いい条件の物件があって引越ししたいんだけど、“北向き”なんだよなあ……。
日当たりのいい南向きの部屋は人気がある一方で、北向きの部屋は、日中でも薄暗く、なんだか寂しげなイメージがあり、敬遠されがち。でも、インテリアのちょっとした工夫で、明るく居心地のいい空間にすることができます。今回は、インテリアコーディネーターの荒井詩万さんに、北向きの部屋のマイナスイメージを払拭するような、快適な空間づくりを教えていただきました。
北向きの部屋にもメリットがいろいろ
実際、真北を向いた部屋は少ないものの、北東や北西など、北方面に向いた部屋は多くあります。そういった北向きの部屋には、日中でも日差しが入らず、ひんやりとした冷気に覆われ、湿気がちなど、ネガティブな要素が付き物です。冬は暖房が欠かせず、日中でも照明をつける必要があり、南向きの部屋よりも光熱費が多くかかることも気になりますが……。
「敬遠されがちな北向きの部屋ですが、ぜひメリットにも目を向けてもらいたいですね。窓からの日差しが入ってこないことにより、晴れた日は、部屋の中から眺める外の景色はくっきりとしていて、空は青色が綺麗に見えるはず。また、直射日光が入らないことで長時間安定した明るさが続くので、書斎や勉強部屋に向いていますし、家具の日焼けが起こりにくく、夏は涼しく過ごせます。賃貸物件の場合、日当たりが悪いことで、家賃が安めに設定されがちなのも魅力ですね」(インテリアコーディネーター・荒井詩万さん、以下同)
北向きの部屋の魅力がわかると、負の印象が和らぎます。
「明るい南向きの部屋と比べると、『暗い』『寒い』『ジメジメする』という3大ネガティブ要素が目立つので、マイナスイメージは強くなってしまいがちです。ところが、インテリアを工夫することで、これらを改善し、心地よい空間にすることができるのです。立地のいい北向き寄りの物件や、自宅の中にある北側の部屋を、ひと手間かけることで、快適な空間に変えていきましょう」
ではさっそく次のページで、北向きの部屋をポジティブな空間に変える5つの方法を教えていただきましょう。