いよいよこれからお盆渋滞に突入。そんな時に気を付けるべきは何か? まずは燃料補給である。「ガソリンあんまりないけど、サービスエリアで入れればいいや」この考えはいけない。
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■出発前の燃料補給は必須! 補給する場合はPAがベター
お盆の混雑時期はサービスエリアも大混雑だ。サービスエリアに入るために渋滞の列に並ぶ必要があることも。本線の渋滞で痛めつけられた上に、サービスエリアに入るための渋滞に並んだんじゃ踏んだり蹴ったりだ。給油は高速に乗る前に確実に済ませよう。お盆の時期、高速インター付近のスタンドはこれまた混雑している可能性もあるが、それでもサービスエリア渋滞よりは全然マシなはず。絶対に事前に入れておきたい。
給油がなくても、サービスエリアで休憩はしたいもの。サービスエリア渋滞をなるべく避けるには、サービスエリアより小規模なパーキングエリアで休憩することをすすめる。そっちのほうがまだ空いていることが多いからだ。女子トイレ渋滞も懸念されるが、それも規模の小さいパーキングエリアのほうがマシなことが多い。お盆の時期、人気のサービスエリアはすべてが渋滞しているので、入ること自体を避けたいところ。
なかでも、最大の渋滞が懸念されるのは、新東名のサービスエリアだ。新東名は東名に並行する新規路線で、走ってるぶんにはアウトバーンみたいで気持ちいいが、サービスエリアの駐車可能台数が東名のソレより断然少ない。言ってしまえば、実のところ半分以下である。なのに交通量は新東名6割、東名4割。これじゃサービスエリアが渋滞するのも当然だ。よって、お盆時期は新東名より東名がおすすめだ。「一度も休憩しません!」という弾丸ドライブなら話は別だが。
■高速内のスタンドは値段がバカにならない
サービスエリアで給油を避けたい理由はもうひとつある。サービスエリアのスタンドは値段がバカ高いのである。特にNEXCO中日本管内は、現在の平均でレギュラーガソリンが133円ちょい。環八沿いの安売り店ならこれより20円くらい安い。入れるだけで大損である。冗談かと思うくらい高いのだ。
「なんでこんなに高いんだ?」そう思われることだろう。簡単に言うと高速道路という閉鎖空間ゆえの競争原理の弱さに原因があるが、それを書き始めると長くなるので割愛する。とにかく給油は事前に、そしてサービスエリアは避けてパーキングエリアを狙う。これが基本だ。
■車線別の速さを気にするなら休憩を減らせ!
続いて、「どの車線を走ったら速いのか問題」がある。これについては、基本的には「どの車線も大差ない」の一言である。私の調査によれば、7割くらいは左車線の方が速いが、差は渋滞20キロあたり1分ほど(クルマの台数にして20~30台)だ。40キロの大渋滞でも2分程度。気を遣うのがアホらしいほどのミクロの差でしかない。
2分の差に血眼になるくらいなら、休憩を1回減らしたほうがはるかに早く着く。つまりは気分の問題ということだ。「負けた!」「損した!」と思いたくないだけなのだ。そういう小さな欲を捨てれば、気分穏やかに渋滞を過ごせる。よって、「大差ないさ」と達観して、無駄な車線変更を一切せず、心頭滅却すれば火もまた涼しの心持ちで過ごすのがコツである。ところで、なぜ左車線のほうが速いのか?
■度重なる車線変更はイイことなし!
理由としてよく聞くのは、「混雑が始まると、クルマが追越車線に集中するから」というものだ。確かに高速道路の自然渋滞は必ず追越車線から始まる。片側3車線の場合、混雑して速度が落ち始めた段階で、全体の約45%のクルマが追越車線に集中してしまう。つまり、そのまま誰も車線変更せずに渋滞に突入すれば、左車線の方が断然速くなる理屈だが、そうは問屋が卸さない。追越車線で渋滞が始まると、即座に多くのクルマが左に車線変更するので、すぐに渋滞は他の車線にも伝染し、交通量も平準化される。よって大差なくなる。
その後の流れの速度の差は、インターの出入りの台数で決まる。渋滞ではなぜか、インターで降りる台数の方が乗って来る台数より多いことが多い。インター入口で「○○キロ渋滞」と表示されるからだろうか? とにかく、少しだけ降りる台数のほうが多いので、少しだけ左車線のほうが速く進むことが多い。たったそれだけの差なのだ。
ただし、これが東名下り渋滞のように、横浜町田インターから大量のクルマが乗ってくるような路線だと、逆に追越車線のほうが速く進んだりする。つまり場所によって違うのである。いずれにせよ、どの車線にいても大差はない。チョコチョコ車線変更してかえって失敗すると、さらに精神的ストレスが高まるので、無駄な勝負は避けて淡々と待つのが吉なのである。
■ポジティブに考えれば渋滞が楽しくなる!?
お盆渋滞にはまったら、私の書いたことが真実だったかどうか、それを確かめて欲しい。それだけで多少はストレスが解消されるはずだから!
たとえば左車線に陣取って、隣の車線より何台速いかを数えて見よう。けっこう面白いですよ。ちなみに1台あたりどれくらいの「差」かというと、基本的に2秒である。渋滞が解消した時点で、平均車間距離は約2秒になる。20台抜いて「大勝利だ!」と思っても、それはたったの40秒のリードでしかないってことだ。
私は渋滞にハマる時は常に「研究の絶好のチャンス!」と思うようにしている。よってストレスはかなり小さい。渋滞の最大の敵はストレスだ。ストレスを溜めないためには、情報の収集が最も大切だが、日本の高速道路の渋滞表示は断然世界一。「あと○○キロ 通過に何分」と懇切丁寧に教えてくれる。よって心配はいらない。ひたすら身をまかせればいいのだ。
ちなみに、渋滞に耐えかねて突発的に下道に逃げる行為、これは百戦百敗と思っていい。ほぼ確実にかえって遅くなる。邪念は禁物だ。諸君の健闘を祈る!