いつもとは違う大型連休。都知事が今年のゴールデンウィークを「ステイホーム週間」とするなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止として、世界各国が外出自粛を呼び掛けています。そんななか、ほぼ1年間ISS(国際宇宙ステーション)に滞在した経験のある元NASAのスコット・ケリー宇宙飛行士が、隔離された空間のなかで過ごすコツについてアメリカのメディアで語り話題となっています。限られた場所でもストレスをできるだけ少なくして、楽しみながら生活を送るための5つのコツをご紹介しましょう。
1: スケジュールを立て、その通りに行動する
ISSに滞在しているときケリー宇宙飛行士は、8時間に及ぶ船外活動から、わずか5分でできる実験の花の観察まで、起床から就寝まで細かく毎日のスケジュールが決められていたと言います。限られた場所での生活では、そんな決められたスケジュールをこなしていくことが、大切。「自分ではコントロールできない環境下にあるなか、決まったスケジュールを行うことはキーとなる」と、ケリー宇宙飛行士は話しています。ちなみに毎日決まった時間に眠ることも重要。質の良い睡眠をとることは、メンタルや対人関係にも影響すると、NASAの科学者が認めています。
2: 趣味を楽しむ時間を作る
スケジュールのなかには、ぜひ趣味を楽しむ時間も入れましょう。先が見えない日々のなかでモチベーションを維持するためには、何かに没頭できる時間が必要となります。ケリー宇宙飛行士は、本を持参して読書する時間を作っていたそう。またカナダのクリス・ハドフィールド宇宙飛行士はギターを宇宙に持っていき、デヴィッド・ボウイの名曲 「Space Oddity」を歌い披露したことで有名です。
3: 日記を毎日書く
NASAは宇宙ステーションのような閉鎖空間で人が長期間過ごすことについて研究を続けていますが、そのなかでも日記をつけることの効果に着目しているそう。ケリー宇宙飛行士も宇宙に滞在している間、毎日のように記録を付けていたそう。日記を書くことで、広い視野で物を見れるようになるし、後から当時の日々を振り返ることもできます。
4: ネットを利用して友だちや家族とつながる
最新テクノロジーが発展したおかげで、宇宙と地球を動画で手軽につなげることができるようになりました。ケリー宇宙飛行士も宇宙から家族や友だちへ欠かさず連絡をとり、メンタル面の健康を維持していたと言います。新型コロナの感染対策のため、同じ家で暮らす家族以外の人とは、簡単に会うことはできないかもしれません。でもZoomやメッセージアプリ、電話などを利用して、友だちや離れて暮らす家族ともつながる時間をとることを、彼は勧めています。
5: ルールの範囲内で外へ出よう
厳しい訓練を行ってきた元NASAのスコット・ケリー宇宙飛行士でさえ、宇宙に滞在している間に最もやりたかったことに、「外に出て自然を感じること」を挙げています。何か月も閉鎖空間にいると、自然の緑や太陽の温かさを感じたり、自然に触れたりすることを恋しく感じたそう。だから現在、外出自粛の環境で暮らしている方も、もし可能なら1日に1回、短時間でも外に出てみることがいいそう。そのときは人と人が集まるようなことはせず、2メートルほどのソーシャルディスタンスを維持して、自分と周囲の人を守ることを忘れずに。
宇宙飛行士ですら「1年間ISSに滞在することは、簡単なことではなかった」と述べています。私たち一般人がいきなり自宅に長期間閉じこもって生活することも同様でしょう(宇宙にいるよりはマシかもしれませんが)。外出自粛のような新型コロナウイルスの感染予防対策は、長期化する可能性もあると言われています。宇宙で苦労した宇宙飛行士が勧める方法はどこかで役に立つかもしれません。