1983年11月6日、のどかな田舎、インディアナ州のホーキンスにある米国エネルギー省ホーキンス研究所で何かが起きたその夜、街に住む中学生・ウィルがこつぜんと姿を消します。
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ファンタジーやコミックを愛する彼は、同好の士でクラスメイトのマイク(フィン・ヴォルフハルト)やダスティン(ガテン・マタラッツォ)、ルーカス(ケイレブ・マクマフリン)らとナード(おたく)4人組を結成していました。いじめられるし、スクールカースト最下層ではあるけれど、ゲームの世界に没入できたり、メカいじりをしたり、スターウォーズの話を心おきなくできるとても居心地のいいグループ。「問題解決チーム」として表彰されたこともある彼らは、科学やファンタジーを取り入れた彼らなりの友情メソッドでウィルを探し始めます。
翌日、謎の少女11(イレブン)、通称エル(ミリー・ボビー・ブラウン)が街に現れます。髪は丸刈りで検査着、腕には「D011」というタトゥー入りという異様な出で立ち。ただ彼女には特殊な能力があり、そのせいで研究対象として幽閉されていたことは後から明らかになってゆきます。
ウィルを捜索中のマイクたち3人は、仲間内で「闇の森」と呼んでいる研究所内の立ち入り禁止エリアでエルと出会います。超能力を使って、”見て”もらうと、どうやらウィルは現在、自分たちがいるこの世界ではなく「裏側の世界」にいるらしい……。
第二の失踪事件が発生
失踪直後からウィルの家にも異変が起きていました。謎の電話がかかってきたり、誰もいない部屋で音楽が爆音でかかったり、謎の怪物が壁から現れそうになったり……。それをウィルからのSOSと受け取った母親ジョイス(ウィノナ・ライダー)は、ついにこっくりさん形式でのコンタクトに成功し、彼がまだ生きていることを確信しますが、誰にも信じてもらえず、憔悴はつのるばかり。
そんな時に、ひとりの女子高生バーバラが行方不明となる第2の失踪事件が起きてしまいます。少女が怪物によって闇に引きずり込まれる現場を知らずのうちに偶然目撃していたウィルの実兄ジョナサンと同級生のナンシーは、弟のウィルも同じように拉致されたことを確信、自らの手で怪物を退治し、彼を救出する事を決意します。
人づき合いが苦手で、高校でも変わり者で通っているジョナサンのことが、なぜか以前から気になっていたナンシーは、リア充グループに憧れ、背伸びしてクラスのプリンス(自称「トム・クルーズ似」のプレイボーイ)と付き合うことになったものの違和感を感じていたところでした。何かをふっ切るように、バットを振り回して怪物とのバトルに備えるナンシー。思春期ってほんとに面倒臭いですね(笑)。そして、森の中に「裏側の世界」とつながっている接点=ゲートを見つけた2人でしたが……。
子供だけではなく、事のヤバさに気づいた大人もいました。地元の警察署長・ホッパー(デヴィッド・ハーバー)は、ホーキンス研究所にウィル失踪のヒントがあるとにらみ、独自の捜査を始めるのですが、ここにも邪魔が入ります。
7歳の娘を病気で亡くして以来、クスリと酒に溺れていたため、大人社会でも今ひとつ信頼性に欠けるホッパーですが、超平和な街に起きつつある異変を真っ先に感知したのも、職業意識が残っていたのはもちろん、娘との楽しく苦い思い出があったからかもしれません。
というわけで、オタク中学生&超能力少女チーム、イケてない高校生カップル、トラウマ中年(ホッパー署長&母親)という3組がそれぞれの人生をかかえて、それぞれの方法で動き出し、やがて「裏側の世界」と対決することになるのですが……。
80年代のテイストに胸キュン
個人的には、怪物に引きずり込まれた闇の中で泥だらけになってもがく非モテ系JKのバーバラ(第2の失踪者)と、同じ時刻にイケメンおぼっちゃまと豪邸でイチャイチャしているナンシーのカットバックが、バーバラ系JKだった筆者にはチクチク刺さりました(泣)。でも、モテなんか気にせず、ファンタジーやSFを一途に愛してきたマイクたちだったからこそ、超能力も「裏側の世界」という概念も抵抗なく受け入れられたわけですからね!
2016年には立派なオタクになっているであろう彼らに訊いてみたいものです。「デモゴルゴン(と怪物に彼らが命名)って、「遊星からの物体X(原題:The Thing)」(ジョン・カーペンター監督)へのオマージュだと思わない?”Thing”つながりで」と。
ホラー、サスペンス、SF、青春ものに人間ドラマと要素てんこもりなので、どの年齢層が見ても楽しめる作りになっています。全編にただよう80年代テイストもいい感じ。甘酸っぱい余韻と、いやーな予感を残してシーズン1は終了しますが、恋を知ったマイクがシーズン2でどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。