アウトドア
2020/8/28 10:00

「ソロキャンプは自由だ」と伝える芸人・ヒロシの悩みは、ブームとともに遠ざかる「自由」

ヒロシのソロキャンプ〜自分で見つけるキャンプの流儀〜』(ヒロシ・著/学研プラス・刊)が売れに売れている。

 

自身のキャンプ道具からキャンプ場選び、動画撮影テクなどヒロシさんのこだわりがつまっており、進化を続けるヒロシ流キャンプの“今”がわかる一冊だ。

 

秘密基地をつくり、自分だけの時間を過ごしていたヒロシ少年が、大人になってどっぷりはまったソロキャンプ。その魅力を本人に語ってもらった。

 

ソロキャンプの魅力は自由であること

 

「ひとりであれば行きたいときに好きなキャンプ場に行って、帰りたいときに帰っていい。食べたいものを食べて、寝る時間も自由。だれかのペースにあわせて無理することはありません。それが人の少ないキャンプ場であれば、ほかの人の視線を気にする必要がなく、自由度はさらに高まります。

みなさんもそうでしょうが、仕事では好きなことだけしていられるわけではないですよね。無理なことを言われて、不本意なことだって笑顔でやりすごすわけです。でも、せっかくの休日なんだから、好きな場所で自由にふるまいたいじゃないですか」(ヒロシさん)

 

2015年に開設したYouTube『ヒロシちゃんねる』は、キャンプ人気の高まりとともに注目度アップ。紹介する道具は完売必至、休日のキャンプ場にはヒロシキャンプを参考にしたかのようなソロキャンパーの姿がそこかしこに見られるなど、キャンプ業界でのヒロシさんの影響力は絶大だ。

 

その影響力をメディアが放っておくはずはなく、キャンプとは無縁だった人にも「キャンプっていいかも」と思わせ、裾野を大きく広げている。

「コツコツと動画を配信しているうちにソロキャンプが盛り上がって、おかげでキャンプの仕事が増えました。でも、いいことばかりではないかなぁ。

静かな場所で自由に過ごすのがソロキャンプの楽しみなのに、今は平日でも人がいっぱい。3年ほど前だったら平日のキャンプ場なんて閑散としていたんですがね。

それに場所を見つけてひっそりキャンプをしていても、どこで聞いたのかいつの間にか知らない人が自分のサイト(テントを張る場所のこと)を見せてほしいとやってくる。そういう人は動画を撮っていてもおかまいなしで、不思議に一番いいタイミングで来るんですよ。時間を掛けて焚き火であぶった手羽先がいい感じにできあがったときとかね。そのときは(ソロキャンプ好き芸人のグループ「焚火会」の)島田くんが対応してくれたんだけど、それでもできあがり直後にしか見られない最高の“照り”がなくなっちゃった。

まだハンモックで寝ている早朝に僕のサイトにやってきた人もいたなぁ。さすがに寝起きで対応なんてできないから、立ち去るまでハンモックの中にこもってました。

ソロキャンプが好きで、好きなことが仕事になってうれしかったはずなのに、そのキャンプで自由に過ごせなくなってきた。自業自得だけど、なんだかなぁ……」(ヒロシさん)

 

静かに過ごせる場所がないと嘆くヒロシさんだが、だからといってキャンプをあきらめたり、嫌いになったりしたわけではない。

 

「限られた道具を持っていって、その場にあるもので対応する」のがヒロシさんの美学。キャンプ場が混雑するほどのキャンプブームの中、いかに静かに自分らしくキャンプをするにはどうすればいいのか? 次回はヒロシさんの考えと行動について聞いてみる。

 

【第2回はコチラ

 

【書籍紹介】

ヒロシのソロキャンプ〜自分で見つけるキャンプの流儀〜

著者:ヒロシ
発行:学研プラス

YouTuberとして再ブレイク!  チャンネル登録者数80万人を超え、今なお増え続ける、ソロキャンパー芸人・ヒロシによる初のキャンプ本。愛用の道具紹介、実践術、動画撮影の極意など、ヒロシ流キャンプのこだわり・楽しみ方をたっぷり公開!

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