アウトドアやキャンプで楽しむお酒はまた格別。 大自然のなか、火照った身体によく冷えたチューハイなどのお酒を飲む幸せが忘れられない……という方も多いはず。ただ、いざ乾杯となってお酒がぬる~くなっていたら、その幸せも半減してしまいますよね。アウトドアは設備が限られているだけに、家庭で飲むときとは違った工夫が必要になります。そこで今回は、アウトドアの達人・菅井志門さんに協力を依頼し、⼭梨県白州にある菅井さんのプライベートキャンプ場「日向山ベース」を訪ねました。菅井さんに実践を交えて「アウトドアで美味しく飲むための方法」を紹介していただきます!
※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です
【教えてくれたのはこの人!】
方法その1
クーラーボックスでお酒を“キンキン”に冷やす
お酒を冷やすとき、クーラーボックスの使い方を工夫すると劇的な効果が得られます。なお、2020年の夏は猛暑が予想されていることもあって、お酒は冷えているほうが美味しく感じるはず。というわけで今回は、適度な冷気を長持ちさせるのではなく、クーラーボックスで“キンキン”に冷やす方法を教えてもらいます。
「まず第一に、外からの温かい空気を徹底的に遮断することを考えましょう。具体的には、地熱が伝わらないよう、キッチンラックなどを使ってクーラーボックスを地面から浮かせること。もうひとつは、内壁を保冷剤でぐるりと囲むようにして置くことです」(菅井さん)
加えて、氷が長持ちするよう、クーラーボックスに水は入れず、氷は袋のまま入れるのがオススメとのこと。また、冷気は下に落ちていくので、氷はドリンクの上を覆うように置くのがポイントです。
「あとは、クーラーボックスの中に100円ショップなどで買える銀マットをかぶせておけば完璧。開閉したときに、冷気が逃げるのを防ぐことができます。特に子どもがいる場合、意味なくフタを開けたり閉めたりしますからね(笑)」(菅井さん)
小一時間後、クーラーボックスのドリンクを触ってみると、たしかによく冷えている! これなら最高の状態でお酒が楽しめますね。
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方法その2
おいしく飲むためのアイテムを選ぶ
せっかくクーラーボックスでお酒を冷やしたのだから、その冷たさをキープしたいもの。また、美味しく飲むにはおつまみが美味しそうに見えるのも重要、ということで、ここでは缶用の保冷グッズと雰囲気を高める食器を紹介していただきます。
「1杯目のお酒は、乾杯の雰囲気を楽しむためにもグラスで飲みたいところ。アウトドア用として壊れにくくおしゃれなグラスも発売されているので、チェックしてみてください。一方で、2杯目以降は飲むスピードが落ちて缶がぬるくなり、ぬるいと美味しくないからお酒が進まない……という悪循環に陥りがち。それを防ぐために、断熱性のある素材で缶を覆い、温まるのを防ぐ保冷缶ホルダーや缶クージーといったアイテムが便利です」(菅井さん)
続いて、おつまみを美味しそうに見せてくれるアイテムを教えてもらいましょう。
「ぜひ『食器としても使える調理道具』を使ってみてください。アウトドアならではの豪快さやシズル感が高まりますよ。その点、ニトリのスキレットやイケアのまな板は、価格も手ごろで見栄えも文句なし。荷物を減らし、洗い物を減らして環境を守るという意味でもオススメです」(菅井さん)
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方法その3
美味しいおつまみをほったらかしで作る
大のお酒好きで、アウトドアの料理は「お酒に合うかどうか」で決めるという菅井さん。最後に、アウトドアならではの美味しいおつまみの作り方を教えてもらいましょう!
「焼肉なら家でもできますが、せっかくアウトドアを楽しむなら、いつもとちょっと違う料理をやってみたくないですか? とはいえ、手間がかかって遊ぶ時間やくつろぐ時間が無くなるのは考えもの。そこで、本格的に見えるのに、ほったらかしでできるおつまみを2つ紹介します。ひとつは『かんたんローストポーク』。もうひとつはダッチオーブンを使った『かんたん無水ローストチキン』。どちらも基本的に放っておけばOKですし、何よりお酒に合うんです(笑)」(菅井さん)
「かんたんローストポーク」は、肩ロースや豚バラなどのかたまり肉の表面をフライパンなどでよく焼き、アルミホイルとラップ、ビニール袋で包んで沸騰させた鍋のお湯に投入。この状態で放っておけば完成します。肉を温める時間は約1時間が目安ですが、しっかり火が通るよう、最初は保温する時間をやや長めにとって様子を見るのがオススメです。
一方、「かんたん無水ローストチキン」は、ダッチオーブンに半分に切ったじゃがいもとたまねぎ、乱切りのにんじんを投入すれば準備OK。野菜の上に鶏肉(むね肉でも、もも肉でも可)をのせてフタをし、加熱すれば完成です。加熱時間の目安は約1時間ですが、環境にもよるので、最初はそれよりやや長めに加熱して様子を見るのがオススメ。野菜の水分で調理するため、水を入れる必要はありません。
できあがった2つの料理を、キンキンに冷えたお酒とともに頂いてみました。いや~、やっぱり最高です! 「かんたんローストポーク」は、しっとりしていてジューシー。かつ豚肉のうまみとにんにくのパンチ力が相まって、とにかくお酒が進みます!
「かんたん無水ローストチキン」は、薄味なのに素材の味そのものがしっかりと出ていて、こちらもやみつきになります。今回、鶏のもも肉とむね肉を両方使ってみたのですが、もも肉はとろっとろのぷるっぷるで口のなかでとけていき、むね肉はしっとり柔らかく仕上がっていて、やさしい肉のうまみが感じられます。
驚いたのは、野菜のウマさ。にんじん、じゃがいもが鶏の肉汁を吸ってうまみとみずみずしさが増幅され、ひとつの料理として完成されています。そして、すべての食材には燻製に似た香ばしさがついていて、これがまたお酒を呼ぶ! キンキンに冷えたお酒と合わせれば、それだけでもう幸せです!
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「太陽の下で、風を感じながらご飯を食べる。星の下、たき火を囲んで酒盛りをする……これは人間の原点。だからこそ、人間を内側から活性化させてくれるんです」と、アウトドアの魅力を語る菅井さん。たしかに、目に沁みるような緑のなか、鳥のさえずりを聞きながらお酒を楽しむ時間は、かけがえのない癒しになります。みなさんもぜひ、大切な人と最高の「アウトドア飲み」を味わってみてください。
記事に登場したお酒はこちら▼
・全量芋焼酎「一刻者ハイボール」
https://www.ikkomon.jp/highball.htm
・松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒
・タカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>
・タカラcanチューハイ<レモン>
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/regular/
・寶「極上レモンサワー」<丸おろしレモン>
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/gokujo_lemonsour/
撮影/和田清志
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