キーコーヒーは11月1日、純喫茶の魅力を発信するキャンペーン「純喫茶ジャーニー」をスタートしました。11月1日~20日は、アマンド・六本木店にて懐かしの純喫茶をモチーフした限定メニューも販売します。
“純喫茶”ってなに?
近年、「純喫茶」が再注目されています。街中にあるちょっとレトロな外観で、なんとなく敷居が高そうな喫茶店。勇気をもって足を踏み入れてみると、家具や調度品が並んでいて、どこか懐かしい雰囲気の空間。定番メニューはコーヒー、サンドイッチ、クリームソーダ、ナポリタン……。ちょっとクセのあるマスターが接客してくれる。例えばそういう店が“純喫茶”です。
純喫茶のもともとの意味は、お酒を出さない喫茶店の呼び名でしたが、昭和レトロな昔ながら喫茶店のことを親しみをもってそう呼ぶ人が増えています。
今回、キーコーヒーがコラボした「東京喫茶店研究所」の二代目所長の難波里奈さんも、純喫茶に魅せられたひとり。難波さんは会社員として勤める傍ら、仕事帰りに喫茶店を訪れ、気づけば2000軒を訪問していたという筋金入りの愛好家。ブログや書籍やSNSを通じて喫茶店の魅力を発信してきました。
特設サイトで純喫茶の魅力を発信
キャンペーン特設サイト「#純喫茶ジャーニー」では、難波さんが執筆した純喫茶にまつわる記事を紹介。11月中には選りすぐりのお店を集めた「純喫茶マップ」も公開されます。
特設サイトでは「#喫茶ジャーニー」のハッシュタグで集めたTwitterやInstagramの声も紹介。“推し純喫茶”を語れる空間になっています。
「あの看板」がガチャに
キャンペーンにあわせて、キーコーヒー監修のカプセルトイ「純喫茶ミニチュアコレクション ~純喫茶のある風景~」が発売されます。11月下旬発売予定で、カプセルマシンでの販売価格は500円。
喫茶店の入り口でよく見かける、鍵のマークのキーコーヒーの看板がミニチュア化。喫茶店のコーヒーやバタートースト、モケットチェア、テーブルゲームも再現されました。
キーコーヒーでは純喫茶ジャーニーの特設サイトにて、SNS上でおすすめの純喫茶を紹介した人に抽選50名でミニチュア看板をプレゼントするキャンペーンも実施中です。
アマンド 六本木店で純喫茶メニューを展開
キーコーヒーグループの「アマンド 六本木店」では、純喫茶ジャーニーのキャンペーン開始を記念して、懐かしの純喫茶をモチーフとしたオリジナルメニューを展開。
11月20日(土)までの期間限定で販売します。一部のメニューはフェア前期(11月10日まで)とフェア後期(11月11日~20日)で入れ替わりもあります。
純喫茶メニューは難波さんの監修のもと、アマンド 六本木店店長の八重尾さんが制作。一見懐かしの純喫茶らしいメニューでありながら、食べてみると新しい発見があるものに仕上がっています。
よくばり純喫茶セット:1300円
喫茶店に入るとメニューが多くて迷ってしまう……! そんな悩みにワンプレートで答えるセットです。鉄板の「ナポリタン」「プリン」「クリームソーダ」をセットに。これだけでお腹いっぱい食べられます。
試食してみたところ、まさに“喫茶店の味”でした。一口食べると甘酸っぱいケチャップの風味が口の中に広がります。ナポリタンは噛み応えがある太麺で、もちもちした食感。時折でてくる玉ねぎやピーマンからは、しっかりとした歯ごたえと優しい甘味が広がります。皮が強めなソーセージは、かむとジューシーな肉汁がじわっと広がり、奥深い味わいです。白身までチリチリと焼いた目玉焼きも、味と食感に変化を与えてくれる重要な脇役です。
プリンは喫茶店でよくあるような、昔ながらのちょっと固めのプリンです。スプーンで切り取って口に放り込むと、まず感じるのはなめらかな舌ざわり。ミルクと卵の甘さを楽しんいると、カラメルのほろ苦さがじわっと効いてきます。
キャンペーン期間中、ナポリタンが提供されるのは11月1日~10日(水)まで。後半の11月11日(木)~11月20日(土)は、スパゲティがコスモポリタン(ナポリタンのホワイトソース版)、甘味がコーヒーゼリーのバージョンで提供されます。
クリームソーダ:800円
喫茶店といえばクリームソーダ! という人も多いのではないでしょうか(筆者はホットコーヒーとクリームソーダでいつも迷います)。アマンドの純喫茶メニューでは、定番のメロンソーダのほかに、2種類の味を用意します。並べると緑、黄色、赤の輝きが美しい。“映える”ドリンクになっています。
そして、その味わいも斬新でした。黄色のソーダはレモンではなく「バナナソーダ」。喫茶店メニューとしてはあまり見かけない、八重尾店長考案のメニューです。飲んでみると炭酸のほろ苦さの中に、芳醇なバナナの香りもしっかりと感じられます。甘さ控えめに作られているため、ナポリタンやプリンとあわせてもゴクゴク飲めるのが特徴。上に載っているアイスクリームは、牛乳のコクと砂糖の甘さがぎっしり詰まった手作りの味わい。ソーダのほろ苦さとうまくバランスを取っています。
赤色のソーダは「ストロベリー&ローズ」味。このソーダは難波さんの雰囲気から着想を得て八重尾店長が創作したそうです。
ノスタルジックな六本木リングシュー:580円
アマンドのロングセラー・リングシューにアレンジを加えた一品です。
11月1日~10日の前半には色とりどりの果物が楽しい「フルーツアラモード」アレンジを販売。後半の11日~20日には、中にさくらんぼクリームをぎっしり詰めた「さくらんぼ」アレンジで提供されます。
復刻! 特別サンドイッチ 2021:1000円
かつてアマンドで提供されていた「特別サンドイッチ」を現代風のアレンジで。喫茶店のメニューで「特別」「特製」「スペシャル」といった文字を見かけると、つい頼んでしまう方も多いのではないでしょうか。
昭和の「特別サンドイッチ」は、実はベーコン、キャベツ、たまご、チーズをはさんだオーソドックスなサンドイッチでした。今回はそのレシピをベースにソースを加え、ホットサンドに仕上げています。肌寒くなる時期にちょうどよい一品。11月1日~10日はカレーソース仕立て、11日~20日にはホワイトソース仕立てで提供されます。
思い出のゼリー:3種セット760円
喫茶店のドリンクをゼリーで再現。レモンソーダゼリー、クリームソーダゼリー、コーヒーゼリーの3種です。
みて楽しい、食べて驚きなスイーツでした。レモンソーダのゼリーを一口食べてみると、酸っぱさと柑橘の豊かな甘みが口の中をふわっと覆ってきます。さらに、炭酸のシュワシュワとした刺激もしっかりと感じられました。上に載っているのはアイスクリームではなくババロアで、ミルクのコクを楽しめます。
コーヒーゼリーはキーコーヒーこだわりの「トラジャブレンド」を使用しており、他ではなかなか見ない弾力感と風味の強さが特徴です。コーヒーをそのまま飲むよりも風味を味わえる珍しいスイーツになっています。
テイクアウトでは1個250円で単品販売も実施。ホイップの型崩れに気を付けて運ぶ必要がありますが、ちょっとしたお持たせに持っていくと喜ばれるでしょう。
なぜ純喫茶に魅せられた?
純喫茶ジャーニーの開始記念イベントでは、「東京喫茶店研究所」の難波さんが純喫茶の魅力をたっぷりと語りました。
純喫茶にどっぷりとはまり、会社員として勤める傍ら全国の純喫茶を渡り歩いている難波さん。純喫茶を紹介する本も10冊近く執筆しており、日々純喫茶について発信を続けています。
難波さんが純喫茶に魅了されたきっかけは、“昭和レトロ”でした。昭和の家具や雑貨を集めて部屋を飾っていたときに「部屋を着替えるように、純喫茶を楽しめるのではないか」と思いついたといいます。
純喫茶はオーナーが趣味で始めたような店が多く、昭和の時代から街の中にあり続け、生き残ってきた店も多々あります。難波さんは「純喫茶はお店の方のあこがれや想いなどが詰められた宝箱のような空間です。100人のマスターがいたら100個の個性があって、飽きることがありません」と表現しました。
長く街に根付いているだけに、中には入るのに敷居が高そうなお店もありますが、勇気をもって踏み入れてみると、誰でも受け入れてくれる空間だと言います。
今回、純喫茶メニューを展開するアマンドは、歴史ある喫茶店ですが、個人経営が多い純喫茶ではありません。「フェアメニューや純喫茶ジャーニーをきっかけに、純喫茶に興味をもって、純喫茶に足を踏み入れる人が増えるとうれしい」と語る難波さん。純喫茶の輪を広げていきたいという想いが伝わってきました。
キーコーヒーも純喫茶に対して、並々ならぬ想いを持つ会社です。全国の喫茶店におかれた鍵のマークの看板は、喫茶店文化を象徴するものになってきました。そんな喫茶店もコロナ禍で苦戦し、営業をたたむ店も増えてきている状況にあります。
キーコーヒーの柴田裕社長は「喫茶店は全盛期には15万軒あると言われていましたが、現在は約7万軒まで半減しています。最近ではコロナ禍で厳しい状況ともなっていますが、耐え抜いて頑張っている喫茶店を応援して、喫茶店文化を盛り上げていきたいと考えています。喫茶店ジャーニーの取り組みが、これまで喫茶店になじみがなかった若い人が触れてもらえる機会につなげていきたい」と話しました。
純喫茶の過ごし方は人それぞれ
純喫茶に勇気をもって足を踏み入れたあと、どう過ごせば楽しめる? という不安を持つ人もいるかもしれません。その問いかけに対して、難波さんはこう答えています。
難波さん「純喫茶でメニューを注文するというのは、そのテーブルをお借りしてその場所で時を過ごすことだと考えています。周りの方に迷惑にならない過ごし方なら、どのように過ごされてもいいのかなと思います。
ただ、私は本を持っていっても読んだりせず、“藻”のようにひたすらその場所に存在するだけという過ごし方をすることも多いです。
周りから聞こえてくる会話を受け取るのも、純喫茶の醍醐味の1つだと思っています。マスターと常連さんとのやり取りに耳を澄ませてみると、『この街ではこういうことが起こっているんだ』と新しい発見があります。
それでも手持ち無沙汰になってしまうときは、置いてある雑誌や新聞を読んだり、メニューを全部熟読してみたり、疲れてない時であれば近くの方に話しかけてみたりと、その時その時で興味があることをされるのが一番楽しいかなと思います。
慣れてきたら違う店にきても同じものに注目する、定点観測みたいなことをすると新たな発見があったり、自分の好きなことに気づけるかもしれません」
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