にもバッチリ。
ジャケットには大小7つのポケットがあり。サイドポケット、胸ポケットともにジップが着いているのもうれしい点です。
「助かった!」と思ったシーンがありました。ベルリンの名物B級グルメといえばカリーブルストです。ソーセージにたっぷりのケチャップとカレー粉が掛かったローカルフード。これを数回食べたのですが、あるとき袖にケチャップをたっぷりとこぼしてしまいました。
「WWS」は丸洗いできるのが特徴ですが、さすがに海外でスーツを洗うのはなかなかのハードルです(ベルリンにはコインランドリーがあります)。
どうしようかと思いながらティッシュでケチャップを拭ったところ、撥水加工のおかげでほとんど染みこんでいなかったんです。雨をはじくだけでなく、汚れをもはじいてくせいでくれる。これもWWSだからこそだと感じました。
あとはホテルに戻って触れたタオルでしっかりと拭くだけ。速乾素材なので翌日には乾いていました。
朝から晩までWWSを着て取材、そして食事。時にはベルリンでサービスが展開されている電動アシスト自転車や、電動キックボードに乗ったりもしましたが、WWSはストレッチが効くため、そんなアクティビティも難なくこなすことができました。
帰国後もWWSは普段使いに活用しています。季節柄寒くなってきましたが、新たにWWSと同じコンセプトの「究極の出張コート 」が登場。ストレッチや軽量、撥水・速乾に対応しており、これも便利そうです。
スーツの素材やシルエット、ブランドなどにこだわるのではなく、実用性を重視したいならWWSは十分にありだと感じました。実際に着心地の良さと利便性の二つで、その後の海外取材にもよくWWSを着用しています。気軽に着られて、フォーマルにも対応できる。それがWWSの魅力といえるでしょう。