たいていの日本人は清潔好き。「イヤなニオイがない環境」でこそ、安心して過ごすことができます。逆に言えば「不潔」「臭い」という環境は、単純に「イヤ」というだけでなく、そればかりが気になって集中力は削がれるし、また周囲とのコミュニケーションにも支障をきたしかねません。
しかし、この「イヤなニオイ」。どんな種類のものがあり、根こそぎやっつけるために必要なのは何でしょうか。今回は「ニオイ問題」に様々な面から対峙・研究をし続け、除菌・抗菌・消臭スプレー「ナノケア」シリーズをリリースしたミツヤコーポレーション内Nioi-X-Labの鈴木利正さんに話を伺いました。
あらためて知る、ニオイや体臭に関するコト
Q.そもそも、どうして人間は「イヤなニオイ」を感じるのでしょうか?
A.「人間がイヤなニオイを感じやすい」のは、一般的に危機回避能力によるところが大きいと言われています。例えば、腐った動植物には病原菌は人間に身体的な害を与えます。それを避けるため、人間には病原菌を発するニオイを感知する能力があります。また、動植物の死骸には捕食する肉食動物が近くにいたりして、人間が近づくのは危険ですよね。人間にはこういった危機回避能力がもともと備わっているため、特にニオイに敏感だと言われています。
またご家庭などで奥さんが旦那さんに対して、「臭い!」と注意する場面はよくあると思いますが、これも女性の危機回避能力の高さと言われています。つまり、男性より女性のほうが「ニオイ」に対する感度が高いんですよ。
理由は「動物」として考えた場合、女性は男性よりフィジカル面で劣る分、ニオイの感度が高く危機に対して察知する能力が高いのです。また男性は「遺伝子を多く残したほうが良い」とされていますが、一方女性は「できるだけ良い遺伝子を取得したい」という本能があるから、自分にとって良い遺伝子を取得するために、ニオイに対する感度が高いんですね。女性のニオイ感度については、2014年、ブラジルの大学の研究機関で「男性よりも女性のほうが1.5倍もニオイの感度が高い」ことが論文で発表されてます。
Q.人間の「体から発せられるイヤなニオイ」にはどんな種類がありますか?
A.スポーツをするとよく汗をかきますが、例えばマラソンなどで「体温が上がっているから、温度を下げてくださいよ」ということでかく温熱性発汗は、酢酸・アンモニアなどの成分による「サラサラ汗」。一方、格闘技、剣道など相手の選手と対峙しながら進めるような、緊張を伴ってかく汗は、酢酸・アンモニアに加え、ジアセチル、アルデデヒト類、イソ吉草酸などを伴う「ベトベト汗」です。「サラサラ汗」はそれほど臭くないのですが、「ベトベト汗」のような精神性発汗(人が強いストレスを感じると出る汗。特に掌や足の裏に発生しやすい)は臭いんです。
また、この「ベトベト汗」はストレスや自律神経の乱れでも出るものなので、スポーツの場面だけでなく、ビジネスの場面や日常でも多く出ます。特に30~40代のミドル世代に多く発生し、50代でピークに達することからいわゆる加齢臭とは異なるもので、30〜40代男性特有の「イヤなニオイ」ですね。「古い油のようなニオイ」ですが、主に後頭部付近、首の後ろからニオイが発生します。
Q.制汗剤や消臭剤には「防臭」や「消臭」や「脱臭」と書いてあることがあります。また、「抗菌」や「除菌」と書いてあることもあります。これらの概念の違いを教えてください。
A.「脱臭」というのは、活性炭のような感じで、すべてのニオイを吸い取るイメージです。一方「消臭」は、出来上がってしまった「イヤなニオイ」をやっつけるもので、「ニオイをなくしますよ」、または「違うニオイに変えますよ」というものです。さらに「防臭」というのは、文字通り「防ぐニオイ」です。ニオイを発生する菌を抑えることで、防ぐというアプローチです。例えば衣料などで「防臭抗菌加工」というものがあれば、菌を抑える抗菌加工がなされているものです。
また、「抗菌」と「除菌」の違いですが、「抗菌」は文字通り「抗う菌」ですので、やってきた菌を増殖させないもの。一方の「除菌」は「除く菌」ですから、ついてしまった菌を除いてくれるものです。例えば、机の上に菌があるとして、そこをアルコールなどを含むウェットティッシュで拭いて、有効数減った場合は「除菌」。机に持続性の薬剤が含まれたウェットティッシュなどで拭いて、菌を増殖させないようにするのが「抗菌」。このようなイメージで考えていただけたら良いと思います。
Q.制汗剤、消臭剤には「イヤなニオイ」をやっつけるために、様々な物質が採用されています。特に効果がある物質にはどんなものがありますか?
A.例えば「銀」ですね。「銀」というのは幅広い菌に対する抗菌作用があるもので、繊維などにもよく採用されています。これは銀でニオイを発生する菌をやっつけて防臭する仕組みです。ただ、一方で皮膚にとってのバリアとなってくれる善玉の常在菌までやっつけてしまう可能性もあるので、濃度が濃ければ良いというわけではありません。
また、柿渋の主成分である「柿タンニン」は「イヤなニオイをやっつける」上で優れた効果をもたらしてくれます。柿タンニンにはポリフェノールという高分子が多く含まれていますが、これが「イヤなニオイ」の元となるアンモニア、イソ吉草酸などを包括結合し、形を変えてニオイを出さなくするようにします。これは「消臭」に優れたアプローチで、最初に言った「銀」の「防臭」とは効果が違うんですね。
Q.数多くある消臭剤ですが、どんな商品を選んだら良いのでしょうか?
A.消臭剤の中には、「イヤなニオイ」を感じる嗅覚に別の香りを送ってごまかすようなマスキング効果を持つタイプの商品が実は多いんです。私は数年にわたって、100種類以上の各メーカーの消臭剤を取り寄せて研究していました。「出来てしまったイヤなニオイ」に対して、「ニオイそのものをなくす」効果的なものを探すためだったのですが、数年間探し続けて6年目でやっと出会ったのが、先ほど話した柿タンニンでした。
「これを使えば『ベトベト汗』のスポーツ用の消臭剤が作れる」と思い、弊社から除菌・抗菌・消臭スプレー「ナノケア」シリーズを商品化することにしたんです。ナノケアシリーズは柿タンニンを主成分として消臭効果を出し、さらに抗菌効果、抗ウイルス効果に対応するためグレープフルーツ種子抽出物も採用しています。原料はすべて天然由来です。なので、塩素系のように酸化させたり、何かを錆びさせることはなく、またアルコールのように火気に気をつけたりする心配もないです。
30 代〜40代男性の体から発生するニオイについて、もうちょっと聞いてみた
続いて、働き盛りのGetNavi webユーザーも気になっているであろう「30〜40代男性特有のイヤなニオイ」や「加齢臭」といった、体臭の違いなどについてミツヤコーポレーションの鈴木さんに聞いてみました。
Q.「30〜40代男性特有のイヤなニオイ」とは異なるという「加齢臭」。その違いと、どうして起こるかを教えてください。
A.「30〜40代男性特有のイヤなニオイ」の成分は汗由来のジアセチルなのに対し、「加齢臭」は皮脂の酸化によって発生する主成分“ノネナール”が原因です。ロウソクや古い本の匂いにも似たニオイです。どうして「加齢臭」が出てしまうかというと、皮脂を分泌する「皮脂腺」の中で、パルミトレイン酸と過酸化脂質が結びつき、皮膚常在菌の作用によって酸化・分解されノネナールが生まれるからなんですね。加齢とともに「脂肪酸」の分解力低下や老化物質である活性酸素も増えるためなんです。特に皮脂量が増える夏場は要注意です。ニオイの発生場所は頭や首の後ろ、背中などが多いですが、胸元、ワキなどからも発生します。ちなみに中年男性の「枕が臭い」という現象は、頭部に皮脂量がとても多いからなんです。
Q.「30〜40代男性特有のイヤなニオイ」「加齢臭」以外の他に、30~40代の男性が発する「イヤなニオイ」はありますか?
A.「加齢臭」は、文字通り年齢を重ねて出るニオイのことを言いますが、この物質とは異なる「30代男性特有のにおい」というものがあります。これはライオンのビューティケア研究所が突き止めたもので、前述の「加齢臭」や「30〜40代男性特有のイヤなニオイ」とは違う、ペラルゴン酸という物質が伴うものです。使い古した食用油に似た不快なにおいと言われております。これは皮脂部分が多い脇、胸、背中などで皮脂が酸化することにより発生します。30代の男性は皮脂分泌量がピークであることが原因のようです。
Q.ここまで聞いた「イヤなニオイ」の元は、「体の部位をお風呂でよく洗う」「制汗剤、消臭剤をつける」ことで取り除くことができますか?
A.頭や耳の裏、背中など体をよく洗えば、十分できると思います。ただ汗の分泌量にもよりますが、ニオイはまた出てくるものです。制汗剤、消臭剤も同様で、特に各メーカーから出ているワキ汗に対する最近の制汗剤は効果が高くなったと思います。また、「自分は体臭が臭いんじゃないか」と周りを気にしすぎて、余計に緊張してしまい、「ベトベト汗」をさらに多く出してしまう人もいます。お医者さんなどでは「過剰には気にしないで大丈夫ですよ」と言うこともあるようで、気にしすぎもよくないんですね。
ビジネスパーソン向けの「ナノケア スタイルBiz」は特におすすめ
冒頭で話した通り、緊張を伴うスポーツでの汗は精神性発汗を伴う「ベトベト汗」です。今回紹介する「ナノケア」シリーズはこの汗に対して作ったものですが、もちろんビジネスパーソンの方にも使えます。特にシトラスの香りを加え、ビジネスシーン専用に開発した「ナノケアスタイル for Business」の消臭率はジアセチル(=ミドル脂汗臭)99%以上、ノネナール(=加齢臭)91%、ペラルゴン酸(=30〜40代男性特有のイヤなニオイ)98%の消臭効果があり、香りの上書きではなくニオイの元から消してくれるのが特徴。まさに働き盛りのGetNavi webユーザーにピッタリの除菌・抗菌・消臭スプレーになっています。
では、30代〜40代のビジネスマンにとって打ってつけのナノケアスタイル for Businessは、どのように使うのでしょうか? 答えは簡単。気になる部分にシュシュッと、ただ拭きかけるだけです。鈴木さんが言うには、「ジャケットの場合、背中やワキの部分に拭きかけるのが効果的でしょう。さらには、朝昼夕と1日3回ぐらい拭きかけるのをおすすめします」とのこと。
またナノケアスタイル for Businessは、前述の抗ウイルス効果もあります。コロナウイルスは今猛威をふるっている「新型」だけでなく、犬や猫のコロナウイルスなどもあるのですが、このうち229Eというコロナウイルス(ヒト)にも効果があります。特定非営利活動法人バイオメディカルサイエンス研究会の試験で「99.9%減少する」という結果を出しています。もちろん、これも天然由来です。「イヤなニオイ」をやっつけ、除菌・抗菌、さらには抗ウイルス効果もあるとは三重に嬉しい。
さらに、最近「柿タンニン」が新型コロナウイルスに効果があるという報道がありました。その続報に期待したいですね。
「ナノケア」シリーズはどこで買えるのか?
全国のスーパースポーツゼビオ店舗やオンラインストアで購入することができる「ナノケア 」シリーズ。ライフスタイル用の「ナノケアスタイル」に加え、スポーツ用品用の「ナノケアプラス for Sports」、「ナノケアプラスポータブル」、「ナノケアプラスロジンタイプ」もラインナップします。いずれも「イヤなニオイ」を感じる場所にかければ効果を発揮するので、ぜひ試しいもらいたいアイテムたちです。
今回の鈴木さんの解説によって「イヤなニオイ」の原因、対策がよく分かりました。特にビジネスシーンで、無自覚に自分が発していれば、致命的にもなりかねない「イヤなニオイ」。しっかり対策をして周囲に対しても、また自分自身にとっても心地よいビジネスライフをおくりたいものですね。
撮影/篠田麦也
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