暑くて食欲がないときでも、ツルッといただける夏の定番メニュー、そうめんや冷や麦。家庭で食べる際は、たいてい日持ちのする乾燥麺を使い、つゆはやはり市販のものを使います。しかし、あのアッサリしたそうめんや冷や麦を、定番のめんつゆで食べ続けていると、飽きてくるのも事実。また、育ち盛りのお子さんがいる家庭では、どうもあのアッサリ味が子どもには不評なこともあり、「もっとガッツリしたものを食べたい!」と懇願されてしまうこともあります。
そこで今回は、普段食べている、そうめんや冷や麦にさらなる個性を生み出すべく、めんつゆをアレンジしてみることにしました。作り方はいたって簡単で、めんつゆの割り水を、別の液体に変えて、調味料などをちょっと加えるだけ。たったこれだけで、そうめんや冷や麦が個性的なメニューに変わってしまいます!
個性派めんつゆ作りに最適なのは、濃縮4倍の商品!
市販されているめんつゆは、大きく分けて、「何も割らないでそのまま使えるめんつゆ」「何倍かの水で割るめんつゆ」の2種類があります。このうち、「何倍かの水で割るめんつゆ」を選び、その水の量をそのまま別に液体で割ります。そのことで、めんつゆ本来が持っているかつおだし、昆布だしなどの和風要素と、割る液体との味覚を融合させ、様々な味に変化させるという寸法です。特に濃縮4倍タイプのめんつゆは、もともとのだしや風味が濃いため、水以外の液体で割っても個性が出やすくなるというわけですね。それではさっそく、この濃縮4倍のめんつゆを、様々な液体で割って、スタッフで試食していきたいと思います!
【その1】トマトジュースで割った「ツナトマトめんつゆ」
見た目的にもトマト感が強く、これがそうめんや冷や麦のつゆとは想像ができないはずです。水の代わりにトマトジュースで割ることで酸味とコクが格段にアップ。そして、ツナを混ぜ、黒胡椒、オリーブオイルを好みで垂らすことで、イタリアンな風合いに。まるで冷静パスタのような超個性派めんつゆになります。さっそくスタッフで試食してみました。
ーートマトジュースと和風のめんつゆ、合いますか?
編集部・野田 見た目通り、確かにトマト感強いです。かなりイタリアンなめんつゆになっているので、好みは分かれそうですけど、これはこれで悪くない!
カメラマン・中田 僕的にはだいぶイケてます。一見、ミートスパゲッティのようにも見えるからお子さんにも良いかなとも思いますけど、むしろ大人の味ですね。お酒が欲しくなるというか。
編集部・野田 そうですね。レモンを添えるとよりサッパリしそうな気もします。
【その2】豆乳で割った「カルボナーラ風めんつゆ」
めんつゆを豆乳で割る……と聞いても、なかなか味が想像できませんが、見た目が濃厚なつゆになっていることが分かるかと思います。粉チーズを振ることでさらにコッテリまろやかな風合いも出しつつ、黒胡椒を振り、味をぼやかさない工夫もしてみました。
ーーめんつゆと豆乳の融合ですが、どう化けていますか?
編集部・野田 普通に美味しいですよ。豆乳なのに、本当にカルボナーラのようになっていますね。
カメラマン・中田 そうめんをゴマだれで食べる方もいますけど、絶対に豆乳のほうが合うと思う。クリーミーでありながら口当たりも良いですし。
編集部・野田 キッコーマンはこのままのお出汁で、商品化したほうが良いんじゃないかと思います(笑)。普通のめんつゆに飽きた人には良いと思いますね。
【その3】豆乳で割った「担々麺風クリーミーめんつゆ」
豆乳がめんつゆと合わせることで、イタリアンになることは【その2】で分かりましたが、今度は担々麺風に挑戦。つまり中華風を目指すしたというわけですが、白すりごまを振り、ラー油も添えることで、どう変化を遂げたのでしょうか。
ーー実はこれ、筆者の一番のおすすめメニューなんです。
編集部・野田 でも、これは好みが別れそうな(笑)。たぶんラー油の影響だと思うんですけど、後味は結構きますね。ただ、先ほどはイタリアン化した豆乳が、今度は本当に坦々麺風になるところがすごい!
カメラマン・中田 確かに好みは別れそうですけど、僕は好き。めんつゆにパンチがあるので、そうめんや冷や麦みたいなツルっとしたものではなく、蕎麦が合うかもしれないです。
【その4】無糖の炭酸で割った「炭酸レモンめんつゆ」
前半のこってり感が強いメニューに対し、後半は極めてスッキリさせる大人の味を目指します。めんつゆの水代わりに割ったのは、無糖のレモン入り炭酸。炭酸のシュワシュワ感の後押しにも期待しつつ、スカッと爽快な味わいになっているかどうか試食!
ーー無糖のレモン入り炭酸で割ったことで、清涼感は出ていますか?
編集部・野田 清涼感は確かにあります。ただ、意外とレモン感が薄いので、レモンがあればもっと入れたほうがいいかも。
カメラマン・中田 見た目的にも楽しくなりそうですしね。
ーー炭酸の口当たりはどうですか?
カメラマン・中田 慣れないと、このシュワシュワ感がちょっと怖いかもしれない(笑)。
編集部・野田 そうですか? このシュワシュワ感でいうと、僕は新感覚だから別にイヤではないですよ。
【その5】辛口のジンジャーエールで割った「めんつゆ」
【その4】で無糖のレモン入り炭酸はなかなかイケる! という結論に至りましたが、今回の挑戦で最も冒険度が高いジンジャーエール。完全な無糖のジンジャーエールは市販されていないため、多少の甘みは避けられませんが、ここでは辛口をチョイス。生姜の風味、微かに感じる糖分、そして炭酸のシュワシュワ感がめんつゆと合わせてどう化けてくれるのでしょうか。
ーージンジャーエールの生姜感はありますか?
カメラマン・中田 あります! これは大人の味がしますね。そうめんや冷や麦を食べるとき、めんつゆに練り生姜を入れることもありますけど、それに飽きた人とか、練り生姜が手元になかった人は良いかも。
編集部・野田 これ、実は今回のメニューの中で僕は一番好きかもしれないです。元々の濃縮4倍のめんつゆの味がしっかりしているので、ジンジャーエールの糖分も特に違和感を感じないし、美味しいですよ。
【総評】一番人気は意外にもジンジャーエール!
ーー個性的なめんつゆに仕上がりましたが、この時期、そうめんとか冷や麦を食べられていますか?
編集部・野田 夏場に実家に帰ったときはよく食べています。あと、普段は日本蕎麦が大好きで、外食でも蕎麦を食べることが多いのですが、今回のメニューのうち、特にパンチのあるトマトジュース、豆乳系は、そうめんや冷や麦というより蕎麦のほうが合うんじゃないかなと思いました。
カメラマン・中田 それで言うと、僕はそうめん、冷や麦などの主張が弱い麺のほうが、今回のようなパンチの強いめんつゆは合いそうにも思いました。
ーー炭酸系はいかがでしたか?
編集部・野田 これが意外と良かった。というか僕はジンジャーエールが一番美味しいと思いました。
カメラマン・中田 確かに意外性という意味での一番は、ジンジャーエールだったかもしれない。割る液体によって、こんなに個性が出るとは……。
ーー濃縮4倍のめんつゆだと、特に割る液体の個性が出やすいんです。
カメラマン・中田 普段は、割らずにそのまま使えるタイプのめんつゆを使っていましたけど、今回のように水で割るタイプを使い、その水代わりに様々な液体を使うのは新しい発見がありそうですね。これからは割るタイプのめんつゆも使ってみます。
編集部・野田 今はなかなかやりにくいでしょうけど、例えば親戚が集まったり、お子さんが集まって食事をするような場があったとしたら、今回のようないろんな味のめんつゆを出してみるとか、楽しくて良いかもしれないですね。何を割っても良いわけですから、意外と甘いジュースが合うとかもあるかもしれないですし。いろいろなものを試すと結構面白いような気がします。
水代わりに、別の液体を使うでいかようにも変化を遂げる濃縮めんつゆ。今回紹介したもの以外でも、意外と合う液体があるかもしれません。いつもの水割りのめんつゆにちょっと飽きてきている方、ぜひ自分だけの特別メニューを作ってみてください!
撮影/中田 悟
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