GSMアソシエーションが主催するアジア最大級のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)上海2016」が2016年6月下旬に開催されました。前回のレポートでは、会場内で注目を集めていた製品を紹介しましたが、今回は注目度はそれほど高くはなかったものの、チェックしておきたい3つのアイテムをご紹介いたします。
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さて、今回のMWC2016では、「VR(ヴァーチャルリアリティ)」や「ドローン」を展示するコーナーが設けられていました。中でも、注目度が高かったのは、VRのコーナーに展示されたヘッドマウントディスプレイ「HTC Vive」。VRの展示場では、Viveを活用したゲームコンテンツがたくさん並び、体験コーナーに長蛇の列ができていました。同会場の展示においては、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)として事実上9割以上をViveが独占している状態。ハードウェアーが定まった分、コンテンツ市場が盛り上がりを見せていました。
1.世界最小を謳う360度カメラ
そんなVRコーナーに展示されていたのが、「世界最小」を謳うコンパクトな360度カメラ「Nico360(ロゴだと「c」が左右反転)」です。提供していたのは、「Primeson」というスタートアップのメーカー。
↑WQHD画質で360度撮影が行える「Nico360」
クラウドファンディングサイト「Idiegogo」を通じて購入できる商品として紹介されており、取り扱い時期は7月からになるとアナウンスされました。2017年の夏に発売を予定しているそうです。価格はUSDで150ドル(執筆時点でのレートでおよそ1万5千円)となります。
本体サイドには、ボタンやUSB挿入口がついているだけ。レンズ部分のみが少し飛び出したシンプルなデザインが採用されています。カメラとしては3200万画素のセンサーを搭載。1440ピクセル、つまりWQHD相当の画質で撮影ができます。バッテリー持ちについては、動画撮影で連続2時間の稼働が可能とのこと。VR市場が盛り上がれば、こうした360度カメラの注目度も益々高まっていくかもしれません。
2.燃料電池のモバイルバッテリー
CES2016でも展示されていたものですが、スウェーデンのメーカー「myFC」が提供する燃料電池モバイルバッテリー「JAQ」も注目の商品です。片手で握れるサイズで、「パワーカード」と称するカードを挿入して使います。
↑JAQは片手で握れるサイズ。本体にパワーカードを差し込んで使う
パワーカードの中には、水と塩が含まれており、化学反応によって電力を抽出する仕組みです。カードは使い捨てで、容量別に900mAh、1800mAh、2500mAhが用意される予定。
↑USB経由でスマホに充電できる。目安としてはiPhone 6sを一回充電できるかどうかというところ
主な発売予定地域は、スウェーデンなどヨーロッパや、中国だとアナウンスされました。8〜9月に発売予定で、カードの価格目安は1枚1.5ユーロほど。ただし、日本での販売は未定とのこと。
3.塗る保護ガラスと分厚い保護ケース
イギリスのメーカー「COMTOOLZ」が提供していたのは、スマホやタブレット、スマートウォッチなどのディスプレイを保護する「Glass-Guard」という商品。ナノ繊維を含む液体をディスプレイ表面にコーティングすることで、強度を高めます。SiO4とSiH4を含む配合が同社のオリジナルで、耐久性に優れるとのことでした。
メリットは端末の形状にとらわれず、様々なデバイスに使用できること。説明員の方に「どうやって剥がすのか?」と質問したところ、「剥がす必要はない」と返答されました。
同製品は2016年3月に既に発売されているため、「Amazon.co.jp」から購入可能。スマホ用が19.99ドル、タブレット用が29.99ドル、ウオッチ用が14.99ドル(全てUSD)となります。際立った目新しさはないものの、スマートウオッチにも使える汎用性の高さに注目です。
ちなみに同社提供するケース「XEL2」を同時に使えば、よりしっかりスマホを保護できます。柔らかいバンパーをつけたような感触で、デモンストレーションでは、頭の高さからiPhoneを床に落としていましたが、全く無傷でした。
↑同社が提供するケース「XEL2」を装着したiPhone
レポート・その3では、MWC上海について、その概要をお伝えいたします。