本・書籍
2022/1/11 6:15

ネットの闇を暴くYouTuberの戦い方ーー『告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』

ネットが発達したことで、ネット絡みの問題行為も生まれています。そして、その問題行為がどのようなものだったかをライブ配信で告発するという流れが新たに生まれています。

 

解決スピードの速さ

技術の発達によって、今までだったら隠し通せていた悪事が御用になりやすくなったと感じる人は多いでしょう。たとえば、各所の防犯カメラに映る逃走犯の姿を追跡し、居場所を特定する警察の手腕の鮮やかさには感動させられます。事件翌日にはもう犯人を逮捕できていることもあるのですから。

 

しかし、まだ事件に至っていないオンライン上のやり取りを警察が捜査することはありません。けれど、実際にはSNSなどでひどい目に遭い、泣き寝入りしているような人は大勢います。特に未成年は法的知識もあまりないため、誰に相談していいのかわからずひとりで途方に暮れるケースもあるのです。

 

オンラインで未成年を狙う影

チェコのドキュメンタリー映画『SNS-少女たちの10日間-』は、10代だとウソをつき、若作りしてSNSに登録した成人女性3人がどうなったかを記録したものでした。10日間で彼女たちにコンタクトを取ってきたのは2458人。その多くが、女性を10代だと認識したうえで淫らな交流を持ちかける男性たちだったのです。

 

この映画はチェコでヒットし、後日、新たな展開を迎えます。チェコ警察が、画像提供を依頼してきたのです。これにより、未成年に対して、してはいけないことをしていた男性たちは捜査対象となりました。つまり、映画がひとつのきっかけとなって警察が動いたのです。

 

トップライブ配信者

2021年、日本でもこれと似たことがありました。チェコの映画は過去映像を映画館で流したのですが、日本はライブ配信、つまりネットでの生放送中に問題が取り上げられたのです。それは、ある有名YouTuberの男性が、15歳の少女に淫らな画像を何度も送らせていたというものでした。

 

少女から相談を受けたのは「ライブ配信の王」と言われるコレコレさん。しばしばネット上の問題を取り上げ、それを視聴者と共に考えるというスタイルが人気を博しています。彼のライブ配信の最大同時接続者数は31.6万人(2021年9月時点)。芸能人ではない個人配信者としてはトップの数字です。

 

ライブ配信が先行する形

このYouTuberの事件はライブ配信(生放送)されましたが、記録はYouTubeにもアップされ、書籍『告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇』(コレコレ・著/宝島社・刊)にもやり取りが生々しく描かれています。

 

被害を受けた女性本人が生放送に出演して経緯を語るだけでも衝撃ですし、視聴者が自分なりの考えをコメント欄に書き込み、それが即座に番組で読み上げられ、皆でこの問題を考えているのも斬新です。結果、番組に励まされた被害女性は警察に被害届を提出し、当該YouTuberの逮捕に至りました。これも映画同様、コンテンツがきっかけとなって警察が動いた形となったのです。

 

視聴者と「対等」であること

コレコレさんの番組では、これまでもネットで起きた問題がいくつも取り上げられてきました。時に「ネット界の文春砲」と言われることもあるようですが、雑誌のスクープとは大きく違う点があります。それは、スクープすることそのものではなく、相談してきた視聴者の悩みの解決が目的なのだということ。

 

本書でコレコレさんは「リスナーと私は常に対等だ」と綴っています。だからこそ、視聴者は彼と腹を割って話ができるのでしょう。そんな本音トークが繰り広げられるなかで、配信中に次々に出てくる新情報に視聴者はクギ付けとなります。コレコレさんのところには次々に相談が寄せられているようなので、今後も新たなニュースがこのライブ配信から出てくるのではないでしょうか。

 

 

【書籍紹介】

告発 誰も晒せなかったSNSのヤバすぎる闇

著者:コレコレ
刊行:宝島社

【拡散希望】未成年淫行/闇バイト/投資詐欺/マルチ商法/頂き女子/ネットいじめ/悪徳インフルエンサー……ドン引きするような「悪事・ゴシップ」のオンパレード!!!! YouTubeチャンネル登録者数155万人超「マホト児ポ法違反」の暴露で大注目日本トップクラスの視聴率を誇るライブ配信の王・コレコレが暴く無法地帯化するSNSのコワい実態【#コレゆき】SNSで話題のひろゆき氏との対談も収載!!

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