家で揚げ物を調理するのはハードルが高いと考える人が多いでしょう。油の処理は面倒ですし、揚げながら「カロリー摂り過ぎだよなぁ」と不安を覚える人もいるかと思います。でもアツアツの揚げ物とビールの相性は最高ですから、なかなか絶てないのが現実!
この「片付けが面倒」「カロリーが気になる」という揚げ物をするときの悩みを解決してくれるのが、「ノンフライヤー」。余分な油を使わずに熱風で食材を包み込みながら加熱する仕組みの調理家電です。ノンフライヤーはさまざまなメーカーから発売されていますが、置き場所の問題などから従来、筆者は正直あまり欲しいとは思っていませんでした。しかし、そんな筆者でも実際に使ってみて欲しくなったノンフライヤーがあったのです。本記事ではそんな気持ちにさせてくれた、Simplus(シンプラス)「ノンフライヤー 1.8L SP-FR01」(税込価格:6980円)の魅力をご紹介します。
キッチンに置きやすいサイズ
シンプラスのノンフライヤーがもつ大きな特徴のひとつが、そのサイズ。本体サイズは幅21×高さ28×奥行き26.8cmと小ぶりです。想像していたよりもひと回りほど小さいだけで、キッチンに置くハードルが一気に下がりました。
分かりやすくサイズ感を例えると、5.5合炊きの炊飯器よりもひと回り小さいくらい。なお、背面に排気口があるので、壁や棚とは少し間を開けて設置しましょう。
庫内の容量は約1.8Lとなっており、1〜2人の世帯ならこれで十分。自宅での食事だけでなく、お弁当用に揚げ物を少し作るときにも重宝しそうです。しかし、「家族4人分の揚げ物をする」といった、一度に大量の揚げ物をするのには向きません。
冷凍フライドポテトから自家製野菜チップスまでOK
使い方はシンプルで、フライヤー部分に食材を入れたら、温度とタイマーをセットするだけ。設定温度は0〜200℃となっており、タイマーは30分までセットできます。
まずは冷凍のフライドポテトを調理してみることにしました。あらかじめ180℃で3分予熱をしておき、そこに凍ったままのフライドポテトを入れ、16分加熱します。
加熱が開始すると、「ブォーン」と音がします。庫内の熱風を大型ファンで高速循環して、食材を包み込みながら加熱する仕組みで、この音は加熱が終了するまでずっと鳴っています。うるさいほどではないですが、最初は少し驚くかもしれません。
フライヤー部分を取り出すと自動で加熱がストップするので、調理ムラを防ぐために調理中にフライヤー部分のポットを取り出して軽く振ったり、食材を裏返したりすることもできます。今回は5分おきくらいに軽く振ってみました。
待つこと16分、完成したフライドポテトがこちらです。揚げていないので色は薄いですが、さっそく食べてみると、芋の味が濃い! 揚げたときのようなサクサク感はないのですが、しっかりベイクされてじゃがいもの味が際立っています。ファーストフードで少しふにゃっとしたフライドポテトが好きな人はおそらく好きなはず。これでカロリーが大幅カットできると考えれば、アリかもしれません。
食感や味わいは揚げたポテトともちろん違うのですが、これはこれで良さを引き出しているように思います。しかし、ひとつ気になったのが「冷めやすい」点です。揚げたものに比べると少し冷めるのが早いように感じたので、とにかくできたてを食べることが大事かもしれません。
もうひとつ、試したかったのが野菜チップスです。これまで作ったことはないですが、油を使わないという手軽さに惹かれて挑戦してみることに。れんこんをスライサーで薄くカットして庫内を予熱し、180℃で15分加熱します。まんべんなくパリパリにしたいので、先ほどと同じく、5分おきに中身をチェック。完成したのがこちらです。
油を使っていないとは思えないほどパリパリのれんこんチップスです!塩気を効かせるとお酒のおつまみにも良さそう。と、カロリーオフにした意味を忘れそうになりましたが、何度も作りたくなる手軽さです。スーパーで買ったパック入りのれんこんを1本使ったのですが、あっという間に完食しました。かぼちゃやにんじんで作るのも良さそうですね。
温め直しで天ぷらの衣も復活
ノンフライヤーは揚げ物の温め直しもできます。スーパーで買ってきたお惣菜や、残り物の揚げ物などは150℃で5~10分ほど温めるだけ。ちなみに、ノンフライヤーには小さい食材を載せるためのプレートと、大きめの食材を載せるためのステンレスグリルの2種類の台が付属するので、この上に載せて温めましょう。
温めると下に余計な油が落ち、衣がサクサクに復活! もちろん中身もしっかり温められています。トースターよりも焦げにくいので、お惣菜などの温め直しはノンフライヤー一択になりそうです。しかし、コンパクトボディーなので、一度に温められるのはコロッケ2個、かき揚げ1個までが限界でした。天ぷらセットなどは2回に分ける必要がありそうです。
グリル機能でローストビーフも
ノンフライヤーといえば、揚げ物のイメージが強いですが、実はグリルやロースト調理にも役立ちます。例えば、ローストビーフのような塊肉は、200℃で8〜10分ほど焼いてから、そのまま庫内で10〜15分ほど寝かせるだけで完成しちゃうのです。
ノンフライヤーにはレシピブックが付属していないので、調理時間はいろいろな人が公開しているレシピを参考にしました。火加減の難しいローストビーフですが、初めて作る筆者でも上々の出来栄えでした。料理の仕上がりが少し不安だという人は、鶏肉と野菜のグリルなどしっかり火を通す料理から始めるといいかもしれません。
今回のレビューで気になったのが、ノンフライヤーで揚げ物をするのは時間がかかる、という点でした。油を使えば、時間は半分以下で済むはずです。しかし、「油がはねてやけどする心配がない」「油の後片付けをしなくていい」「カロリーオフできる」という3つのメリットを考慮すると、一台持っていてもいいのかもと思えました。料理好きな人へのプレゼント家電としても重宝しそうです。また、「食生活を見直そうかな」と考えている人が一念発起するきっかけになるかもしれません。ぜひノンフライヤーで“揚げない揚げ物”の可能性を感じてみてください!