新米がおいしい季節です。ここ数年、炊飯器の性能が格段に上がり、かまどで炊いたようなおいしいご飯が炊けるようになってきました。しかし、さらなるおいしさを求めるなら、やっぱり精米したてを炊くのが一番。そこで今回、アイリスオーヤマの家庭用精米機「米屋の旨み 銘柄純白づき精米機 RCI-A5-B」を使い、精米したてのお米を味わってみました!
ぬか層は取り除き、旨みの層はしっかり残す機能を搭載
ご存じの方も多いと思いますが、お米は精米した瞬間から酸化が進み、水分も抜けていってしまいます。つまり同じ日に収穫したお米でも、いつ精米したかによって味も風味も、栄養価まで大きく変わってしまうということ。ならば玄米で買っておき、その日に食べるぶんだけ精米するというのがベスト! そこで活躍するのが、家庭用精米機です。
そもそも精米前のお米は、胚乳と呼ばれる白米部分を「亜糊粉層」「糊粉層」「ぬか層」が覆い、胚乳の先端には白い「胚芽」がくっついています。精米とは基本的に、ぬか層や胚芽を削り取り、胚乳のみを残すこと。しかし、胚乳の周りの亜糊粉層には旨みと栄養が含まれているため、アイリスオーヤマの精米機は、「ぬか層はしっかり取り除き」「亜糊粉層は残す」という精米機能を搭載したといいます。
絶妙な精米加減で31銘柄の“磨き分け”ができる!
さらにこだわりを感じさせるのが、お米の銘柄に合わせた精米ができる点。お米は銘柄によって、粒の大きさや硬さが違うため、それぞれの個性が引き出せる精米方法が選べます。対応する銘柄は、なんと31種。最近は、銘柄に合わせて炊き分けできる炊飯器ができていますが、こちらは銘柄に合わせた”磨き分け”ができるというわけですね。
実際にボタンで選択できるのは、「こしひかり」「あきたこまち」など主要6銘柄ですが、それ以外の25銘柄は、取扱説明書にある表を見ながら、主要6銘柄と個性の近いものを選ぶ仕様になっています。たとえば「あさひの夢」「ふさこがね」「ミルキークイーン」は、「こしひかり」を選択するといった形ですね。
精米モードには、玄米を標準的な白さの白米にする「精米」のほか、「3ぶつき」「5ぶつき」「7ぶつき」、白米より白く仕上げる「純白米」コースがあります。さらに、玄米を無洗米に仕上げる「無洗米」、日数が経って酸化した白米の表面を磨きとる「白米みがき」、栄養豊富な胚芽を残す「胚芽米」モードも。同じお米でもいろいろな食べ方が楽しめそうです!
まさかこんなに違うとは……。精米したてのご飯のおいしさに感動!
さっそく玄米を精米してみます。使ったのは、お米屋さんから購入した「あきたこまち」。5kgで1950円と、ごく標準的なお値段のものです。コース設定は、銘柄が「あきたこまち」、モードが「精米」(すべて消灯しているのが精米モード)、せっかくなので「純白米」コースで3合精米しました。
設定してスタートボタンを押すと、かくはん棒が高速で回転し始めました。回転の様子はこちら↓
玄米が目にも留まらぬ速さでかくはんされ、精米かごの壁にぶつかっているのが分かります。精米完了までかかった時間は、約4分30秒。運転音は、うるさいというほどではないですが、これが4分30秒続くため、精米する時間と場所は選んだほうがいいかもしれません。
さて、精米が完了! 熱をもって、蒸気で曇ったフタを開けると……し、白い! さっきまで茶色かった玄米が、いつもの白米になっています。しかも磨きたてということもあって、表面はツルツル、白さも一段と際立っているように感じます。これはおいしそう!
でもお米を覆っていた米ぬかはどこへ行っちゃったのかしら……と思いきや、精米かごの下のぬかボックスにたっぷり溜まっていました。これらのぬかは、もちろんぬか床として使えます。
精米したての真っ白なお米は結構粉っぽかったので、念入りに米研ぎしてから炊飯器で炊いてみました。炊飯が終わってフタを開けた瞬間、甘いお米の香りが家中に広がります。しかも見た目が、いつもと全然違う! お米1粒1粒が大きく、ふっくら立ち上がっているのが分かります。もちろん表面はツヤッツヤ。たまらずパクッと一口食べると、まあみずみずしくて甘いこと。やわらかいのにハリがあり、「お米が新鮮ってこういうことか……」と感じさせられました。
お米らしさが味わえる7ぶつき米&胚芽米が大好評
続いて試したかったのが、ぶつき米。健康のため、ビタミンやミネラルが豊富な玄米食を試してみたこともありますが、やはり食感が硬いのと、白米に比べてクセがあるので、どちらかというと「健康のためには、多少のおいしさは犠牲にしなくては」という思いで食べていました。でも結局家族から、「どうせならおいしいものが食べたい」と嘆願され、玄米生活はあっけなく終了。
しかし、完全な玄米はムリでも、ぶつき米(玄米と白米の中間の状態。7ぶつきなど数値が10に近いほど白米に近くなる)ならいけるかも。この精米機は、3ぶつき、5ぶつき、7ぶつきもできるため、白米に近い7ぶつきを試してみました。2合ぶんを精米するのにかかった時間は、1分40秒。見た目は、結構茶色いですが、しっかり洗米してから、炊飯器の玄米コースで炊いたところ、仕上がりは白米に近い感じで違和感がありません。
食べてみたところ、やっぱりおいしい!! もちろん白米とは違いますが、みずみずしさとふっくら感があり、全然硬くありません。いや、白米よりむしろお米本来の味がしっかり感じられるような。家族からも「これなら毎日食べたい!」と大好評でした。
胚芽米モードもやってみました。7ぶつきとあまり変わらないのでは、と思いきや、精米後も、炊いたあとも、かなり茶色い印象。ちょっとパサパサした炊きあがりで、硬くはないものの噛み応えがあります。かといってクセはなく、噛めば噛むほど味が染み出し、お米本来の味を楽しめる満足感がありました。
栄養とおいしさを考えるなら自家精米しないともったいない!
いろいろ試してみましたが、白米もぶつき米も胚芽米も、どれもおいしくてビックリ。なかでも違いを実感したのは、やはり白米のおいしさです。お米の新鮮さって本当に大事。子どものころから、ふつうに精米されたお米を食べてきたので知りませんでしたが、鮮度でこんなに味が変わるとは……。
確かに、玄米は手に入れにくい(筆者の場合、近所のスーパー2〜3店まわりましたが、売っていませんでした)、精米機を置くスペースがない、毎回精米するのは面倒など、デメリットもあると思います。でもそれ以上に、おいしくて栄養価の高いお米が毎日食べられるのだから、改めて自家精米しないともったいない! と強く思いました。
アイリスオーヤマ
銘柄純白づき精米機 RCI-A5-B
実売価格1万800円
【SPEC】
サイズ/質量:W212×H223×D287mm/3.4kg
定格消費電力:330W
精米容量:1合〜5合
精米時間目安(1合~5合):無洗米約4分30秒~6分