マヨネーズでおなじみのキユーピー。ドレッシングをはじめ、様々な調味料を手掛けているメーカーです。そんなキユーピーがこの度、まったく新しいヘルスケア食品を発売しました。それが飲む人のためのサプリメント「よ・い・と・き」。7月27日から同社のオンラインショップで先行発売され、10月7日からは全国に出荷されますが、聞けば「世界初」を実現した商品とのこと。本記事では製品概要と開発秘話を紹介していきます。
マヨネーズづくりのノウハウで酢酸菌の量産を世界で初めて実現
ところで、「なぜキユーピーが飲む人のためのサプリメントを?」と思いませんか? これには大きくふたつの要因がありました。ひとつは「キユーピーグループのユニークさと魅力を高める」を目的とする、社内公募制度によって生まれた画期的なアイデアだったからです。
「よ・い・と・き」は、社内公募制度「Try! Kewpie」の第1回最優秀賞に選出されたビジネス案。第1回は2012年に実施されたもので、120もの社内応募があったそうです。サプリメントとは確かにユニークですが、発想の良さだけではダメで、実現を裏付けできるロジックも重要なのです。
そこでキーとなったのが、ふたつめの要因。同社がマヨネーズづくりで培ってきた「酢」の研究成果です。「隋息居飲食譜(ずいそくきょいんしょくふ)」という江戸時代の文献のなかに、「酢はお酒の酔い覚ましによい」という記述があったことを発見し、この知恵の活用を模索。やがて、製品のにごりの原因となることから、現代のお酢造りでは捨ててしまっている酢酸菌にアルコールを分解する特徴があることを発見したのです。
ただ、既存の生産ラインで出てくる酢酸菌は市販できる量ではありませんでした。そこで、酢酸菌の合有量を増やすプロジェクトチームを奥山さんが中心になって編成。培養方法の研究や酵素の安定化を進め、3年かけて工場での大量生産を実現したのです。これは世界初の快挙でした。
酢酸菌がアルコールを酢に変えて“酔いとき”を“よいとき”に!
酢酸菌がアルコールを分解するという特徴について、より具体的に解説しましょう。酢酸菌が酢酸を生成する際には、「アルコール脱水素酵素」と「アルデヒド脱水素酵素」というふたつの酵素が関わっており、アルコールはアルデヒドに、さらにアルデヒドは酢酸に変換。つまり、酢酸菌はアルコールを酢の成分である酢酸に変える働きを持っているということですね。
こうして、様々な苦難を乗り越えて誕生した「よ・い・と・き」。このネーミングには、会食などの付き合いが多い人や、翌日すっきり過ごしたい人が“よいときを過ごせるように”という想いが込められています。また、ターゲットは「飲む人すべて」ですが、特に30歳前後の女性を意識したブランディングを行っているそうです。
確かに、パッケージはウコン系商品のような力強いデザインではなく、かなりやさしい印象。アイボリー系のしとやかなベースカラーに、ひらがなの和やかな商品名が相まって、女性が手に取りやすそうです。
また、粒がソフトカプセルになっているのもポイント。持ち運びや摂取場所に気を遣わないので、カバンやポケットに忍ばせやすく、気軽に飲みやすいのが嬉しいですね。
現在は自社の「キユーピー・アヲハタネットショップ」にて、10袋が2376円で先行発売中。そして10月7日からはコンビニ、ドラッグストア、スーパーなどにも並ぶ予定です。実店舗では1袋単位で発売されるうえ、5袋入りの箱型のパッケージも1188円で同時発売。飲み会前後に自ら試すのはもちろん、パーティなどに女性を誘うとき、さりげなくプレゼントすると男の株が上がるかもしれませんよ!
【URL】
「よ・い・と・き」製品ページ http://www.kewpie.co.jp/yoitoki/