7月27日に舞浜アンフィシアターで、「LEVEL5 VISION 2016 -NEW HEROES-」が開催された。昨年4月に行われた前回の「LEVEL5 VISION 2015 -THE BEGINNING-」は、まさに「妖怪ウォッチ」が社会現象化し、ジバニャンを始めとするキャラクターの人気が絶頂期にあったときだった。
ところが、あれから1年あまり。今回は「ポケモンGO」フィーバーのまっただなか。会場の外でも中でもポケモンをゲットしようとスマホをかざすトレーナーだらけ。果たして、このアウェーの状況を巻き返す策が「妖怪ウォッチ」にはあるのか? また、「妖怪ウォッチ」を超えるブームとなりそうなレベルファイブの新たなプロジェクトが発表されるのか? 注目が集まった。
15時30分から開催された「LEVEL5 VISION」は、どちらかといえばマスコミ向けの新作発表会ではあるが、一般ユーザーも約500人招待され、会場は大盛況。すり鉢状の会場が暗くなり、ステージにはおなじみのレベルファイブ・日野晃博社長が登場し、ひとりでプレゼンしていくスタイルで発表会が始まった。発表されたのは8項目。順を追って簡単にまとめていこう。
1.レベルファイブの意外な秘密兵器「オトメ勇者」
まず最初に発表されたのはスマホゲームの「オトメ勇者」。「うたの☆プリンスさまっ♪」などで知られる人気イラストレイター・倉花千夏氏をキャラクターデザインに起用した、レベルファイブ初となる乙女ゲームだ。
レベルファイブといえば家族向けや男児向けというイメージが強いので、これは意外! 会場も心なしかざわついていた。「オトメ勇者」は、今冬iOS、Androidで配信予定。
2.「レイトン」シリーズ再始動! タイトルは「レディレイトン」
いったん完結した「レイトン」シリーズだが、10周年に向けてレイトン教授の娘を主人公にした新作「レディレイトン 富豪王アリアドネの陰謀」が発表された。注目は豪華声優陣。主役のカトリーエイル・レイトンに有村架純さん。ツッコミ役のしゃべる犬・シャーロに役所広司さん。そのほか、黒木メイサさん、坂口健太郎さんと有名俳優がボイスを担当する。
PVを見た印象では、これまで以上にコミカルで、にぎやかなゲームになりそう。特に犬を演じる役所広司さんの演技はさすがだった。「レディレイトン 富豪王アリアドネの陰謀」は、2017年春、3DS、iOS/Androidで発売・配信予定。
3.映画「妖怪ウォッチ」最新作は、実写とアニメのハイブリッド!
https://www.youtube.com/watch?v=Vv9RdmA_New
12月に公開される映画第3弾「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」は、「アニメ×実写」の融合がポイント。新妖怪「コアラニャン」の鼻を押すとリアル世界とアニメ世界が切り替わるという設定で、これまでとは違う新感覚の映画になっている。
「ポケモンGO」やPSVRなど、今年のゲーム界は現実世界と仮想世界の融合がひとつのテーマだが、「妖怪ウォッチ」は映画という舞台で新たな挑戦を試みる。「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」は、東宝系で12月17日ロードショー。
また、「妖怪ウォッチ」関連では、初代の3DS版をベースにした「妖怪ウォッチforスマートフォン」も発表された。こちらは今秋、iOS/Androidで配信予定。
4.期待のスマホゲームも続々登場!
発表済みのスマホゲームの進捗もアナウンスされた。「妖怪ウォッチ」初のクイズRPG「妖怪大辞典」は、iOS/Android対応で2016年11月に配信開始予定。同じくシリーズ初のリズムアクションゲーム「妖怪ウォッチ ゲラポリズム」は、iOS/Android対応で2017年3月に配信開始予定。
また、2016年サービス開始予定のRPG「ファンタジーライフ2 ふたつの月とかみさまの村」は、7月29日からクローズドβテストが開始され、近日配信予定だ。
5.「タイムボカン」をリスペクトする新作アニメ「タイムボカン24」
「タイムボカン24(トゥエンティフォー)」は、1975年に第1作が制作され大人気となったTVアニメ「タイムボカン」シリーズの最新作。企画協力/キャラクター・メカ原案をレベルファイブが担当。クリエイティブプロデューサーとして日野社長も参加している。
歴史が全部ウソだった!? という設定のもとに、主人公の中学生・トキオ(CV:若山晃久)と時空管理局の隊員・カレン(CV:鬼頭明里)が「真歴史」を探しに行く……。絶世の美女とされるクレオパトラは、実は「クレ夫とパトラ」という漫才師だった!? と衝撃の内容が明かされ、会場もどよめいていた。
おなじみの三悪はビマージョ(CV:喜多村絵梨)、ツブヤッキー(CV:平田広明)、スズッキー(CV:三宅健太)というトリオ。アニメ「タイムボカン24」は読売テレビ・日本テレビ系で2016年10月スタート。
6.クロスメディアプロジェクト第4弾「スナックワールド」の続報
昨年発表された大型プロジェクト「スナックワールド」は、少し延びたものの水面下ではかなり進んでいる様子。最大の特徴は、タカラトミーが発売する「ジャラ」といわれるキーホルダーフィギュア。Amiiboのようにゲームにかざすとデータが読み込まれる玩具で、多彩なソードや盾は小さくも精巧な作り。思わずコレクションしたくなる出来だった。
「スナックワールド」のゲームは、2017年4月にiOS/Android版、同年7月に3DS版がリリース予定。アニメは、2017年4月からテレビ東京系で放送予定。コミックは、今冬「月刊コロコロコミック」にて連載開始。
7.ファン待望の新作発表! 「イナズマイレブン アレスの天秤」
多くのファンが待ち望んでいた「イナズマイレブン」の新作が発表された。タイトルは「イナズマイレブン アレスの天秤」。初代「イナズマイレブン」で雷門中が優勝したあとの時間軸を描く。「イナズマイレブン」は、第2作で宇宙人が攻めてくる!? という斜め上の展開をとったが、それとは切り離されたパラレルワールド。「もし宇宙人と言い張ったやつらが攻めてこなかったら、もし、そのまま何事もなく2年目が始まっていたら……そういう設定となっています」と、日野社長が言うと、会場はこの日一番の盛り上がりを見せた。
同時に、タカラトミーのリストバンド型玩具「イレブンバンド」も発表された。
このバンドには振動センサーが搭載され、歩いたり走ったりなど実際に運動すると、バンドに数値が貯まり、ゲーム内の選手にパワーとして還元されるというもの。キャラへの思い入れを運動という形で表現できる新しい試みだ。ゲーム「イナズマイレブン アレスの天秤」は、発売日未定。アニメは、2017年夏放送予定。
8.クロスメディアプロジェクト第5弾が発表! タイトルは「メガトン級ムサシ」
トリを飾ったのは、今後レベルファイブが大々的に仕掛ける完全新作「メガトン級ムサシ」。「スナックワールド」はファンタジーだったが、こちらはスーパーロボットもの+学園ドラマ。
飛来してきた謎の異星勢力「ドラクター」によって地球は制圧され、わずかに生き残った人々は居住施設「シェルター」で、記憶を操作され暮らしていた……。そんな状況のなか、異星人の巨大兵器に対抗するため主人公たちが巨大ロボ「メガトン級ムサシ」に乗り込む。
会場では14分にもわたるパイロットフィルムを公開。その内容は、昭和テイストあふれる古き良き熱血ロボットもの。空中で3機が合体する演出も熱い! インパクト大なのは、必殺技の前に流れるジングルのような「歌」。この「歌」が「メガトン級ムサシ」のキーになりそうだ。
こちらはバンダイと組んで、一部に金属を使った超合金のような玩具も発売予定。また、「週刊少年ジャンプ」編集部とのコラボも発表された。大人にとっては懐かしく、子供にとっては一周回って新しいロボットものになりそうだ。ゲーム「メガトン級ムサシ」は、対応機種、発売日など未定。
1時間半という短い時間に詰め込まれた8大情報。それぞれのプロジェクトがどこまで成功を収めるかは未知数だが、いずれもレベルファイブらしい斬新な工夫が施されたタイトルばかり。今年も日野社長が大活躍のワクワクする発表会だった。
【URL】
レベルファイブ http://www.level5.co.jp/