満員御礼!モテないフェス
去る7月20日・海の日に『モテないフェス』という、お客様が友人・知人を誘いづらい名前のイベントを企画・開催致しまして、定員40名のところ50名弱の皆さんにお集まり頂くという予想外の盛況ぶりでした。
良かったですよ。イベント。
まず、開演前から「女性に誘われたのに当日になって、その女性と音信不通になった…」という男性の報告が舞い込むなど、会場には“モテない”雰囲気が充満。
呼吸がしやすい、居心地の良い状態でスタートさせて頂きました。
その中で、私からの「モテないですよね?」という急なオファーに寛大にも応えて頂いた出演者の皆様から、1人ずつ“モテない”エピソードを伺ったんですが、これがしびれました。
まず、お笑い芸人の永田敬介さんは…
「大学のお笑いサークルに気になる女性がいた。
その娘の好きなタイプが“面白い人”だったので、奮闘して学生お笑い大会へ出馬。
見事、予選を勝ち残り、決勝前夜。
その女性が別のサークルメンバーと付き合っていることが発覚。
しかも、そのお付き合いしている男性が、サークルの中でも“面白くない人”だった。
怒りのまま、その事実を糾弾する号外新聞を作り、同期の仲間に配った。」
という青春の衝動に満ちたエピソードが語られました。
その時に書いた号外新聞が奇跡的に残っていて、拝見させて頂いたんですが、ニュースなどで見る「少年が残した手記」的な熱量がすさまじい代物でした。
続いて、漫画家の中川学先生からは…
「風俗店でサービスを受けていた最中に、くも膜下出血に。
救急車を呼ばれ、運ばれた病院の救急医がよりにもよって女医。
『どこで倒れてたんですか?』と問い詰める女医に、最初は男同士の絆からか沈黙を守っ
ていた救命隊員の口から、ついに現場の状況が漏らされ…」
男性が最も救急車を呼ばれたくないであろう場所での身の毛もよだつ体験。
この夏一番の恐怖体験を語って下さり、その模様を描いた『くも漫。』のゲラを見せて下さいました。『くも漫。』は、8月11日発売。
そして、ミュージシャンの細身のシャイボーイさんからは…
「学生時代、イケてないにも関わらず『あしたのジョー』ごっこの合間にギターを練習。
それが、学校でもイケてるグループの目に留まり、音楽室へと呼び出されることに。
挙げ句、イケてる男子達によって結成されたバンド“ブラックチューリップ”のギター
の影武者として、お客さんから見えない舞台袖でギターを演奏した…」
文化祭での、ほろ苦い思い出。
そんな細身のシャイボーイさんは、即興で『モテなくていい2015』という、モテない人達への応援歌を作って下さいました。
さらに、紅一点の参加、Youtuberの関口愛美さんは…
「共学の高校に通っていたが、授業中によく寝てしまった。
最悪なことに、寝るとオナラが出る性質で、“寝っぺの子”として校内でも有名に。
いつしか“プー魔”という不名誉なニックネームをつけられていた…」
といった女性にはしんどいエピソードを笑顔で披露。
先程の『モテなくていい2015』は、関口さんのYoutubeチャンネルでご覧頂けます。
と、「モテない」をテーマに盛り上がった、このイベントなんですが…
当初、チケットの売れ行きもモテなくてですね。
7月3日に、Twitter上で開催の告知をしたところ、その日のうちに10枚売れまして「この調子なら1週間もすれば30枚は行くだろう…」と高をくくって、その1週間後、問い合わせてみたらなんと、1週間で売れたチケット枚数は「11枚」。1枚しか増えてなかったんですよ。
焦りましたね。そこから必死に宣伝をして、結果は事なきを得たんですが、一体なぜチケットがモテなかったのか? と考えたところ、モテるとモテないを分ける決定的な違いが見つかったのです。それは…
もったいつけた方がモテる!
私は、イベントをやると決まって出演者も出そろった段階で一気に情報を放ったわけですが、そうすると「急なお知らせ」になってしまいますよね?
この「急に」「全てを」明かすことは“モテない”の最たるものだと気付いたんです。
例えば、中高時代の恋愛に不慣れな頃は、一度も話したことのない異性に突然、「好きです、付き合って下さい」と、こちらの思いの丈をぶつけてしまうものですが、ぶつけられた相手は「急に何??」と戸惑ってしまい、成就しないことが多いと思います。
・・・多いですよね?
やはり、事前から会話をして、その中で「あれ? この人、自分に気があるのかも…」と、好意のあるそぶりを見せたりするなど、ちょっとしたフリを入れて相手に「いつ告白されてもおかしくない…恋の一触即発!」な状態を作っておいたほうが成功率は高いんです。
・・・高いですよね?
「いつ告白されてもおかしくない」は、すなわち「いつ告白してくれるの?」という心理を呼び起こします。つまり、“焦らす”ことに成功しているんですね。
恋愛に限らず何事においても、もったいつけることで焦らしたほうが相手の心理を自分に有利な方向に揺さぶれる!!
このことに気付いたのです。
例えば、今回のイベントの告知に関してもそうです。
Twitterを見ていても、モテそうな人達は、こんな風にもったいつけています。
曰く
「すごく楽しい企画の話がまとまった。実現するの楽しみ。」
「まだ情報解禁前だけど、もう少ししたら発表できると思います。早く言いたいよ〜。」
など、こういった類いの“もったいつけ”。よく目にすると思いませんか?
ついつい「え? なに? なに?」と、こちらが聞く姿勢になってしまう、惹きつけられてしまうんですね。重心が前のめりになってしまう。
一度、「もったいつけているか否か」でTLを見てみてください。
もったいつけている人は、大体モテてますよ。
私は、この“もったいつけ”を嗅ぎ分けるのに敏感です。
もったいつけた感じは、すごくツンと来るんですが、でも実際もったいつけた方が結果モテてるんですよ。
といったことから、私はこの“もったいつけ”による“焦らし”を『柔道効果』と名付けました。
この『柔道効果』、気にしてみると随所に見られますよ。
例えば…
「ワケあって、◯◯している。」
これも「ワケって何?」と身を乗り出させている文章です。
Twitterに限らず、Amazonのレビューでも…
「あえて言わせてもらえば…」とか
「今後に期待して★一つ減らしました」とか
これらも、「上から目線で語ってしかるべき存在ですよ、私…」という、もったいつけの亜種と言っても良いでしょう。
普段の会話でも、「これ、話していいのかな〜?」とか「誰にも言わないって約束してくれる?」など前置きしてくる人は、かなりモテそうです。
“もったいつけ”は、人の心を惹きつける!!
“もったいつけ”は、モテる人が身に備えているスキル!!
これがモテる人と、モテない人の大きな違いです。
あれ? これ、モテるモテないだけじゃなく、ビジネスにも適用できる話じゃないかと思ってますよ。私、今。
といったところで、今回のお話は終わりますが…
「そういえば、イベントの会場の人に『ぜひ2回目もやってください!』と言われたから、
ひょっとしたら9月ぐらいに第2回モテないフェスが実現できるかも…あ、でも、まだ
本決まりではないから、正式に決まったら発表しま〜す。う〜、早く言いたいよ〜。」
ほらね、私、なんか下手なんですよ。もったいつけるのが。
連載「モテない美学」 バックナンバー
第1回「モテなかったらなにが悪い!」
第2回「モテないアナタは気遣いの達人なのかもしれない!」
第3回「モテない道とは、我を殺すことと見つけたり。」
第4回「ゴールデンウィークは、”モテない勢”のためにある!」
第5回「モテない毎日がグッと刺激的になる! モテない流・緊張との付き合い方」
第6回「トイレで気づいた『ちょっと面倒な人がなぜかモテる理由』」