KDDIは9月13日、料金プラン「povo」の新たな仕組みを発表しました。これまで月2728円だった基本料金を0円にし、通話やデータ容量などすべてのサービスを有料のトッピングとして提供します。
これまでも、ユーザーが自由にカスタマイズできる点がウリだったpovoですが、その幅がいっそう広がることになりそうです。それでは、プランの具体的な内容を見ていきましょう。
※記載の価格はすべて税込表記です
基本料金は0円。ゼロから自分で組み立てる「povo 2.0」
3月より提供されてきたpovoは、月20GB・2728円を基本料金とし、そこに<5分かけ放題>や<24時間データ使い放題>といったサービスや機能を自由に追加=トッピングできるのが最大の特徴でした。
9月下旬にスタート予定の「povo 2.0」では、まず基本料金を0円に値下げ。さらに、このベースプランからデータ容量を撤廃しトッピングに移行。従来では20GB一択でしたが、好きな容量を選べるようになります。つまり、データ容量やかけ放題などのプラン内容を、すべて自分でトッピングして決める必要があります。
データ容量は1~150GBの5種類を用意。従来の20GBに加えて、3GB/990円や60GB/6490円といった選択肢もあります。また、容量追加用だった1GBが初めから選択可能。24時間データ使い放題のトッピングも引き続き利用できます。
国内通話に関しては5分無料と無制限を用意。加えて、特定コンテンツのデータ容量がカウントされないトッピングも提供されます。野球やサッカーなどの優勝がかかった試合は見たいというニーズにもこたえられます。
このように、プラン自体をゼロから自分で組み立てるのがpovoの新しいかたち。たとえば、リモートワークと通常勤務を行き来するような、月ごとに使用量が大きく変動するような人は、1GBと20GBなどを使い分けるといいかもしれません。
なかでも、60GBの“まとめ買い”は使い勝手が良さそうに感じます。毎月の使用量が20GBを前後する人も、約3か月間で使い切ればいいため、月末の容量不足を心配せず賢く使えます。
従来のpovoのトッピングはあくまでも、基本プランに足りないものを文字通り上乗せするオプションにすぎませんでした。しかし、povo 2.0でのトッピングは、プラン内容を決める「素材」そのもの。いうなれば、トッピングというよりも、ベースプランという空いた皿にさまざまな料理を盛りつけていくビュッフェのようなイメージです。いろいろな使いかたができる、非常に柔軟性の高いプランになりました。
さらに、月々のデータ容量に関する新しい試みもスタートします。その名も「#ギガ活」。特定のお店で買い物をしたり、スマホゲームをプレイしたりすると、ギガがもらえるというもので、つまりポイントを貯めるようにギガを貯められます。すでに多くのパートナー企業と協力しているとのこと。
今秋には第1弾となる「FIND povo」を開始予定。街中にあるシェアサービスに隠れたpovoマークを見つけると、ギガがもらえます。
また、UQブランドは9月より、月1628円~の「くりこしプラン+5G」をスタート。auでんきや特定のインターネットサービス加入が対象の「自宅セット割」を適用すると、家族全員が月990円~で利用できます。なお、今回発表されたのはpovoとUQブランドのみで、auブランドについては近く発表できるとのことです。
今年もハロウィーン開催。 リアルとバーチャルが溶け込む体験を
料金プラン以外では、10月中旬に配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」にてハロウィーンフェスを開催すると発表。昨年は40万人が参加した同イベントですが、今年は自身をアバター化して参加できるなど、昨年よりもパワーアップしています。
さらに、パートナー企業が参加できる「スポーツ」「ミュージック」「お笑い」の3ステージをバーチャル渋谷内に新たに開設。スクランブル交差点でのパブリックビューイングや、ハロウィーンライブが予定されています。また、smash.と秋元康さんとのプロジェクト「smash.スカラシップ」もスタート予定です。
さらに、アバターとしてバーチャル空間で買い物をし、購入した商品が実際に家に届く「バーチャルセレクトショップ」。バーチャル空間でのライブをリアルの街にAR投影し、リアルの観客をバーチャルに反映させる「リアル&バーチャル同時路上ライブ」といったサービスも考えているとのこと。
バーチャル渋谷のような仮想空間は「メタバース」と呼ばれ、FacebookのHorizon Workroomsやフォートナイト、あつまれ どうぶつの森、古くはアメーバピグなどさまざまなサービスがあり、コロナ禍においても注目されています。
auの考えるメタバースは、現実にない空間を作り出すのではなく、リアルの都市をバーチャル化したもの。だからこそ、これから予定されているイベントのように、リアルとバーチャルが交差するような体験ができるのでしょう。
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