MLB3000本安打など数々の偉大な打者記録を打ち立てたイチロー選手は、守備の名手としても知られています。07年から同選手のグラブを手がけるミズノの岸本耕作さんが、使用する皮革選びから型付けなどの仕上げまで一貫して手がけ、本物に限りなく近いクオリティを実現したのが「ICHIRO “MODEL 2016” プレミアムレプリカグラブdirected by Kousaku Kishimoto」。9月24日から51個限定で発売されます。
本記事では岸本さんにイチロー選手との秘話などを紹介していきます。
ミズノが誇る〝匠〟がこだわり抜いた逸品
「初めてイチロー選手にグラブを渡したとき、持参した6個すべて受け取ってもらえませんでした。手にはめた瞬間に『これは使えません』と、ハッキリ言われましたね」ミズノ テクニクスのグラブマイスター岸本耕作さんは、2007年当時シアトル・マリナーズに所属していたイチロー選手との出会いを振り返ります。
それまで同選手のグラブを手がけていた名匠・坪田信義さんが引退。後任を務めることになった岸本さんには、大きなプレッシャーがかかっていたはず。それだけにショックも大きかったに違いないものの、イチロー選手の常人離れした用具へのこだわりを示すエピソードともいえます。
「自分がヘコんで済むならいいですが、それではイチロー選手が使うグラブがなくなってしまいますからね。必死でした」と岸本さん。イチロー選手がグラブで最もこだわっているのは、手にはめたときのフィーリング。これを共有するために、何度も打ち合わせを重ねたのだそう。
適度に柔らかくて軽量。それでいて、ある程度の「しっかり感」を備えること。文字にすると簡単だが、実際は限りなく繊細な仕事です。
「革製品は“生き物”ですから、同じ職人が同じ製法で作っても、仕上がりに少しは違いが出てしまうもの。だからこそ、イチロー選手のグラブは素材選びから徹底してこだわり、裁断や縫製、仕上げまでひとりで手がけています。『これなら使ってもらえる』と思えたモノだけを選んで持っていきます」
イチローモデル担当として10年目を迎えた今年は、3つのグラブをキャンプ地に持ち込みました。そのうち、イチロー選手に受け取ってもらえたのはひとつだったのだとか。
「いまでもそんな感じです。まだまだ必死ですよ」 少しはにかむように相好を崩しながら、岸本さんは言います。その伝説的グラブマイスターが、イチローモデルとまったく同じ工程で作り上げたグラブが、数量限定で9月24日から一般販売! 素材選びから仕上げまで、超一流のこだわりが詰まった逸品を、このチャンスに必ず“キャッチ”したいものですね。
イチロー選手のグラブへのこだわりとは?
ここではイチロー選手自身のグラブへの「こだわり」もご紹介します。
1.革を極限まで薄くすることで軽量化して操作性を追求
ハンドリング性を高めるため、極限まで軽量化しています。一般的なグラブに使う革は2㎜弱ですが、本モデルはもっと薄いものを使用。当然耐久性は落ちるため、ひと月に1回ほどで交換するのだとか。
2.ヒモはやや緩めに絞めて開きが良くなるように
グラブがよく開くよう、ヒモはやや緩めに絞めるのがイチロー流。ただ、MLB打者の強い打球にも押されずに捕球できるよう、日本でプレーしていたころに比べると少しキツめにしているそう。
3.フィーリングを変えないためヒモは結ばないままにする
パッと見でもユニークなのは、通常は結ぶグラブのヒモをそのままにしている点。何度もヒモを結び直すと、手にはめたときのフィーリングがそのたびに変わってしまうためだという。
ミズノ『ICHIRO “MODEL 2016” プレミアムレプリカグラブdirected by Kousaku Kishimoto
(19万4400円)は、イチロー選手の背番号にちなんで数量51個限定で販売されます。9月24日の正午より、ECサイト「ホン・モノ・ケイカク」にて予約販売がスタート。
【URL】
ホン・モノ・ケイカク http://hon-mono-keikaku.com/item/?p=4043