2019年のベビー用品業界で最も重要な出来事の1つといえば、液体ミルクの製造・販売解禁。欧米では1970年代から使われていますが、近年頻発する自然災害などを背景に日本でも3月から赤ちゃんに液体ミルクをあげられるようになりました。災害時や外出時における授乳をラクにしてくれる液体ミルクにはまだ使いにくい部分もありますが、早くも進歩の兆候が見られます。そのひとつが、先日発売された「チュチュ 紙パック用乳首」。これを使えば、液体ミルクだけでなく家族も変わりそうです。
11月29日、育児ブランドのチュチュは、五反田のアカチャンホンポTOC店で江崎グリコと一緒に紙パック用乳首と乳児用液体ミルクの勉強会&体験会を開きました。このイベントには7組の親子が参加。ママが実際に紙パック用乳首を使って赤ちゃんに液体ミルク(アイクレオ)をあげてみると、多くの報道陣に注目されているにも関わらず、赤ちゃんはゴクゴク飲んでいました。
この紙パック用乳首には大きな特徴が2つあります。
①使い方が簡単
従来の液体ミルクは大抵、紙パックから哺乳びんに入れ替えなければなりませんでした。乳児はストローもうまく使えず、コップなどにも慣れていません。しかし、この新しい乳首は液体ミルクの紙パックの耳を起こし、そこに差し込んで、ストロー口にノズルを押し込むだけで、赤ちゃんはミルクを飲むことができるようになります。
哺乳びんに粉ミルクとお湯を入れて調乳する手間も省けるので時短になるのもポイント。もし赤ちゃんが嫌がって泣かなければ、パパ・ママの代わりにおじいちゃん・おばあちゃんがミルクをあげることも簡単になりますね。
チュチュの哺乳びんの乳首自体も便利な設計になっています。同社の製品は一般的な乳首と同じようにシリコーンゴム製ですが、違いは「スーパークロスカット」。赤ちゃんの吸う力に応じてミルクを飲む量が調整できる仕組みになっているんです。一般的に乳首は月齢に応じてサイズを変更することが推奨されていますが、チュチュの乳首にはワンサイズで幅広い月例に対応することができるという使い勝手のよさがあります(煮沸・薬液・電子レンジといった消毒方法に対応しているので、長持ちさせるには複数個を清潔に使い回すのが◎)。
②外出時の荷物が減る
液体ミルクを使わない場合、粉ミルクやお湯の入った魔法びんを持ち運ぶことがよくあります。そのため荷物がかさばり、重くなるうえ、心理的なハードルも高くなりがち。でも、液体ミルクと紙パック用乳首はそれぞれコンパクトで軽いので、チュチュによれば、粉ミルクやお湯などを持ち運ぶときの荷物と比べて、重さは5分の1に減るそうです。赤ちゃんを連れてお出かけに行くのも気楽になりますね。
そんな紙パック用乳首は、液体ミルクの弱点を補う可能性もあります。液体ミルクの相場は1個200円程(例えば、アイクレオは125mlで税込216円)。台風や休暇前にはたくさん売れる傾向があるそうですが、粉ミルクのほうがコスパがよいため、「液体ミルクは割高で、なかなか買えない」という声があります。しかし、もし利便性に優れたチュチュの紙パック用乳首(税込550円)がそんな見方を変えることができれば、液体ミルクはもっと普及するかもしれません。「育児でラクできるところはラクしていい」と江崎グリコの管理栄養士・子育てアドバイザーの中村理恵さんは言います。
今回のイベントにママと5か月の妹と一緒に来ていた6歳の男の子は「チュチュ 紙パック用乳首は簡単に使えた。これを使えば僕にでも妹にミルクをあげられそうだ」と言っていました。紙パック用乳首を使えば、おじいちゃんおばあちゃんだけでなく、小さい子どももママ・パパのお手伝いができるようになるんですね。「家族みんなでハッピーな育児」がコンセプトのチュチュだけあって、それを体現したこの乳首は子どもの徳育にもよさそうです。