グルメ
2016/9/11 15:28

美しく積みあがったハンバーガーはまさに芸術品! 日本のバーガー界に革命を起こした人形町「BROZERS’」

ハンバーガーストリート・松原好秀の「週末はハンバーガー」 「BROZERS’」 (ブラザーズ)

 

人形町の「ブラザーズ」は、東京の、いや、日本のハンバーガーが今日これだけ大きな発展を遂げるに至った、そのきっかけをなした店である。優秀な人材も多く輩出している。渋谷の「レッグオンダイナー」、両国の「シェイクツリー」など、かつてブラザーズで活躍し、巣立っていった「弟子」たちの店が、ざっと数えても全国に20以上ある。

 

 

どれもが革新的だったブラザーズが「初めてやったこと」

ブラザーズは兄弟二人で始めた店である。やがて兄は離れ、弟の明雄さん一人になった。苦しい時期が何年も続いた。下町風情が残る日本橋人形町の、しかもこんな町はずれに、ハンバーガーを食べにくる客など以前は誰もいなかったのである。それが今では、ブラザーズを目指して全国から人がやって来る。人形町を代表する名店のひとつにまで挙げられるようになった。

 

 

↑重量100グラム・長さ約24センチの特注ソーセージを挟んだ「ホットドッグ」(810円)。挟むドッグバンズも特注で、水を使わず牛乳とバターで作っている

 

以下はすべてブラザーズが「初めてやったこと」である――。BBQ、スイートチリなど「ソース」をかけるバーガーをウリにしたこと。30数品ものバーガーをメニューブックにずらりと並べたこと。サンドイッチを一品も置かなかったこと。そして、レタスをきれいに折り畳んだこと。いまや当たり前になっているこれらのことは、2000年にブラザーズができるまで、他のどの店でもしていなかった。

 

↑名代の「ロットバーガー」(1782円)。丁寧に畳み込んだレタスが背高なバーガーの土台をなす”全部乗せ”。パティはオージービーフ100パーセントのサイズ110グラム。バンズは特注。選べるソースはBBQ、テリヤキ、レッドホットチリ、スイートチリの全4種

 

その折り畳んだレタスに象徴される積み上がったハンバーガーの美しさは、永久不滅の輝きを放っている。名物「ロットバーガー」は、ソース、マヨネーズ、強く振った黒胡椒と、「濃い味ばかり」の集合体であるのに、みごとな均整を保ち、一個のバーガーとして完璧な調和をなしている。まさにバーガー界の金字塔だ。甘酒横丁の散策ついでに、ぜひ訪ねたい21世紀の老舗である。

 

 

― shop data ―

所在地:東京都中央区日本橋人形町2-28-5 月村マンション1階

アクセス:東京メトロ日比谷線・都営浅草線 人形町駅歩7分

オープン:2000年7月3日

営業時間:

月~木: 11:00~22:00(LO 21:30)
金土祝前: 11:00~23:00(LO 22:30)
日・祝: 11:00~20:00(LO 19:30)

定休日: 不定休(要確認)