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2020/5/12 6:00

キャンピングカーを医療現場で活用するーー「バンシェルター」の取り組みに迫る

新型コロナウイルス感染拡大にともなう外出の自粛で、キャンピングカーや車中泊仕様のクルマを持っていても出かけることができない人がほとんど。そんななか、こうしたクルマを医療現場に無償で貸し出し、休憩所や病床として活用してもらおうという「バンシェルター」の取り組みがスタートしました。

 

キャンピングカーを使って感染症の早期収束を支援

バンシェルターを運営するのは車中泊スポットを探せるサービスや、キャンピングカーのシェアリングサービス「バンシェア」を手掛けるCarstay株式会社とクルマでの”旅ライフスタイル”を提案する株式会社CarLife Japan。新型コロナウイルス感染症によって病床や休憩所、検査スペースなどが不足している医療機関に向けてバンシェアの枠組みを使って、キャンピングカーやキャンピングトレーラーを貸し出すというものです。

↑「バンシェルター」の支援概要。キャンピングカーを医療現場で活用できるよう無償で貸し出す

 

キャンピングカーの利点は、ある程度隔離されたプライベートな空間であることと、そのまま移動することが可能なこと。本格的なモデルであればベッドがあることはもちろん、水道やトイレなども備えています。病床や休憩所などを新たに設置するには時間がかかりますが、キャンピングカーであれば導入も簡単で収束後には元の持ち主のもとに返すことができます。海外では、国外からの帰国者の隔離スペースとして活用されている事例もあるとのこと。

↑キャンピングカーや車中泊カーのメリットを活かせるプロジェクト

 

 

医療機関への貸し出し期間は約1か月を予定しており、台数は2台〜。実際に4月10日より神奈川県の川崎市立井田病院に導入されており、その後も4つの医療機関に合計8台の導入が決まっています。そのため、運営側ではサポートするエリアを今後、関東から全国へ拡大していく方針です。

↑川崎市立井田病院ではキャンピングカーとキャンピングトレーラーをそれぞれ1台ずつ導入

 

↑外部からの電源を引き入れることができるので、車内で電気を利用可能

 

保有しているキャンピングカーを提供できる

このプロジェクトでは、合計100台以上の車両を提供することを目指しており、キャンピングカーの保有者やレンタル会社に協力を呼びかけています。国内でのキャンピングカーの保有台数は約12万台と過去15年で2倍に増加しているとのこと。外出自粛を受けて遊休状態のキャンピングカーをプロジェクトに活用することができます。(バンシェア車両登録サイト:https://carstay.jp/ja

↑クラウドファウンディングサイト「CAMPFIRE」では同プロジェクトを支援することが可能

 

また、このプロジェクトを支援するためのクラウドファウンディングもスタートしています。約2万円で1台のキャンピングカーを提供可能となるとのことで、合計1000万円の資金調達を目指しています。5月初旬ですでに300万円以上の支援が集まっていました。

(CAMPFIRE サイト: https://camp-fire.jp/projects/view/257173

↑約2万円の支援で1台のキャンピングカーを医療機関に提供できるようになります

 

ベッド・水・電気などの生活インフラを備え、移動可能なプライベート空間というキャンピングカーのメリットを社会貢献に活かせるこのプロジェクト。再び車中泊やクルマ旅を楽しむことができる社会を取り戻すことが目的です。普段からクルマを楽しんでいる人、外出自粛期間が開けたらバンシェアのサービスを利用して車中泊を楽しみたいと考えている人は支援を検討してはいかがでしょうか。

 

 

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